スターソルジャー35周年・その1 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

ドラゴンクエストが35周年という事は、ほぼその2週間後に発売されたスターソルジャーも当然35周年という事になる。当時のファミコンとしては比較的珍しい、家庭用完全オリジナルのシューティングゲームとして発売されたこの作品であるが、当時はファミコンブーム、かつ高橋名人ブームの最盛期だった事もあって、その存在は半ば伝説化されていると言って良い。少なくとも、あくまで家庭用に限った話ではあるのだが、当時で言えば移植されたばかりのファミコン版「グラディウス」よりも、ファミコン上においては格上と言ってもいいぐらいであった。

 

そして、それを記念して同人誌も発売された。詳細はググっていただければ良いとして、これがまた非常に素晴らしい出来であり、リアル世代なら必読とも言える出来となっている。現在Beepの店頭か、その通販で購入出来るので、世代であれば是非とも購入するのをお勧めする。最近はKindleばかりであり、リアル本を買うのは同人誌ぐらいとなってしまったが、やはり紙は紙ならではの良さがあるものだ、と実感もするところである。

 

ただ、この本を持ってしても詳細を追えなかったものがひとつだけあった。それは、当時発売前にロッテリアで行われていた試遊機プレイでの事である。当時、ロッテリアと言えばそれなりに全国展開はしていたはずなのだが、改めて実施店舗数を見る限りでは非常に少なく、さすがにこれでは実際に体験した人はそうは多くはないはずである。そして、幸運にもかつて存在した座間駅前店舗が該当のひとつであり、幸運にもそこでプレイする機会に恵まれた。

 

おそらくセットを買うと、その筐体専用のコインがもらえたのだと思うのだが、私が行った時には長蛇の列ができており、少なくとも30人ぐらいは並んでいたかと思う。筐体はハドソンのイメージカラーの黒と黄色から出来ており、それ以外は駄菓子屋やスーパーの前にあったミニアップライト筐体と特に変わりはない。当然、コンパネもレバーとボタンが搭載されている。一応、スターソルジャー以外にも複数のゲームを選択出来たのであるが、当然、皆の目当てはスタソルオンリーである。

 

一応、プレイ時間は3分との事だったが、これなら1面は余裕でクリア出来る時間である。しかし、レバーとボタンがあまりにもやりづらい。レバー操作に慣れていない以前の問題であり、とにかくまともに自機が動いてくれないのだ。誰かがドリンクでもこぼしたのかどうかは不明だが、これはどう考えても内部回路のレベルであり、1面どころかパワーアップを取るのも困難な始末だった。結局、発売前にそこでプレイしたのはそれっきりとなってしまった。

 

発売後、相武台前のロッテリアに赴いた際、何故か同じ筐体がそこにも置いてあった。まあおそらく座間店からのものだとは思うのだが、とりあえずコインをもらったのでワンプレイしてみると、心なしか座間店でプレイした時よりも軽快に動いてくれた。さすがにハドソンジョイスティックのように痙攣撃ちは出来なかったものの、3面ぐらいまではプレイした記憶がある。つまり、3分の壁は簡単に超えていたのだが、なぜプレイ出来たのかは正直不明だ。

 

当時はスマホはもちろん、デジカメの存在すらないし、小学生ユーザーが中心だった事からも、その様子を撮影していた人は皆無であろう。ググっても出てこないし、当時の関係者が資料でも持っていない限り、その筐体の写真すらすでに幻かも知れない。そう考えると、確かにスタソル本を持ってしても、詳細不明となってしまったのは仕方がないかも知れないが、いずれにしても当時のブームを体験できた事は幸せであったかと思う。