香港の公用語は、返還後の今もなお「中国語と英語」と法律で定められている。しかし、事実上の第一公用語は、広東語だ。例の「ちびまる子ちゃん」騒動からも分かるよう、香港映画もすっかりマイナーとなった現在においては、一般的ないわゆる「中国語(北京語を元にした普通話)」とどう違うのかピンと来ないかも知れない。これは全く異なり、日本の方言レベルと言う次元ではなく、ほぼ「完全に」違う言語、普通話話者と広東語話者がお互いの会話を聞いた所で、全く理解出来るところはない。
よって、「普通話」は香港においてはほぼ外国語扱い、しかも、香港は一応中国に返還されたにも関わらず、相変わらず香港人の対中国感情は悪化する一方、よって香港において間違って普通話を話したりもしたらまずいい顔はされない。従って、旅行用の会話集的ガイドブックも、当然「中国大陸用」と「香港・マカオ」用は分けて売られている。
しかし、実を言うと私はこれまでそのような本を買った事はない。香港大好きな自分、当然、広東語の本を購入したり、アプリで簡単なセンテンスを勉強した事はあるけども、前述のような本を買って現地で持ち歩きながら回る、と言う事は1度もした事がないのだ。
もちろん、初めて香港に訪れた際にはある程度英語が話せていた、と言う事が大きい。しかし、香港人の母語はあくまで広東語。さすがに英語の通用度は日本よりかは遥かに高いとは言え、それでもデータによれば、約4割弱の人たちしか話せないと言う。それは移民が多いとされる、新界の北部などへ行けばさらに顕著になる。
当然、その場合は広東語を話せれば有利だ。