ずっと前から関心がありつつも、FPSをやらない私としてはずっと「必要ないかも」という呪縛に囚われスルーしていたBenQのZOWIE XL2411Kを、この度とうとう購入した。メルカリ経由だったので中古品ではあるものの、出品者の説明通りかなりの美品であり、ほぼ新古品レベルでの購入である。
現在の3万円未満のゲーミングモニターとしてはトップクラスの製品であり、ガチなゲーマーであればほぼこれ一択レベルと言うほどまで優れた製品であるので、すでに多くの方々が各自レビューをされている。なので、詳細な性能などはそちらを見ていただくのが早いとして、ここでは私が感じた事だけ触れていこうかと思う。
まず、この製品の特徴のひとつであり、見て一目で分かる部分としてベゼルがかなり太いという事である。現在、スマホもテレビも、そしてもちろんゲーミングモニターも、ベゼルレスというものが主流なので、一見この形状はかつてのプラズマテレビを思い起こさせるほど、現行のトレンドには沿ってはいない作りである。しかし、実際にゲームをプレイしてみると、この太いベゼルのおかげでかなり画面に対しての没入感が生まれるので、正直それまで使用していたASUSよりもかなりプレイしやすかった。これはネットの説明通りであり、少なくともゲームプレイに関してはベゼルが有利に働くという事が理解出来る。
そして、先述のように、FPSをほとんどプレイしないばかりか、そのプレイするほとんどのゲームがPCですらなく、家庭用である私にとって、少しオーバースペックではないか、と思ったのが購入を躊躇っていた最大の理由でもあった。これは既出のように、このモニター最大の売りであるDyAcが少なくとも100Hz以上でないと体感出来ないレベルなので、基本60Hzが最大の家庭用ではあまり意味がないのだ。
それは確かにそうだし、実際60HzではDyAcは目に見えた違いは生まれない。しかし、それでもAMA、いわゆるOver Driveは最高にしても逆残像が目立たない優れものであり、2Dシューティングなどでもこれは大きく有利に働く。少なくとも、FPSをやらずともシューティングゲームメインなレトロゲーマーにとっては、間違いなくIPSよりも敵弾が見やすく感じるだろう。また、確かに画質のプリセットも、通常のゲームをプレイするためにはある程度の手動の設定は必要かも知れない。しかし、それでも上手く調整すれば、少なくともゲームに関してはIPSに比べて引けを取らない画質になるので、私としては十分綺麗と言えるレベルである。
これまではASUSのVG258Qをメインとして使用しており、こちらもTNを感じさせないぐらいゲームに関しては美しく、そして残像感も少ないものであり、さすがASUS、さすがゲーミングモニターと唸らざるを得ない出来であったものの、この2411Kに関してはそれを上回る仕様であり、さすがFPS、ゲーム特化というのは伊達ではないと感じたものだ。
そして、HDMIが3つというのも大きい。基本2つが多く、多くの人はPS4とSwitchという使い方をしていると思うのであるが、これにXboxシリーズや、また旧世代機が加わると、どうしても2つでは足りなくなる事が多いのだ。特にVG258Qの場合はHDMIがひとつしかなく、普通にセレクターが必要となってくるため、余計な出費がかさんだ事もあり、デフォルトで3つというのは大変使いやすい。反面、スピーカーが搭載されていないのであるが、ゲーミングモニターに音質を求める人など皆無であろうし、そこに拘りがある人であればすでにそれなりの準備をしているだろう。なのでこの点に文句を言う人はナンセンスと言える。むしろ、そこを削ってコストを他に回してくれたからこそ、この価格でこの性能と言えるだろう。
以上のように、ゲーム使用に関しては文句のつけようがないレベルなのであるが、その分さすがに普段使いには全く向いていない。これはずっと言われている事であったが、さすがにそこまで言われるレベルなのか実際に使ってみなくては分からないだろう、とは思ったものの、やはり案の定であった。これはさすがにどんなに調整してもIPSのレベルまでには到底及ばないと思われるので、やはりゲーム特化、メインはIPSとほとんどの人がそうするだろう。
各方面から絶賛されているこの2411Kであるが、自身でも蓋を開けてみればやはりその通りだった。FPSプレイヤーでなくとも、ゲーマー、特に2Dシューティングや格ゲーなどをプレイするのであれば、絶対に買って損はしない製品と言える。お勧めだ。