昨日BSで映画「レッドオクトーバーを追え」を久しぶりに見ました。

1990年の映画で、ベルリンの壁が崩壊し旧ソ連崩壊直前の映画ですが、舞台は冷戦真っただ中で、当時はかなり臨場感あふれる内容だったことを覚えています。

 

トム・クランシー原作のCIA分析官ジャック・ライアンシリーズの1作目の映画で、ジャック・ライアンというとハリソン・フォードが有名ですがこれはハリソンか演じる前に若きアレック・ボールドウィンが演じています。

 

この映画、とにかく、内容、脚本、演出、キャスティングの全てが完璧で、監督は「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナンです。

まだCGもない時代のアナログな合成技術を多用していますが、潜水艦の海の中のバトルシーンは、潜水艦内の緊張感と交差させながら、昨今のCG多用の並みの映画よりも臨場感とリアリティーがあふれ、今でも手に汗を握ります。

あと、何よりもキャスティングの豪華さです。主役から脇役まで、まあここまで豪華な面子をそろえたなあという感じです。

何度も見ても飽きない映画の一つです。

 

(ここからネタバレがはいります)

 

キャスティングに関し、前述のアレック・ボールドウィンは、むしろハリソンよりイメージが近く、卓越した知識と分析力でソ連最新型潜水艦レッド・オクトーバーのラミウス艦長が実は亡命目的であることを見抜き、政府高官、軍高官、現場の上官を次々と説得しながら自身の描いた亡命作戦を実行していくさまはかなりはまっています。

最近はミッション・インポッシビルにもでていましたが、かなりお太りになられていますね。

この映画ではあんなに格好よかったのに。(ほれぼれしてしまいます)

 

次に何といってももう一人の主役、ラミウス艦長演じるショーン・コネリー。

まあ、この人は完璧だわ。

どんな役を演じても、役柄を自分の側に引き寄せ、ラミウス艦長=ショーン・コネリーとしてしまう。

どんな時も冷戦沈着、魚雷がきても動じない、そればかりか一歩間違えば撃沈されるという大胆な戦術で危機を乗り越える、自分の計画に狂いが生じないよう同乗していた政府役員をさっさと殺してしまう、館内にいる自国のスパイを追っかけるためにすぐに敵国の艦長に艦を預ける、こんなあり得ないことを、「この人ならここまでできるんだ」と観客側に説得力をもって演じられるのは、この人しかいないと思います。

これは、「ザ・ロック」の時も同じことを感じましたね。

 

脇役陣もすごいです。

ラミウス艦長を支える忠実な副官を演じるサム・ニール。

「ジェラシック・パーク」では主役に抜擢され、グラント博士を演じていましたね。

無表情に忠実に艦長の指示を守り、部下の前では決して艦長に逆らわず、意見するときは二人の時だけに行う、部下の鏡のような存在です。

この副官がいなければ、ラミウス艦長の亡命作戦は成功しなかったとも思います。

そういう意味では、亡命後の「夢」を果たすことができず艦長をかばいスパイの銃弾に倒れてしまったことが、かなり残念です。

因みに彼の「夢」は「モンタナに住むこと」で死ぬ間際にもそれを言っていたのですが、「ジュラシック・パーク」の最初のシーンでグラント博士がモンタナで発掘作業しており、彼が夢をかなえることができたと嬉しい気分になりました。(相変わらず役柄と俳優がごちゃまぜになってます)

次にラミウス艦長に匹敵するくらいの冷静さと判断力を備え、最後はレッド・オクトーバーの舵を任され、敵のうつ魚雷にも冷静に対応し、最後は艦を守り敵艦を自らの魚雷で沈めるという離れ業をやってのけたアメリカ潜水艦ダラス艦長を演じたスコット・グレンもよかったです。この人主役は少ないですが、結構個性派脇役で、敵味方色々な役を演じ、「顔は知ってる」俳優です。この映画のあと「羊たちの沈黙」「バックドラフト」と立て続けにヒット作にでていました。あまり表情のない役柄がかなりはまっています。

そして、何といってもレッド・オクトーバーの艦内軍医役のティム・カーリーを忘れてはいけません。

ギョロ目の個性的なルックスで、善人から悪役、シリアスからコメディまで演じる名脇役です。

ずっと艦長には反抗的だったけど、最後は艦長の意図は全く分からず、勝手に勘違いして、勝手に艦長を祭り上げていました。(最後ラミウスに「レーニン賞ものです」と言ったところは少し笑ってしまいます)

あと、俳優の名前は知りませんが、ダラスのソナー係、この人の「音」を追う姿が素晴らしかったですね。

 

この映画、前述のとおり、当時の技術にしてはかなり臨場感ある内容に仕上がっています。その手法として、潜水艦そのものよりも各潜水艦艦内で繰り広げられる緊張感あるやり取りを交互に見せていくという演出にあります。

背後にいるダラスに気が付かず、レッド・オクトーバーが「クレイジーイワン」を行うシーンは、レッド・オクトーバー内でラミウス艦長と副官が亡命後の自分の夢を語り合う静かなシーンと、ダラス内で「クレイジーイワン」に気づきあわてて艦を止めて衝突の危険性に緊張するシーンが交互に演出されたところはすごかったです。

潜水艦映画はどうしても艦内のシーンが中心となっていしまいますが、これをどう見せていくかによってそのクオリティーに差がでますね。

多くの潜水艦映画の中でも、この映画はトップクラスではないでしょうか。

私自身も本当に好きな映画の一つです。

 

ただ、すごく面白い映画ですが、結局アメリカ側にたった「アメリカ万歳」映画なんです。

それはハリウッド映画なら仕方ないことですし、当たり前のことですが、こういう映画がソ連側にたって作られたらまた違ったストーリー、結末になってしまうんでしょうね。

まあ、そこはあまり深く考えず、エンタメで見ればいいんですが。

 

それにしても

 

ジャック・ライアン頭良すぎ!

 

ラミウス艦長も言ってた通り、ジャック・ライアンが馬鹿なら、馬鹿じゃなくても分析間違えてたらどうなっていたのか...