昨年2月にXboxOne/XS版が発売され、その8月にギルティギアとのコラボでPS版が発売されたHORIの「ファイティングスティックα」が、ようやくこの度通常版としてPS5用にお目見えする事となった。とっととPS版を発売していれば更なるセールスが見込めたのに、あえてXboxOne版を最初にリリースしたという事はMSとの密約でもあったのだろうか。それは謎である。
さて、コラボ版が長らく品切れ、というかおそらく初回分だけで終了し、プレミアがついていたこのFSであるが、通常版と言う事でこれからは安定供給が望める事と思われる。既存のシリーズであるRAPとどう棲み分けするのかは不明であるが、静穏モデル以外ほぼ触ってきた私からすれば、ボタン配置が唯一ビュウリックスであるRAPVを除けば、ここであえてRAPとファイティングエッジを選択する選択肢はほぼないと思われる。それぐらい、このFSαは完成度が高いのである。
このFSに関してはすでにレビュー済みであるが、あえて再び述べさせてもらうと、最大の特徴は開閉式、しかも他社のモデルとは異なり奥が開くという事であろう。まあぶっちゃけどっちが開こうとあまり関係はないとは思うのだが、コードの収納性を考えてそうしたと思われる。これまでのRRAPではコンパートメントに収納するのが一般的であったのだが、そうなるとどうしても構造的に縛りが出来てしまうため、それを解消するためにこのような形にしたのだろう。これは非常に良いアイデアだと思う。
その一方で、奥側に必ず隙間が出来てしまうため、静穏性が低いとの話もあるが、正直言うと以前のRAPやファイティングエッジよりも遥かに静穏性が高い。元々のHayabusaパーツ自体の静穏性が低いので、さすがに旧Pantheraなどよりはやかましいのであるが、これを三和パーツに換装すれば匹敵するレベルになるのではないかと思う。少なくとも、これまで触れてきたHORIのガワの中では一番と言っていいほど静穏性が高い。
ボタン配置はもはやHORIの代名詞とも言えるノアール配置だ。ほぼ全ての海外モデルがビュウリックスなので、その辺りで差別化をしないと皆そっちに流れてしまう、との懸念があるのかも知れないが、少なくとも自分的にはノアールの方がやりやすいと思っているので、これはあまり問題ではないかと思う。気になるのは、左側のスペースが狭く、あまり腕を開いてしまうと角に当たってしまうという懸念があるという事だ。一応、私の感覚ではギリギリ腕が乗った状態であるため、そこまで狭さは感じないのであるが、正直もう少し広ければ、とは思うし、その方が見た目的にもバランスが取れていた感じもする。現行だとどうしても縦長の印象があるため、一般的なアケコンと比べると若干違和感があるためだ。
ただ、それでも手前側が傾斜しているのは、素材がプラスチックと言う事もあって非常に収まりも質感も良い。そして、これまでオプション系ボタンは側面に配置されている事の多かったHORI製品であるが、こちらは全て上にまとめられており、これは非常に使いやすい。PSボタンとオプションボタンは特に目立つようになっているので、押し間違える事もないだろう。もちろんロックも可能だ。
結論を言うと、前にも書いたように現行のアケコンとしてはトップクラスの出来であるはずだと思う。現在、Amazonではほぼ1割引き、18000円台前半で予約する事が出来るので、ギルティギアバージョンが割引でも22000円ほどしたと思う事を考えたら割安と言っていい。まだRAPやファイティングエッジも並行して発売されているが、余程何かへの拘りがない限りはどう考えてもFSの方がお勧めだ。かなわない点と言えば、高級感ぐらいであろうか。これはさすがにファイティングエッジの方が上である。
私は実質2台目となってしまうが、いずれは2台持ちして片方を三和に換装するつもりでいたので良いタイミングである。正直、Hayabusaパーツでも十分使えるのであるが、やはり三和が実質のデファクトスタンダードである以上、完全に同じ条件でないと他とは比較できない部分もあるはずなので、発売したら改めてレビューしてみようと思うのである。