授業開始2日目にして、いきなりの休日を迎えた。
フィリピンではカレンダーにない国民の休日以外にも、
州独自の休みなどがあって、
それ以外にも様々な事情で突然休日が出来たりする。
それは日本の国民性から考えれば
ほとんどありえない事ではあるんだけども、
ここはフィリピンであって日本ではない、そう割り切るしかなかった。
しかし、前にも書いたように、
月曜日の支払い分が滞っていたので、
バッチメイトの二人と近くのメトロバンクまで引き出しに行く事になった。
マネージャーのユキさんからは、
徒歩は薦められないのでタクシーを使ってください、との
指示を頂いたんだけども、
使うにはあまりにも近すぎるし、
また歩いた方が異国の空気をダイレクトに感じ取る事が出来る、とも思ったから、
3人共徒歩で行く事になった。
さすがに日本と比較すると道路は荒れているし、
歩道なんてものもなかったけど、
前にも書いたように自然と電波少年のヒッチハイクの曲とかが流れてきて、
「ああ、今俺は本当に外国に来てるんだな」と実感したね。
またこの日は非常に天気も良く、
太陽が燦々と照っていたんだけども、
日本みたいに蒸し暑さはなく快適そのものだった。
まあフィリピンの夏と言うのは、
毎年の3~5月ぐらいらしいから、
ピークは過ぎた、と言う事もあったんだけどね、
でもそんな事は露知らず、そんな風にしか思わなかった。
そして無事メトロバンクに着くと、
すでに数人並んでいたのでそのまましばらく待ち、
3人同時にATMの中に入って行った。
「PLUS」のマークが付いているカード、ATM同士であれば、
世界中のどこに行ってもお金が降ろせるんだけども、
自分は長年新生銀行をメインに使っているので、
この時のためにわざわざ口座を作る、と言う事はなかった。
日本でもセブンがあればどこでも無料で降ろせるし、
月1回だけとは言え無料振込みも出来るから、
支店は少ないとは言え本当に便利なものだよね。
そして6000ペソ、約12000円ほど降ろし帰宅。
その途中にコンビニを発見したので、
3人で寄ったんだけども、
さすがにEFの生徒と言うお得意様がいるせいか、
必要なものはほぼ揃っており、
以降3ヶ月間しばらくお世話になる事になった。
価格は前にも書いたように、
日本の3分の1程度、
特に1.5リットルのペットボトルが80円程度、と言うのには、
大変な衝撃を受け、まるで夢のような世界にすら思えたものです。
その後は学校に戻り解散したんだけども、
二人とまともに会話したのはこの時が初めてだったと思う。
とは言っても、テストの結果を話した程度で、
お互いの身の上話などはほとんどなかった。
まだ若い女性だから、って言うのが一番なんだけども、
彼女らも日本人との接触はほとんどしていなかったし、
お互い3ヶ月と言う事もあって、
やっぱり本当に真剣に英語を学びに来たんだな、と思えた。
その後の夏休みに大挙してきた学生連中などは、
授業以外は全て仲間同士で絡んでいたし、
もちろん遊びの大半もそう、
せっかく海外まで来て何で日本人だけでつるんでいるんだろう、と
他人の事とは言え正直俺にはその意味が理解出来なかった。
そんな事もあって、彼女らには関心したんだけども、
そのせいかお互いに個人的な情報などは、
皆で飲み会を始めるまでほとんど知る事もなかったのです。
その後は昼食を取り、一日中休み。
まだこの時はひとりでの外出も不安もあったし、
誰かに連絡も取りようがないから、
もう部屋で過ごすしかなかったんだけども、
そのせいかやっぱりちょっと寂しくなってきて、
何人かの日本の同僚にメールしたり、このURLを送ったりしていったのだと思う。
日本に居たところで、
月に数回しか会わないような人たちが大半なのに、
まだ数日の段階で「どうですか?」みたいなメールを送るのも、
今にして思えばどうなんだ、って感じなんだけどね。
しかし、そうは言ってもやる事ないし、
教科書もあまり進んでもいなかったから、
もうネットかゲームか、あとは寝る、ぐらいしかなかったのです。
そういう意味で、しばらく休みはどう過ごすか、
これがしばらくの間のちょっとした悩みでもありました。