アーケードアーカイブス on Switch | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

レトロゲーマー御用達のシリーズと言えば、ハムスターが発売しているアーケードアーカイブスがまず挙がるだろう。元々はPS4の専売であったのだが、その後XboxOneにてアケアカNEOGEOのみ、そしてNintendo Switch本体発売から半年後にはPS4でリリースされた作品に加え、任天堂のアーケードゲームまでもがリリースされていった。

 

それでも長らくは契約上の理由か、コナミのゲーム、特に看板タイトルであるグラディウスシリーズだけはなかなかリリースされてこなかったのであるが、とうとう2020年の今年において、沙羅曼蛇、グラディウス、そしてグラディウスIIと連続してリリースがなされ、そして遂にはグラディウスIIIのリリースまでもが発表された。

 

これでラインナップとしては完全にPS4に肩を並べ、さらには前述のように任天堂のアーケードゲームもリリースされている事から、事実上NSがアケアカの全てを堪能出来る唯一のハードとなったと言えるだろう。つまり、これからアケアカを目当てでハードを買う人にとっては、NSさえ買っておけば良い事になる。しかし、ここであえてPS4を選ぶメリットも当然ある。と言う訳で、ここでは両ハードを所有している私から、それぞれの有利・不利な点を述べていこうかと思う。

 

PS4版の利点と言えば、何と言ってもアーケードゲームには必須なアケコンの種類が豊富である事だ。現在のアケコンのフラッグシップはほぼPS4オンリーである以上、これは絶対的なアドバンテージだと思う。そして、最新のPS5でもプレイ出来る事も見逃せない。解像度の低いレトロゲームを4K以上のモニターでプレイする利点はほぼないのではあるが、それでも1080pが限界であるNSと比べれば解像感は高い。そして、入力遅延もハードの特性からPS4版の方が優れている事がほとんどだ。なので、シューティングゲームを中心にプレイするのであればまずPS4版を選んで間違いはない。

 

対してNS版の利点と言えば、前述のようにラインナップの豊富さだ。特に、実に40年近くもアーケードの完全移植がなされていなかった任天堂のアーケードゲームがプレイ出来る事は、レトロゲーマーにとって何よりの喜びと言えるだろう。そして、すでにPS4でリリースされているゲームであっても、ファームウェアがNSのみの最新バージョンである事もほとんどだ。初代グラディウスなどではPS4でも同等のアップデートがされたが、沙羅曼蛇やグラディウスIIなどは今なおされておらず、最新ファームウェアはNSだけの特権だ。

 

反面、不利な点と言えばやはりアケコンのラインナップの貧弱さと、ハードの特性に起因する入力遅延だ。専用アケコンは事実上HORIのRAPぐらいしか選択肢がないのであるが、正直PS4版のそれと比較した場合明らかな入力遅延が感じられ、さらに操作音もかなりやかましいので、PS4用のそれと比べたらかなりいまひとつである。アケアカだけではなく、ウルトラストリートファイターIIや、セガエイジス、そして彩京シューなど、少なくともXboxOneと比べたらかなりアケコンの需要が高いはずなのに、どう言う訳か海外のアケコンのトップメーカーからはそっぽを向かれたままだ。

 

よって、NSで快適にプレイするにはUFBを導入する以外なかったのだが、以前の記事で触れたようにBrookから完璧なコンバーターが発売されたので、それに関してはほぼ解決に至った。しかし、それでも入力遅延がPS4よりも大きいゲームはいくつか存在してしまうので、この辺りの割り切りは必要だろう。

 

また、NS自体の性能はかなりPS4よりかは劣るが、80、90年代の2Dゲームをプレイするにはオーバースペック的な部分もあるので、そう言う意味では「この年代ならNSで十分だろう」という考えも出来なくもない。任天堂自体も過去の遺産には力を入れている方であるし、PS4用の高級アケコンとコンバーターを用意出来るだけの金銭的余裕さえあれば、NSだけでアケアカはかなりいけるだろう。ただ、最初に全てを堪能出来る、と触れたが、さすがに「ダライアス・コズミックコレクション」が最初にリリースされたハードである関係か、アケアカ版の「ダライアス」だけはさすがに移植はされていない。