9月になり、何をきっかけとしたか全く覚えてはいないものの、突如としてウィザードリィに興味を抱き、当時の最新作であるウィザードリィIIIを購入した。すでに発売から半年以上も過ぎていたにも関わらず、量販店や中古ではなくわざわざ新品の定価で買ってしまった事は今でも少しの後悔であったが、長年敬遠し続けてきたウィザードリィにいよいよ手を出した瞬間だった。
そのゲームシステムについては今更語るまでもないが、やはりキャラメイクでつまずいた。一番悩んだのが性格である。もっとも融通が効きやすいのは中立なのであるが、この性格だと職業に制限がかかる上、装備も善悪に比べると若干不利となってしまうのだ。その辺りの事を知らず、僧侶以外は全て中立でキャラメイクしてしまったために、のちに後悔する事となってしまった。
一応、シナリオ3に関しては「力のコイン」というアイテムにより、性格に関係なく全ての職業に転職する事が出来るのであるが、忍者の手裏剣のように、当然性格依存のアイテムはその影響を受けてしまうため、プレイするうちにキャラは善悪いずれかでメイクした方が良いという事を理解していった。
また、当時はオートマップなどという親切なものはあるはずもないため、既成のマップを見つつ攻略していった。地下6階の大半は未掲載であったのだが、基本クリアには関係ないし、大きな罠もなかったのでプレイしていくうちに自然に覚えていったものだ。
そして、この初期ウィザードリィは初代の評価が群を抜いて高く、続編はいまひとつというのが一般的な評価なのであるが、うまく家庭用向けにアレンジされたシナリオ2は初代の雰囲気に近く、クリア後もひたすらアイテム探しとレベル上げに励んで行ったものである。プレイする前はアイテム探しなど別に大した要素でもない、とタカをくくっていたものだったが、どうしてどうしてウィザードリィのそれというのは時間を忘れて熱中してしまうほど面白いものなのだ。
という訳で、ウィザードリィにハマった私は最も名作と言われる初代を求める事となった。しかし、中毒性が高く、そしてクリア後も延々とレベル上げとアイテム探しに挑むプレイヤーが多い初代ウィザードリィは手放す人が多くはなく、中古でもなかなか見つける事は出来なかった。発売から3年近く経っていた新品など言わずもがなである。しかし、運良く海老名のダイクマに訪れた時、奇跡的に新品を発見する事が出来たのだ。