動産の対抗要件は引渡し(占有権の取得)である
判例では、動産所有者から、動産を賃借している賃借人は、『第三者』に該当。よって、動産購入者は引渡しを受けなければ、賃借人に所有権を主張できない。
一方、動産を預かっているに過ぎない受寄者は『第三者』に該当しないため、動産購入者は引渡しを受けなくても受寄者に所有権を主張できる。
引渡しの種類
1 現実の引渡し・・・実際にモノが動く
2 簡易の引渡し・・・貸していた物をそのまま売買など、実際にモノは動かず。合意の意思表示だけで占有権が移転する。
3 占有改定・・・購入者(新しい所有者)のためにモノを取り置く、預かるなどのこと。
4 指図による占有移転・・・当事者双方の手元に目的物がないときの引渡し方法。双方の合意が必要。実際モノを占有している者の意思は関係ない。
即時取得(善意取得)
動産の取引においては動産の占有者を正当な権利者と信じて取引に入った者はその動産について完全な権利を取得することができる。
即時取得は前主の占有に公信力を認め善意無過失の取得者を保護することによって動産の取引の安全を図る制度。
即時取得の要件
1 動産であること(金銭に即時取得の適用はナシ、自動車、船舶、飛行機も登録によって公示されるので適用ナシ)注意:未登録、登録抹消の自動車には即時取得の適用アリ。
2 前主が無権利者、無権限者であること
(権利者であれば、即時取得の必要性なくフツウに取引できるから)
3 取引行為による取得であること
売買、贈与、代物弁済、質権の設定など。 (相続は取引行為ではないので即時取得成立しない)
4 占有を取得したこと
判例は占有改定による即時取得は認めていない。(従来の占有事実になんら変更がないので)
即時取得の効果
売買や贈与→所有権
質権設定契約→ 質権
を原始取得(他人の権利に基づかないで独立に取得すること。新しい権利の取得であり、前主の下で発生した制限や負担(担保物権など)いっさい承継されない。)
このように即時取得は真の権利者の損害の上に成り立つが、その損害は(無権利の売主等の)処分者との間で決済されることになる。
(損害賠償請求や不当利得の返還請求など)
例外として
即時取得が成立しても、その動産が盗品または遺失物であるときは、被害者または遺失主は盗難、遺失の時から2年間は現在の所持者(占有者)に対しその物の返還請求をすることができる。
返還請求するにあたり代価を支払う必要はないが、現主が競売などの公の市場、それらと同種の販売者から買った場合には現主が支払った代価を弁償しなければその物を回復することができない。
253にち