- Aグループには「よくできたね。頭がいいわね」と“結果”を褒める。
- Bグループには「よく頑張ったね」と“努力”を褒める。
結果、頭の良さをほめたAグループは、新しい問題を避け、同じ問題を解こうとする傾向が強くなりました。(新しい問題に挑戦して、“結果”で)ボロを出して自分の能力を疑われるかもしれない問題は一切やりたがらなかったのです。一方、努力(それをする過程)を褒められたBグループは、更に難しい問題にチャレンジし、積極的に挑戦する姿勢が見られたそうです。このことから能力や結果を褒めるのではなく、プロセスを褒めることが大事であることがわかります。
◯子どもの下手な絵をどう評価するか
例えば、子どもの絵が作品展で入選したとしましょう。「いい絵を描いたから、入選できたね。素晴らしいね」と絵の出来栄えに焦点を当てて褒めていたら、下手な絵を描いてしまったり、次回、入選しなかった場合は親にその結果を見せないでしょう。難しい絵に挑戦することもしなくなるでしょう。だからと言って、下手な絵に対して「凄く上手に描けているじゃない」とはお世辞にも言えないですよね。もし言ったとしても、「そうやって僕をおだてて」とか「ママは私に気を使っている」と子どもから見抜かれることもあります。そんな時は親が嬉しそうにその絵を眺めて「絵を描いたんだね。ここに貼っておこうね」と壁に飾ってやればいいのです。「上手、下手」なんて評価しなくてもいいんです。「親が認めてくれた」ことで、子どもにとっては励みになります。
◯テストの結果が悪かったとき、運動会でビリだったとき
テストの成績でも「100点とれて偉いね」、運動会の徒競走でも「優勝して立派だね」「他の子ども達よりもいい成績を残して立派だね」このような“結果”に対して評価する褒め言葉しかかけていないと、一番になれなかったとき、子どもだけではなく、親側にも褒める材料がなくなるわけです。こんな経験をしていくうちに、子ども自身も自分のことだけでなく、「負ける人間は価値がない」という風に周りの子を見下す感覚がついてしまいます。成績が悪くても「残念な結果だったけれども、頑張って勉強していたもんね。それだけ勉強してきたんだから確実に学力はついているよ」徒競走でも2番でも3番でも、たとえビリになっても「ずっと練習してきたんだから足の力は強くなっているね」と言ってやればいいのです。また「頑張って最後まで走ったね」と言葉をかけてやればいいんです。「これ以上走っても一番になれない」とわかっても、途中で歩き出したりリタイアすることなく、最後まで歩くことなく走り続けることは素晴らしい行動だからです。それから、「今度は頑張ったら絶対に100点がとれるよ」「来年の運動会は絶対に一等賞がとれるから」などと(根拠の無い)保証をするような励ましの言葉もよくないですよ。
【感想】