アーケードスティックのお話・その8 RAP Premium VLXをUFB化 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

初代RAPが発売されてからほぼHORIの独壇場であったアケコン業界に、黒船的存在とも言えたマッドキャッツが到来したのが2009年の初頭。一気にアケコン界の主流に躍り出た感のあるMCであったが、そうはさせじと老舗のHORIがここぞとばかりに発売したのが、アーケードのビュウリックス筐体を、正確にはそのコンパネをほぼそのまま再現したその名も「リアルアーケードプロプレミアム VLX for PS3 or Xbox360」、そしてその価格も驚異の3万。

 

もちろんすでに両ハードを所有していたが、PS3は当初から遅延が酷評され、そのせいか格ゲーやシューティングはXbox360を中心に展開されており、当然私も360メインのユーザーであった。すでにMCのTEを所有してはいたものの、さすがにアーケードほぼそのままのこの製品には心を踊らされ、正直3万と言う価格に抵抗を覚えはしたものの、やはり限定である以上これを逃したら手に入らないだろう、と思った私は思い切って360版を購入した。

 

現在とは異なり、パーツも全て三和電子、つまりは換装する必要もなく即実用、と言う感じではあったものの、すでにTEの感覚と配置に慣れきってしまった私にとって筐体の広さに対してレバーとボタンの間隔の狭さと言うのはどうにも違和感を拭えず、さらに金属感のあるフィーリングも自分には合わなかったため、すぐに物置入りとなってしまった。

 

そして時は一気に流れ2019年、久々にゲームそしてアケコン熱が加速すると、久々に引っ張り出したりしていったものの、当然の事ながらそのままでは360しか使えない。コンバータを介せば他機種でも使える可能性もあるのだが、いかんせん360から他機種、と言うコンバーターはマイナーすぎ、さらに今日メインのPS4はすでに専用の優れたアケコンが何台も存在しているので、わざわざ他機種のを使用する意味もない。

 

一応、Xbox One Xを購入直後にBrookのコンバータを購入してみたが、どうやってもあからさまな遅延が発生しているので、実用性もない。それに加え、当時HORIが発売したRAPVXSAがハード最高の反応速度を誇っている事を今更ながら知り、メインであるはずの360に対しても使う意味を失ってしまったのだ。

 

それでも、さすがにこのまま眠らせておくのは勿体ない。そんな時に、アケコン界隈で存在を知ったのが前述のBROOKが発売しているUniversal Fighting Board、通称UFB基板だ。要はアケコンの心臓部となる基板なのだが、なんとUSBケーブルを使用するほとんどの機種に対応、さらにPS4のどんな最新アケコンをも凌駕する反応速度と、まさに究極とも言える製品なのだ。

 

しかし、ケーブルは自作する必要があったため、それなりの電子工作の知識がないと取り付けるのは難しかったのだが、そのレバーとボタンを接続するハーネスを遂に千石電商が発売してくれた事で難易度が劇的に下がり一気に万人向けとなってしまったのだ。

 

このタイミングとは願ったり叶ったり、すぐに秋葉原に足を運んで行きわざわざ店頭で購入し、ハードの改造に取り掛かって行った。私の知識では既存のボタンをそのまま使えるようにするのは困難なので、最低限必要なボタンの数だけドリルで穴を開ける事にしていった。さすがに高級品である以上、どこでも、と言う訳にはいかなかったので、試行錯誤した結果ケーブル収納スペースにちょうど良い場所があったので、そこにUSBケーブル用の穴も含めて5ヶ所ほど穴を開けて行った。

 

広い筐体だけあり取り付けに苦労はなかったが、なんとここで大問題。PS4のL3R3と、そしてタッチパネルに相当するボタンへのハーネスの形が明らかに異なり、接続不可能と言う状態に陥ってしまったのだ。これはおかしい、と思って調べた結果、なんとヒットボックス用のハーネスと入れ替わって封入されてしまったモノが流通してしまったらしい。

 

その後にTwitterですでに告知済みである事を知ったのだが、購入はそれから1ヶ月ほど経った頃。袋から中身は確認出来るので、注意深く見てから並べようよ、と思わざるを得なかったが、後日尋ねた所あっさりと正規品に交換、しかもスティックとボタンのハーネス側も込みでしてくれたので良しとしよう。

 

都合によりL3R3は付けられなかったが、タッチパッドさえあれば十分だ。レバーとボタンの色も、360オリジナルからアーケードと同じ赤色に交換し、無事にRAP Premium VLXのUFBバージョンが完成、めでたく全ハード対応として再生出来た。

 

さすがに大きすぎるのと、操作感覚は同じくUFB換装したTEの方が好みな事もあり、メインアケコンとはならなかったものの、やはり数ヶ月もの間苦慮したXboxOneX用のアケコン選びがこれで一気に解消した事はとても大きな収穫だったものだ。PS4なら優れたアケコンがいくつも存在しているので、わざわざ手間をかける事もないとは思うが、もし眠っているアケコンがあるのであれば、遅延のリスクが存在するコンバータを使用するより、一気に難易度の下がったUFB換装に挑んでみるのも良いと思う。