香港旅行の楽しみのひとつと言えば、小さいエリアに凝縮されている様々な乗り物に乗る事ではないかと思う。かの有名な山頂へ向かうピークトラムや、香港島のみを運行している2階建てトラムなどは、香港のイメージとしてもよく使われているので、行った事のない人でもご存じであろう。
しかし、正直大抵の乗り物は数回も乗れば十分である。そんな自分が、唯一飽きの来ない乗り物と言えばフェリーだ。一番有名なのは、やはり香港島と九龍半島を結ぶスターフェリーであり、観光客であれば一度は乗るべき乗り物である事は間違いないが、距離的に運行は7分弱程度であり、堪能しきる前に終了してしまうのが常だ。
マカオへのフェリーであれば1時間は堪能出来るが、当然の如くマカオへの入境が必須となるため、そうそう滞在中に何度も楽しめるものでもない。そんな私がお勧めする航路は、香港島周辺にある離島、通称Outlying Islandsへのフェリーである。その中でもお勧めなのは、長洲島、Cheung Chau islandだ。
ほとんどのフェリーはスターフェリーを降りてすぐ右へ歩いた所への埠頭に集中しているので、初めての人でも容易に発見する事が出来るであろう。注意すべき点は運行時間帯である。中環からマカオへのフェリーのように、15分に1回ではなく、1時間に2本程度の運行であったはずなので、事前にネットで調べておくべきである。さらに、普通船と高速船の2種類が運行されているのだが、それぞれ1時間に1本で交互に運行しているだけなので、どちらかを狙うのであればさらに時刻表のチェックは必須である。
乗り場前には自動販売機や、食べ物のキオスク的商店があるが、それなりに揺れるので慣れないうちは食べない方が良い。チケットはオクトパスカードが使えるので、それさえあれば問題ない。時間は高速船であれば40分程度で着いたはずなので、海の旅を堪能するにはちょうどいい時間帯であるかと思う。
そして長洲島につくと、すぐ前が商店街となっており、さらに目の前にはマクドナルドがあるのでここが目印となる。最近は知らないが、ここのマクドナルドは香港でもあまり売っていないシャーベットのコーラとファンタが売っているので、これは絶対お勧めだ。私の知る限り、これを扱っていた店はこの長洲の店舗と、Nathan Road沿いのMong Kokのお店、そしてかれこれ8年は足を運んでいないAberdeenの広場のマックしかなかったと思うので、なかなか貴重な商品だ。
ここを起点として、左にまっすぐ進むと山の方、T字路を右へ行くと海辺、そして右にまっすぐ進むと海鮮料理屋などのレストランがある。左に行くとレンタサイクルのお店があり、20と25HKDいずれかで自転車を借りる事が出来るが、その5ドルの違いがどこに反映されているかは不明である。しかし、値段が違う以上確実にはっきりとした違いがあるので、少しでも良い自転車に乗りたいのであれば25HKDを支払うべきだろう。私はケチって20HKDのを7年前に選んだのであるが、信じられないほどボロボロであり、かろうじて山登りは達成出来たのだが非常にしんどく、別に楽しくもなかったのでわざわざ山を越える必要はないと思われる。
一応、この島のメインの楽しみ方ではあるのだが、前述のようにお勧めは出来ない。ここでの個人的なお勧めと言えば、埠頭から右へずっと進んだ場所にあるスイーツ屋さんだ。マンゴーやスイカなどがメインのスイーツ屋なのであるが、非常にメニューが豊富でありかつ大変美味しいので、長洲に訪れる最大の理由はほとんどこれである。オクトパスカードも使えるし、当然英語での注文も可能なので、ここは絶対にお勧めだ。地球の歩き方にも載ってないし、店舗の名前も覚えていないのでネットで紹介されているかも分からないのだが、とにかくお勧め。保証する。
浜辺への道を抜けていくと、その途中にはかき氷や香港名物のフィッシュボールを売っている店があるので、現金オンリーではあるがここも堪能しておくべきだろう。有名人が来た、なんて張り紙もあったような気がするが覚えてはいない。長洲のお年寄りは英語が通用しない事が多いものの、大抵は話せるスタッフも居るし、お客も若い人が多いのでそれは心配しなくていいだろう。
その道を抜けると、香港では貴重な海水浴場があるので、ここもお気に入りのリラックスポイントである。正直、浜辺も海もとどめに空も綺麗とは言えないので、もう少し綺麗な場所で休みたいのであれば、香港島にある有名なRepulse Bayへ行った方が良いだろう。
2013年1月に初めて訪れた際は、地球の歩き方に素直に従ってサイクリングまで堪能したものの、繰り返しとなるがそれはお勧めできないので、スイーツ屋へ行って、フィッシュボールを食べて、浜辺で休んで、と言うのがメインルーティーンである。他の有名な離島としてはラマ島やペンチャウ島などもあるが、いずれも大したものはなかったので、ひとまず香港の離島と言えば長洲島に来ればハズレはないだろう。