コーエーの歴史ゲームについて語る。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

元カプコンの岡本氏がYouTubeで語った事によると、コーエーの歴史ゲームのおかげで小中高生らの歴史の成績が上がったという話である。正直、皆が皆コーエーのゲームをプレイしていた訳ではないので、そうそう平均値が押し上げられたとは思えないのであるが、それらによって歴史に興味を抱いた子供たちが80年代以降急増したのは間違いない。

 

かくいう私もそうであり、中学当時周りにそういう連中が集まっていたので、彼らはいつもその話をしていた。私の小学校のエリアから来た連中は皆無であったので、私はその輪に入ってはいけなかったのであるが、何かの拍子でそのうちの一人がファミコン版の「信長の野望・全国版」を貸してくれ、瞬く間にハマっていった。

 

この「全国版」がコーエー初のファミコンゲームでもあったのだが、ゲーム1本の価格が9800円とかであったかと思う。のち、ドラクエIVが8500円と発表された時はやたらと「高い!」との非難が上がったものだったが、不思議な事にコーエーのゲームに対しては、年齢層の違いもあるのかそう言った声はほとんど起きなかったように思う。そして、それにハマったのち、ちょうど当時は同じ頃に「信長の野望・ゲームボーイ版」が発売され、確かそれは手が届く価格でもあったので、初めてコーエーのゲームを自身で購入した。

 

基本的システムは「信長の野望・戦国群雄伝」を参考としているが、1年が4ターンしかなく、さらには国を占領してしまうと全てひとつの国扱いになってしまい、オリジナルと比べると物足りないゲーム性ではあったのだが、それでも時間を忘れて熱中していたものだ。それにより、それまで全く興味のなかった日本史、とは言っても戦国時代のみであったのだが、その範疇だけでも興味を抱いたのは確かである。

 

しかし、連中によると信長よりも、三國志の方が遥かに傑作だったと言う。しばらくして、「三國志II」がファミコンでも発売されたのであるが、14800円という価格もあり、しばらく周りでプレイしていった人はいなかった。その後、スーファミの発売、そしてアーケードゲーマーへの流れもあり、しばらくの間シミュレーションとはご無沙汰となった。それから4年後、古典の授業で水魚の交わりを習った時、隣に座っていた男がたまたま三国志ファンであり、頼んでもいないのにわざわざ横山光輝のコミックスと、アニメ版の録画テープを貸してくれた。

 

それにハマった私は、ファミコン版の三國志IIも購入、しばらく三国志の世界に没頭していったものだった。そして、さらにシステムが複雑になったSFC版の三國志IIIも購入し、その難易度にもめげずにやり込み、こちらもII以上に時間を忘れてハマったものである。まあ、こちらはほとんど成績には影響しなかったのであるが、それでも三国志が私に与えた影響は大きく、その後も何度かのブランクを乗り越えてハマり、最終的には漫画の文庫版を全巻揃えるところにまで至った。

 

ゲームに関しては、VとVIを家庭用、IXをWindowsでプレイしていった。どれもハマったのであるが、特にIXは続編が出てからも相当やり込んだものである。そのIXがあまりにもお気に入りとなったため、それ以降の続編は評価もありほとんどプレイしていない。岡本氏も、「最近は若干三国志熱が落ちている」と語っていたように、一時期の人気ぶりからするとかなり落ち着いた感は私も感じる。

 

また、これもたまに語られている事であるが、中国人だからと言って皆が皆三国志に興味がある訳がないのは確かである。私なんかは中国人と会うたび、どうしてもその話に持っていきがちになってしまうのであるが、よく考えてみれば日本人だからって皆が皆アニメや歌舞伎などに興味がある訳ではないので、確かにそれはそうかも知れない。