ファミリーコンピュータを愛す・その21 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

「勇士の紋章」と、「ヘラクレスの栄光」ではわずかに前者の方が発売が早かったようであるが、私的にはどちらを先にプレイしていったのかは全く覚えていない。ただ、この時点では3Dダンジョンという理由もあり、前作ディープダンジョンはまだプレイしておらず、当然続編もそれなりに後の話となったので、おそらく後者を先にプレイしていったはずである。

 

開発中の画面は完全にドラクエIそのものだったのであるが、それではさすがにまずいと思ったか製品版ではかなりレイアウトが変更されている。このゲームの大きな特徴と言えば、街が完全にフィールドマップと同一になっている事である。子供心ながらも、ドラクエのようにフィールド上では街がシンボルとして存在し、そこに足を踏み入れたら街中に入る、というのがどうにも違和感があったので、このゲームはそんな疑問を初めて解決してくれた、という訳である。

 

まあ、当然このシステムは主流にはならなかった訳であるが、それでもこのゲームのオリジナリティを出す事には十分成功していた。他では武器に耐久力があり、壊れそうになったら鍛冶屋で直してもらうというのが新しかった。面倒なのは確かではあるが、普通に考えたら当たり前の話であるので、これもリアリティがあって良かったと思う。

 

それ以外はあまり記憶になく、せいぜいBGMのタイミングによって逃げが確実に成功する、という事ぐらいだったろうか。これはファミマガでも紹介されたが、私はすでに自分で気づいていたので、もし送れば賞金をもらえたかも知れない。一応、クリアまでプレイはしていったのであるが、自力でクリアに拘るようなゲームでもないので、クリアする前にファミマガの攻略本でラスボスを見てしまった記憶がある。

 

「勇士の紋章」に関しては、当時つるんでいた近所の方の兄がすでにプレイしていたので、隣の部屋でプレイしていた事もあってBGMだけは買う前に聞く事が出来た。ファミコンの音源にしては豪華だな、と思っていたが、要はディスクシステムの音源を駆使していたという事である。しかし、当時は拡張音源があるとは知らなかったので、どうしてこんなに重厚な音が出せるのだろう、と不思議に思っていたものだ。

 

さて、この「勇士の紋章」は、ファミコンで初めて採用したシステムがあった。それは、前作「ディープダンジョン」のディスクがあると、有利に始められるというものである。いわゆるPC版ウィザードリィ的な感じであるが、これはディスクの利点を利用した革新的なシステムであった。しかし、あれば良い、というものでもなく、ある程度育てた主人公が必要となった。

 

それがいくつなのか、というのが疑問であったのだが、答えはレベル16である。このディスクがあると、レベルが2からスタート、さらに何も意味のなかったお告げをするのコマンドで、回復アイテムと毒消しがそれぞれただでもらえるのだ。後者はなぜかクリアするとその効果は消えてしまうのであるが、これがあると絶対的にゲームを有利に進められるため、結局私もその影響で前作ディープダンジョンを買う事となった。