Hideo means Hero | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

自分はどちらかと言えばポジティブな思考の持ち主だと思うけど、
それでもたまに「俺はこの先どうなるのだろうか?」と、
将来に対する漠然とした不安を抱くことがある。

そんな時心の起爆剤にするのは偉人たちの名言だ。
大抵の場合はYoutubeやGoogleで検索して探すんだけども、
奇しくも今月のベースボールマガジンのテーマがそれに近いものだった。


挑戦すれば、成功もあれば失敗もあります。
でも挑戦せずして成功はありません。
挑戦しないことには始まらないのです。


うちの姉夫婦とか見ていると、
結婚したら残りの一生はほぼ全て子供と家庭に注ぎ込まなきゃいけないかな、
挑戦したい事があっても全て諦めざるを得なきゃいけないのかな、と
漠然と考えてしまうんだよね。

もちろん彼女らは彼女らで幸せなのかもしれないし、
うわべだけしか知らず私生活まで目の当たりにした事はないのだから、
それだけで判断するのは早計だとは思うんだけど、
やっぱり俺には前述のような印象しか抱けないんですよ。

フィリピンに居たときも、先生はおろか、
韓国人生徒にまですら「何で結婚しないの?」と嫌と言うほど聞かれたけども、
もし結婚して姉夫婦のような人生を送れ、と言われたら、
今の自分にはそれは絶対に無理だと思うし、
だったら結婚なんてまだまだ必要ないな、とすら思う。

ぶっちゃけ今の状況で出来るか、と問われれば無理だし、
一生時間を共有出来る相手がこの世に居るのか、と言う事すら想像も付かないんだけどね。

でも挑戦する時間があるのなら挑戦しなければ絶対後で後悔するし、
実際今それが出来ている事を考えれば、
そしてわずかながらも応援してくれている人が居る事を思えば、
俺は俺ながらにまだまだ幸せと言えるんじゃないか、と思うのです。

そしてこの俺を奮い立たせてくれた名言は、かの野茂英雄によるものだ。

正直自分は野球そのものは好きであっても、
選手の人間性までに惚れるような事はほとんどなかった。

それは色々理由はあるものの、
そんな俺でもやはり野茂英雄だけは今でも尊敬してやまない。

これまで伝説の10.19を始め、
球史に残ると言われる試合や名場面をリアルタイムでも見てきたけども、
何の記録も優勝もかかっていない、
単なるペナントレースの1試合に投げる一人の投手に、
あれほど心を躍らされたのは1995年の野茂以外にありえない。

その後何人もの選手が海を渡り、
イチローに至っては前人未到の大記録まで作った事もあり、
熱しやすく冷めやすい日本メディアからは次第に野茂の名前は聞こえなくなってしまったけど、
それでも俺にとっては今でも野茂こそ最高の野球人だ。

日本人はオリンピックになると、途端に「日本人であること」を意識するけど、
あの当時は野茂の雄姿が映し出される度にみんなそんな気持ちになったんだよ。

この感覚はいくら必死に説明しようとも、
リアルタイムで体験していない人には理解出来ない事だと思う。
それはそれで仕方がない事だとは思うんだけども、
それだけに野茂と同時代に生きれたこと、っていうのは本当に幸せだったな、と今更ながら思う。