かなり昔、マッハ隼人というレスラーがいたんだけど、
彼は日本で入門を希望するも体が小さいため断られ、
しかし夢を諦め切れず単身メキシコに渡り、
そこで見事レスラーになると言う夢を叶えた。
今よりも情報もない、前例もない、
もちろん英語もほとんど通じない、
生活環境も治安も劣悪…
そんな悪条件だらけにも関わらず、でも
"プロレスラーになりたい"
その一心だけで
そんな国に飛び込んだ男がいたのだから、
それを思えば俺のしている事なんて全然大した事でもない。
まして彼の場合はそこでデビュー出来る、
と言う保証があって行った訳じゃないし、
離陸する時には「もう日本には戻ってこれないかも知れない」
との思いもよぎった事でしょう。
俺なんか食住は完璧に保証されてる訳だし、
もちろん帰りの航空券も日程も決まっているのだから、
だから尚更大した事ないと思う。
それにしても…
彼以降もライガーやウルティモ・ドラゴンのように、
体が小さいゆえに日本では入門を許されず、
単身メキシコに向かった男らが何人も現れたけど、
当時のプロレスには
人をそこまで動かすほどの魅力があったんだな、と改めて思う。
俺も一時期は目指したものだけど、
さすがにそこまでの発想はなかったし、
しようともしなかった。だからこそ叶わなかったのだろうけど、
それだけに余計に凄い、と思うんだよね。