今更説明するまでもないが、「ドルアーガの塔」は1984年に発売されたアーケードゲームである。その翌年にファミコン版が発売されたのであるが、まだまだ低学年層主流のファミコンにおいてはあまりにも難しい内容であった。そこで生まれた概念が「攻略本」である。その時点ですでに有名な「ケイブンシャ」からいくつか発売されていたが、その概念を完全に定着させたのがこの「ドルアーガの塔」ではなかったかと思う。
それからケイブンシャ以外からも続々と攻略本が発売されるようになり、そのパイオニアとされているのがアスキーから発売された「ドルアーガの塔のすべてがわかる本」だった。私はジャンプかなんかの紹介で知ったのだが、結局買えずじまいだった。しかし、その後の逸話によると相当なセールスを記録したそうであり、このヒットを受けて各社も続々攻略本を作り出したと言われている。
当時、確か16面ぐらいまでの宝箱の出し方がコロコロコミックに掲載されていたので、それを頼りにしていったと思う。しかし、当然そのあとはどうしようもないので、前述のケイブンシャの攻略本を頼りに進めていった。当然、ワンコインクリアなどという概念はなく、ひたすら継続でプレイしていったのであるが、一度29面で詰まってしまった。わかる人はわかるだろうが、ゴールドマトックを入手出来る待望のフロアである。アーケードではレバーを3回右回りに回す、だけで出せるのであるが、ファミコンの十字キーでは当然回すという表現はされなかった。
そこで、意味をはき違えた私は、十字キーを各方向を3回ずつ押す、と捉えてしまったので、当然出せるはずもなかった。結局出せたのであるが、そこで数日詰まってしまった記憶がある。そして、最大の壁となったのが38階である。これは剣を出したまま呪文を受ける、と言うものだったのであるが、当然壁際で待つとか、ウィザードを同時に出すとかいうテクニックなど知る訳もなく、ここは本当に難しいフロアだった。
一応、なんとかクリアは出来たのだが、リアル世代ならご存じのようそれだけでは終わらなかった。もちろんあの「裏ドルアーガ」である。おそらくファミコンにおいて初めて裏面という概念を植え付けたのがこの裏ドルアーガだったのではないだろうか。もちろん、ほとんどの宝箱の出し方が異なり、さらに難易度も高いものばかりだったので、当然別の攻略が必要となる。という訳で、ケイブンシャなどはこれだけの攻略本を別に出したほどである。
そして、両者の違いはエンディングにも現れており、表はスタッフロール、後者はキャスト、つまり敵キャラクターと主人公の紹介が英文でなされているというものだった。当然後者の方が格好よく、さらにここでキャラクターの正式名称が紹介されたので、以降のメディアではすべてそう呼ばれるようになった。そして、最後にYOU ARE PERFECT PLAYER!!1という文章が表示されるのであるが、ジャンプの解説もあっておそらく私が初めて覚えたセンテンスではなかったかと思う。まあ正確にはAが抜けてはいるのだけれども。
まあ、裏までプレイしていったという事で、ゼルダやドラクエ以前のゲームとしてはかなりやり込んだ部類のゲームだった。もちろん、ドルアーガの塔と言えばオリジナルのアーケード版にとどめを刺すが、このファミコン版に思い入れのある人たちもかなり居るのではないかと思う。