2011年以降、昨年まで毎年誕生日を香港で過ごしているんだけども、最初の2回だけは誕生日当日まで数日間のみ台北旅行も兼ねていた。何故翌年から香港だけになったのかと言うと、単純にフライトの価格が上がっていた事と、香港からマカオ、そしてシンセンへの1日旅行も兼ねるようになったから。そして、その時の経験が非常に刺激的なものだったので、わざわざ割高な周遊チケットを買う事もないかな、と言う感じだった。
誕生日だけではなく、2013~2015の旧正月前後にかけても3年連続で香港のみに渡航したのも、その理由。確かに2度の台北旅行でも凄く楽しい経験することはしたんだけども、それ以上に重慶大廈のミックスドカルチャーの衝撃や、マカオやシンセンが楽しく感じたものだから、この時も台北への再度の渡航は頭になかった。
しかし、2015年末ぐらいから私の環境が劇的に変化し、ある程度英語を話せる環境に身を置けるようになったこと、またあまりにも重慶大廈に泊まりすぎてその環境にも慣れ過ぎてしまったため、なんとあれだけ好きだった香港にも正直飽きが生じるようになってしまった。
それでも、去年海外へ渡航したのは、その誕生日の香港滞在1度だけだったから、それまで半年に1回のペースで海外へ行っていただけに、色々な理由で大きなストレスを抱えていた事もあったから、昨年末ぐらいからすでに旅行を考えていた。
しかし、あくまで癒しのための旅行であり、バックパックのように大それた挑戦は頭になかった。よって、予算もほどほど尚且つリラックス出来る近場の海外、でさらに香港以外となれば、選択肢などおのずと限られてしまう、と言う訳で必然的に台湾となってしまう。
一応フィリピンやグァム、サイパンなども近場なのかも知れないけども、前者は人生で4ヶ月の時をそこで過ごしたから自分的にはもう十分、後者2つに関しては、ハワイと共に日本国海外県のような認識なので初めから論外。海外で一番会いたくないのが日本人、聞きたくない、使いたくない言語が日本語なので、ここは日本かと錯覚するような場所は最初から選択肢としてありえないからだ。
まあ、それ言ってしまうと、台湾も近年日本人に人気、特に東日本大震災への寄付以降はさらにそれが顕著になっていったから、そこに行こうと日本人に会う事は避けられないんだけども、それでも過去2回の渡航から、そこまでの印象は受けてはいなかったので、と言う訳で1月の頭になって航空券とホテルを予約していった。
いつも自分が最初に予約するのは航空券から。一応台湾でも、バニラエアやスクートなどのLCCは存在するものの、香港EXPに比べるといまいちコスパに欠けるし、さらに時間帯もいまいちなので、その選択肢は最初からなかった。よって、普通に楽天トラベルなどで検索していったのだけれども、いつも最安であるはずのチャイナ・エアラインが今回はそうではなく、対抗のエバー航空が2万8千円ほどであり、過去の安全面の信頼やサービスの高さから迷う余地は一切なかったので、即決で決めた。
次はホテル探しだが、もちろん台北にもゲストハウス的な宿は存在するものの、そのほとんどがドミトリー形式で他人と共有だったため、無難に前回と同じ城美飯店(Chair Man Hotel)に。前回は台北ナビから予約したのだけれども、日本人向けサイトからだと割高になるので、いくつかのサイトを確認して最安なところから予約した。多分1泊辺り4500円前後、当然ゲストハウスよりも高いが、まともなホテルに泊まれない香港に比べたら、窓なしとは言えこの価格でホテルに泊まれるのであれば不満はない。
過去2回の香港渡航に関して、行きは羽田からの深夜便だったので、普通に電車で行けたが今回は久々に成田からの出発だったため、若干ながらバスか電車にするかで迷った。2年前の渡航では、どうしてもスカイライナーに乗ってみたかったため、わざわざスーツケースを抱えて小田急、山手線で日暮里まで行ったりしたので、本来であれば電車の方が好みなんだけども、最近小田急は遅延が多くさらに人身事故も多いため、万が一を考えて久々に相模大野から空港バスに乗る事にしていった。
相模大野からでお昼の時間帯だと、大体2時間半が目途なんだけども、今回は10時出発ながらフライトが14時だったので、かなりギリギリと言えばギリギリなので正直内心焦っていた。しかも、今回は5年ぶりで慣れないターミナル1使用だったので、それに関する不安もあった。時間的には12時45分には着いたので、余裕があるにはあったのだけれども、慣れないターミナル1でマックを探し、そこで並び食べているうちに時間が13時20分となってしまい、さらにセキュリティチェックに長蛇の列が出来ていたので、一瞬乗り遅れるかも知れない、と冷や汗ものだった。
幸い、他のゲートを開けてくれたのと、そこからゲートが比較的近かった事から、搭乗開始とほぼ同時ぐらいにたどり着く事が出来た。そしてそこから見える機体はハローキティ仕様であり、当然男なのでそのグッズなどは一切所有してはいないものの、単純に日本生まれのキャラクターが使用されるのは嬉しく感じたものだ。
