ストリートファイターリーグ決勝 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

先日12月1日の日曜日、品川のクラブEXと言う小ホールで行われたストリートファイターリーグの決勝を観覧してきた。ゲームに関するイベントに足を運んだのも久々、もちろんeSPORTSと言う名を冠するようになってからは初めてであり、さらにYouTubeなどで生中継されるとの事もあって、行く前から興味津々だった。

 




詳細や結果はググったりYouTubeを見ていただければお分かりなので割愛するが、個人的に気になった点と言えばやはり一流プレイヤーはどんなコントローラーを使っているのかと言う事。対戦格闘ゲームのパイオニアはもちろんアーケード版のストリートファイターIIであり、その後家庭用にも移植されたとは言ってもやはり本家本元はアーケードである以上、コントローラーはアーケードスティックと言うのがまず絶対だった。

 

もっとも、SFC版ストIIが発売された頃は本格的なジョイスティックなど望みもできなかったため、当時はほとんどのプレイヤーが純正コンでのプレイしか選択肢はなかった。よって、当時国技館で行われた大会などは全て純正コンの使用だった事が現在の動画サイトなどでも確認できる。

 

PS、SS以降も各社がおもちゃのようなアケコンを販売するにとどまったが、PS2中期の2004年頃にHORIが遂に三和電子パーツ搭載のリアルアーケードプロを発売したのをきっかけとして、ようやく家庭用でもアーケード環境が揃えられるようになった。その後、ウメハラ氏がマッドキャッツ社と契約した時には同社発売のアケコンも大きくクローズアップされ、ストIV全盛時にはもはや本格仕様のアケコンは当たり前の風潮となっていった。

 

そんな歴史的経緯から、格ゲーイコールアケコンは当たり前、と言うのが自分の中ではずっと常識であり、どこのアケコンを使用しているのか興味津々で入場を見ていたのだが、なんと半分近くの方がパッド。

 

2017年のEVOで「ときど」氏と決勝を争った米国のPUNK氏もパッドを操っていたので、もはや珍しいものとは言えなくはなってはいたのではあるが、それでも予想以上に多くの方がパッドを手にしていたのには正直驚いたものだった。

 

しかし、それでもアケコン人気も根強く、その中で一番人気はやはり私もメインとして使用しているQanbaのObsidianだった。前回レビューもしているが、とにかく全体のバランスが良く置いた時に安定し、そして剛性が高いためレバーの感覚も恐ろしいほど使いやすい。レバー周りに関しては初代パンテラの方が剛性が強いのだが、オブシディアンに比べると若干横が短いため、膝置きだと意識的に脚を狭めなければならない部分がデメリットとして残る。もちろんボタンで開閉できるメンテナンス性など、譲れない部分も多いのだが総合的にみるとオブシディアンかな、と言う感じだ。

 

その初代パンテラは、ふ〜ど氏とまちゃぼー氏の2人が使用していたが、逆にHORIのフラッグシップである刃は誰もいなかった。HORIが満を時して発売した刃であったが、どうもプロゲーマー界隈では不人気のようだ。私がPS4で初めて購入したフラッグシップでもあったのだが、やはり隼レバーが気に入らず、すぐに三和電子に換装する羽目になってしまった。

 

それ以降は普通にメインとして使用して行ったのであるが、パンテラを購入してからはあまりの操作感の違いに刃を使う理由はゼロとなった。確かに下位モデルに比べたら感覚は良いのであるが、やはりパンテラやオブシディアンに比べたらレバーを動かしている間のフィーリングが前述他2機種と比べるといまひとつに感じてしまった。重量は十分にあるので、天板の素材の違いなのかも知れないが、現行2万円かつパーツがオリジナルである、と言う事を考慮すると、正直これでは全く物足りない。

 

なぜ初代パンテラやオブシディアンが人気なのか、それは価格に見合った筐体やデザインはもちろんの事だが、一番はなんと言っても操作感覚のフィーリングの良さに尽きる。この感覚が下位機種とは明らかに違う、つまり価格の違いであるのだが、残念ながら刃に関してはそれに見合ったフィーリングが見出せなかった。プロも同じようで、正直このままではプロからも敬遠されがちになってしまうだろう。長年日本のアケコン業界を支えてきたHORIなだけに、どうか海外メーカーに負けないぐらいの製品を開発してもらいたいものだ、と切に願う。

 

そんななか、チームMAGOの最年少のユージ氏は、なんと青の筐体が眩いサイレントHAYABUSAを持ってきていた。中身はどうなのかは分からないが、外見的にはオリジナルと同じ色のパーツだ。そして見事、華麗に春麗を操りアビゲイルに勝利。この大会初代ストIIからのキャラは彼の春麗のみ、なおかつ何度も対戦で苦い思いをさせられたアビゲイルと言う事もあって、激勝してくれた瞬間は素直に興奮したものだった。

 

大会自体も、最初は他人のプレイを見るだけで退屈かな、と思ってもいたが、決勝はさすがの盛り上がりを見せてまるで本当の格闘技の大会を見ているかのような興奮を覚えたものだった。そして、大昔ゲームと言えばネガティブなイメージしかなかった事もあり、今こうして有料のイベントを開けるようになったんだな、と思うとまた感慨深いものがあった。そして、eSPORTSのおかげでようやく日本人が頂点に立てるイベントが出来た、と言うのも素直に嬉しい。これからどんどんメジャーになって、いずれはアメリカのEVOと同じくらいの規模で大会が開けるようになれればいいな、と願うばかりだ。