ストリートファイターIIを愛す・その5 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

そんな私がもがいている最中、ゲーメストではすでに初となる主催の「ストリートファイターIIチャンピオンシップ」が開催されていた。当然、誌面では大特集され、日本一も決定したのであるが、この大会は応募制であり、後の大会のように各地で予選が開かれた訳でもなかったので、この優勝者が最強か、と言われたらそれは疑問符がつくものであった事は否めない。

 

そして、この時点でガイルが最強という事は分かっていたのだが、決勝はなんとじゃんけんで勝った方がガイルを選択という有様となってしまった。この場合、正直ダルシムを選ばない限りほとんど勝ち目はない訳だが、この時は2キャラまでしか選択出来なかったため、相手は泣く泣くリュウを選択せざるを得なく、結局その時点でほとんど決まってしまったようなものだ。

 

なので、その点が翌年のダッシュでは大幅に改善されていったのであるが、それでも史上初の格ゲーのビッグイベントとして記念碑的な大会となったものである。因みに、この時点ではまだCPU戦中心であり、ゲーメスト誌上でもまだ対戦はフォーカスされていなかった。あと半年ぐらい遅ければ、また違う結果になったかも知れないが、ストIIはキャラ差が明確だったため、ほとんどガイルとダルシムの対戦に終始してしまっただろう。

 

9月になっても相変わらず下手くそのままだったが、この月には大きな出来事が2回あった。まずは、地元に近い大和市鶴間駅前に当時存在したゲームセンター「オレンジハウス」に、ゲーメストがやってきて対戦大会が行われたのだ。手元に雑誌がないのでイベント名は忘れたが、当時は月一で全国のゲーセンを周り、そこでストIIの対戦を行う、というのをやっていたのだ。その2回目がこの鶴間だったのである。

 

当然、私は当時の親友を引き連れてそこに赴いた。が、当時はGoogleマップなどない時代、ゲーメストの地図があったにも関わらずえらい迷ったのである。途中、同じく迷った年上の大学生っぽい人まで合流し、一緒に探し回ったのであるが、蓋を開けてみれば商店街に入ったすぐそばだったというオチだった。ただ、到着時点ではまだゲーメストは来ていなかったので、それまで大和駅前まで移動し、その辺りで時間を潰して戻っていった。

 

戻ってきたらちょうどイベントが始まっていたのだが、お目当ての「ストリートファイターII」増刊はすでに売り切れていた。その代わり、ゲーメストのバインダーや、そしてゲーメストが協力したストIIの最初のビデオを購入していったものである。対戦大会にはあまり興味がなかったので、すぐに家に帰って鑑賞したものである。

 

のちに「ストIIビデオ投げハメ編」とまで揶揄されたビデオであるが、それでも当時の私としては大いに参考になったものである。もちろん単純に、ゲーセンの画面が家で見れる、というのも大きかった。そういう意味から、アーケードのビデオ作品は家庭用のそれとは比較にならないほど需要があったものである。