回心の体験をしてから15年くらいになります。そのときお話をしていて、しばらく縁が途絶えた人が少し前からまた話が聞きたいと言われ話しています。最近は「いまここ」がわからないと言います。

 真理との邂逅を果たした朝に私はもう迷いの中で生きたくないと決意しました。そしてその日の夜に自分の力は何一つ全く間に合わないと信知させられ、真理が通過(透過)してからいまに至ることを話しました。

 15年で済むならいいけれど、来世80年も縁がなく、その先も何百、何千の生を重ねても迷いから抜ける縁に出合えなかったらどうするかまた尋ねました。それは嫌だということでしたけれど、本当に嫌になったなら、さらに自分の力が間に合わないと知らされたら、そのとき救われます。

 まだ生きられると思い込んで、変わることのない過ぎ去りし過去を思い悩み、いまじゃない不急の未来ばかり気にして、いまここで真理と出合う縁を私たちはずっと逃し続けています。あっという間に10年、15年が過ぎ去ります。私の命も無常です。生きているうちにどうにか救われて欲しいと念じております。