TNとIPSの比較 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

現在、ゲーミングモニターに採用されているパネルはほぼTNとIPSの2つのみである。VAは民生用のテレビに採用されている程度であり、現行ゲーミングモニターはI−O・データ機器の一部を除きほぼ皆無と言って良く、その他大手もこれから先出すような事はほぼないと思われる。

 


画質を考えれば圧倒的にIPSであり、普段使いを考慮するならほぼそれ一択である。しかし、ガチのゲーマーであればやはりTNしかない、というのも事実である。その理由を両方所有している私がここで紹介していこうと思う。

 

まず、スペースの問題などにより、一台しかモニターを置けず、普段使いとゲームを同じモニターで行わなければならないとなるとIPSを選択する以外はない。ゲーム画面であればTNでも十分綺麗なのだが、やはりそれ以外の普段使いとなるとどう頑張って調整してもIPSのようにはならず、特にガチゲーマー仕様のBenQなどは顕著である。この画質で長時間ブラウジングなどすると目が死ぬので、動画再生なども含めそれらを考慮するならIPS以外はない。

 

しかし、そうではなくデュアルモニター環境を構築でき、普段使いとゲームを完全に分ける事が可能であればゲームは完全にTNである。最初に購入した、17000円前後のギガクリスタを購入した時、その画質の悪さに絶望して以来しばらくTNはトラウマとなってしまったのだが、その後になってAUOパネル製のASUSやBenQを使用した際その概念は一変。調整次第ではあるものの、少なくともゲームに関してはIPSと比べても遜色のないレベルの画質にまで達していたのである。

 

画質が劣らないとなれば、あとは最も重要な応答速度である。この点が、TNでは圧倒的にIPSに勝る部分であり、これがあるからこそ今なおガチゲーマーにとってはTNしかないのである。具体的にどう違うのかと言うと、2Dシューティングなどは顕著であるが、IPSだとかつてのゲームボーイのようにどうしても残像感が出てしまうのである。一応Over Drive機能をMAXにすればかなり改善はされるのであるが、そうなると逆残像がかなり目立ってしまうため、正直まともに見れたものではなくなってしまう。なので、シューティングやFPSなど動きが激しいゲームはどうしてもその点が顕著となってしまうのだ。

 

その点が、TNでは見られないという事である。もちろん、液晶である以上ブラウン管のように残像がゼロという訳ではない。具体的には、かつて一部の初代ゲームボーイソフトで見られたように、自機を細かくドット単位で動かして残像感を減らしている、ような感覚である。なので、レトロゲームなどは自機や背景が若干ダブついてスクロールしている感覚なのであるが、それでも敵弾などは圧倒的にIPSよりも見やすい。PS4のケツイやエスプレイドをIPSでプレイしていた時は、残像感が気になって仕方がなかったのであるが、TNに変えて非常に快適になった。これだけでもTNにして正解だったと思えたものだ。そして、Over DriveをMAXにしても逆残像が目立たないのも、TNの大きな利点である。

 

残像感と言えば、黒挿入機能というものがあり、これを使用すると残像感が目に見えて解消されるというものである。確かに、IPSでもそれを使用すると驚くぐらいに残像感が解消はされるのであるが、ほとんどの機種で100Hz以上でしか使用出来ない。それに対して、BenQのXL2411Kなどは60Hzでも使用出来るので、家庭用にも有効という事である。まあ、さすがに100Hz以上でないとその効果は大きくは実感は出来ないのであるが、それでも元々の応答速度が速いだけあって、TNの優位さは変わりはない。

 


入力遅延に関しては、現在ほとんどのモニターは10ms未満なので、体感できる遅延は皆無である。もし感じるのであれば、それはハード側の問題であると言い切って良い。という訳で、デュアルモニター環境構築、もしくは家庭用ゲームだけにモニターを使用出来る環境であるのならば、ゲームであればTN一択である。そして、その中で圧倒的にお勧めなのは、今なおベストセラーとなっているBenQのXL2411Kしかない。とにかく画質も機能もゲームに全振りと言う潔いモニターなので、これを買って不満、という事はないだろう。どうしても普段使いと共有しなければだめ、というのであれば、IPS、具体的にはASUSのVG259QRがベストだと思う。非常に画質、解像感が高く、もちろんゲーム画面も非常に綺麗なため、現行ではベストバイのひとつである。