「かずちゃん、そこじゃないでしょ?」


うん、初めは便乗するみたいで何となく悪くて、辞退したんだけど、取っときなって言われて、有難く受け取らせていただいた。僕たち家族は上海水郷巡り7日間ていうのに行ってきた。バスで移動しては同じような川沿いを歩いて、丸いテーブルで中華料理を食べ続けた。毎日、毎日暑い中歩いて、バスで涼んで、また歩いてご飯食べて、土産物屋で説明聞いてた。妻は家事をしなくて楽だったみたいだけど、僕は疲れたかな。」


「そうだったんだ。僕も北京に去年行ったけど、毎日視界が悪くて、スモッグだったんだと思うけど、中国はもういいかな。そうだった、ちえちゃんたちはどこか行ったの?」



「外国はあきらめて、家族のきずなを確かめるのか、強めるのかなんだかよくわからないけど、富士山登山に行ったみたい。お姉ちゃん関西に住んでるから、行く前に比叡山や六甲山で練習して臨んだらしい。ツアーだったみたいで、8合目までは何とか順調に登って、一泊したら夜中にお姉ちゃんが具合が悪くなって、お兄さん起こしたけど起きなくて、自分でトイレに行ってなんとかしのいでいたら、収まったころお兄さんが来たらしい。その後、のぞみちゃんも気持ち悪くなって、お姉ちゃんはどうしても起きられないからって、トイレに連れていってって頼んだら、10分後にやっと連れて行ったんだって。結局8合目で御来光見ることにして、頂上には行けなかったらしい。」



「もうちょっとだったのに、残念だったね」


「お姉ちゃん、そのとき思ったらしい。男だ女だっていうんじゃなくて、その時、その場でリーダーシップが取れる人が、家族でもグループでも支えたらいいんじゃないかって」