フライトは極めて平穏であり、サービスも極上だったのでさすがエバー航空だな、と感心したものだった。機内エンターテインメントも久々だったけども、自分はあまり関心はないので、ひたすら目的地までのCGを眺めていた。機内食は魚か鶏肉だった気がするけど、肉嫌いの自分としては迷わず魚を選択、しかし一部自分が到底食べれそうにないものがあったので、完食とまではいかなかった。
桃園にはほぼ予定通りに到着。今回はスーツケースありなので、それを待つのと、イミグレーションの捌きが悪かったので、そこでかなりの時間を費やしてしまった、と思う。無事税関を抜けたら、真っ先にやる事はもちろん両替だ。しかし、香港空港と比べるとATMの数が少なすぎ、せめて国際空港なんだからシティバンクのATMぐらい置けよ、と、この辺りは4年半前から未だ改善の余地ありだ。
今回はジャパンネットバンクにあらかじめ入金して、そこからおろしたのだけれども、国際ATM使用の場合は公定レートプラス3パーセントほど余計にお金がプラスされるので、細かくおろしていくのは損、よって思い切って10000NTD、一気に約38000円ほどおろしていった。もちろん、再両替の際にも手数料がかかるし、香港の重慶大廈ほどレートも良くないので、それはそれで損もするのだけれども、まさか数千円かかる訳でもないので、香港のように街中に国際ATMがある訳でもない事を考えたら多少のリスクは仕方がない。
無事おろした後に向かう先は、SIMカード売り場だ。台湾でもいくつかキャリアは存在するが、旅行者にはどれが1番なのか知る由もないし、先述のように無難に中華電信を購入、これで購入直後からいきなり現地の4G回線が使えるようになった。まあ当然とは言え、ネットが使える環境であればどこでもグーグルマップが使えるのはとてつもなく便利な事だ。
それが済めば、後は台北市内まで行くだけ。しかし、この時点ではまだMRTが正式開通前だったので、タクシー以外ならバスに乗るしかない。が、台北駅までのバスは国光客運の1819のみ、つまり大抵の旅行者が使用する、と言う訳でなんと出口を出た瞬間に長蛇の列、雨で寒い中なんとここから50分前後待つ事になってしまった。
過去2回共、切符を買ったらすぐに乗れたので、何故この日に限って...とは思ったけども、まあ時間的な問題だろう。ただ、あまりにも来ないので、高い金払ってタクシーに乗ってしまうか、とも思ったけども、その矢先になってようやくバスが来たので、無事乗る事が出来た。
しかし、ここからも長く、しかも前半渋滞に巻き込まれたため、フライト自体は17時半ぐらいに着いたのに、台北駅に着いたのは20時ぐらいになってしまった。とりあえずお腹が空いたので、駅のフードコートなどで色々食べようと思ったけども、あいにく連休前の週末の金曜だけあってどこも大変な混雑、結局あきらめてホテルへ行く途中にある、有名な台北駅前のマックで食べる事にした。
成田でも食べたので、1日2度マックで食べたくないな、と思ったのは当然だったけども、とても背に腹は代えられない状況だったので、もうどうしようもなかった。なら、せっかくなら日本にはないメニューを食べよう、と思ってメニューボードを見たら、何と漢字だけ、英語一切なし。仕方ないので、英語のメニューありますか?と聞いてみたのだけれども、何とないという。日本でさえ、都心の一部や空港では英語や中国語、さらにはハングルのメニューまで用意してあると言うのに!正直これにはかなり面食らったものの、幸い日本人である以上漢字で大体の意味は分かるし、その店員も英語を話せたので、ビッグンテイスティの亜種みたいなバーガーを食べた。
因みに、表示されている価格はバーガーのみであり、セットだとプラス45NTDみたいな感じになる。トータル130NTDぐらいだった気がするので、520円弱ぐらい。一番高いバーガー選んでそれだから、日本よりかは若干安い感じだろう。しかし、せっかく注文したバーガーがはっきり言って期待外れ、特にビッグンテイスティほど美味しくないどころか、パティが明らかにタイムアウトでまずい事この上ない、結局この経験がトラウマとなって、帰国まで1度もマックには寄らなかった。
そこから徒歩でホテルへ向かい、やっとチェックイン。出迎えてくれたスタッフは、私が日本人だとわかるとすぐに流暢な日本語で案内してくれた。まあ何度も触れているように良い気分はしないけれども、まあ日本人観光客の多さと英語の話せなさを考えたら、台北のどのホテルも日本語対応可能なスタッフは用意している、との事。
今回の部屋は窓なしだったけども、案外気にはならなかった。そして、今回はフルキャリアのエバー航空だったので、当然スーツケースも一緒、イコール液体物の日用品も持ち込み可能なので、歯磨きなども愛用のクリニカを持ってこれた分、割と快適に過ごせた。しかし、前回の窓ありの部屋は、バスタブがあったような気がしたけども、今回はなしだった。まあ、それでも便座の真上にシャワーがある香港のゲストハウスよりはマシだ。宿に着いた時はまだ21時ぐらいだったと思うけど、さすがにそこからナイトマーケットに赴ける気力も体力もなく、朝9時に家を出た長い1日目はようやく終わりを告げる事が出来た。