ファミリーコンピュータを愛す・その20 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

ドラクエIIをクリアして、レベルも最高まで上げてひと段落すると、ようやく他のゲームにも目が行き始めた。その頃にプレイしていたと言えば、まずは前年12月に発売していたイマジニアの「消えたプリンセス」である。ディスクでは稀に書き換え不可能な販売専用ソフトが発売されていたりもしたが、確かこのゲームはその走りであったかと思う。

 

正直、名作には程遠い出来なのであるが、当時としてもかなり謎解きな難解なゲームであり、ファミマガのQ&Aコーナーで盛り上がりを見せていた事もあり、5000円とディスクとしては高めながら購入してしまった。当然、この当時は買ったゲームはひたすらプレイしていったので、広大なマップと謎解きにもめげずにプレイしていったものである。

 

そして、3月には同じくディスクシステムにて「とびだせ大作戦」が発売された。当時、雑誌の付録などに赤青のセロハンがついた3Dメガネとそれに対応したページがよく付属していたものだが、その技術をファミコンで応用したものである。つまり、3Dモードにすると画面が赤青に分かれるので、そこで別売りの3Dメガネをかけてプレイすると画面が飛び出して見える、というものである。

 

これは当時としても非常に画期的であり、雑誌での紹介を読んだだけで欲しくてたまらなくなったものだ。なので、非常に期待してプレイしていったのだが、正直なところ全く飛び出して見える事はなかった。のち、任天堂から本格的な3Dシステムが発売されたので、赤青ものはこれが最初で最後になった。かのナーシャ・ジベリ氏のプログラムにより、今見てもファミコンとしては非常になめらかなスクロールを実現している事もあり、別に通常グラでも普通に楽しめるのであるが、それでも3Dがまるで機能していなかった事への失望感は大きかったものだ。

 

因みに、この前年にそのシステムを利用したオバQの映画が公開され、私も見にいったのであるがこちらは本当に飛び出して見えたものである。当然、目に負担がかかるので15分程度であったようだが、この時の経験もあったのでこのゲームにはかなり期待をしていたという訳である。

 

そして、4月には当時すでに超大物枠であった明石家さんまを主人公に据えた「さんまの名探偵」が発売された。タレントを題材としたゲームは数多いが、ほとんどのゲームがクソゲーの烙印を押された中、このゲームだけはかなり評価が高く、おそらくタレントゲームでは最も遊べるゲームであったかと思う。

 

まあ、内容自体はオーソドックスな推理AVGなのであるが、所々にお笑い要素が含まれており、謎解きも程よい感じであるので、プレイした人たちはほとんど満足したのではないだろうか。もちろん、実際の吉本の芸人の方々も実名で登場してくるのであるが、正直関東民にはほとんどが馴染みのない人たちばかりであるので、彼ら彼女らの存在をこのゲームで知った人たちはかなり多かったのではないだろうか。

 

そして、ドラクエシリーズの特大ヒットにより、当然のことながらその亜流的なRPGが増え始めたのもこの頃であるが、その中のふたつがデータイーストからの「ヘラクレスの栄光」と、そして早くもディープダンジョンの続編である「勇士の紋章」であった。