安芸国周遊の旅 宮島の風景②「厳島神社」後編 | 果てなき旅路

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平安時代を想起させる寝殿造りの厳島神社





社殿の背には山岳信仰の対象であったとされる弥山がそびえ、自然景観と建築美の調和が全て綿密に計算された上で成り立っていると言われていますおねがい





言い換えれば、厳島神社は元々、宮島の入江に建てられたおり、創建当時からこの潮の満ち引きを計算されて造られたものであると考えられています。


 



そのため、それに耐えうるだけの技術力が厳島神社にはあることを象徴しているとともに…





平安時代の建築様式を伝える上でも、非常に歴史的に価値のあるものであると考えられています。





また厳島神社では、社殿の全面には能舞台や重要な儀式の場となる庭や池等も造られており…





瀬戸内海の穏やかな海を池のようにとらえ、平安時代の美に対する奥義を感じずにいられない、この光景こそが…




前編で厳島神社には “3つの見所” があると触れた2つ目の見所、日本で唯一、海に浮かぶ能舞台がこちらとなります。






1568(永禄11)年に観世太夫が宮島において、初めて能を演じたとされ、観世太夫は能を大成した観阿弥の子です。





そして宮島初となる能から約40年後、1605(慶長10)年に福島正則が常設の舞台を造営し、老朽化や災害で2度再建されており、現在の舞台は創建時の舞台を1994(平成6)年に復元したものとのこと。


朱色の艶やかなる社から一変して、古からの文化と伝統が感じられる能舞台です。





そして最後の3つ目が反橋ですが、かつて勅使がこの反橋を渡り、本殿に入ったことから「勅使橋」とも呼ばれています。





斜面が急なため、渡る時はには仮設の階段が設けられていたとも言われ、反橋の柱上部に擬宝珠と呼ばれる飾りが付いており、その一つに毛利元就が再建したことを示す国名があるとのこと。





反橋の上を歩くことは出来ずまた、出口付近にひっそりとあるので、気付かずに通り過ぎてしまわぬよう注意が必要です(笑)





こちらが出口、30分ほど厳島神社の社殿を見学をして…





もうすぐ17時となりますが、まだ日も明るいので周囲の散策へ音譜音譜





因みにこちらは、表から見た反橋、その右横の社風の建物が天神社。




学問の神様・菅原道真を御祭神として祀る天神社ですが、かつては連歌堂とも称され、1556(弘治2)年に毛利隆元が寄進し造営されたものと伝わります。




厳島神社の出口を出てすぐ大願寺があります。

平安時代に創建されたと伝えられますが、詳細は不明とのこと。




大願寺は鎌倉時代に了海という僧侶によって再興されたとされ、古くから厳島神社の修理、造営を一手に担う存在であったとのこと。 




重要文化財の木造薬師如来像などを多数の仏像を安置する寺院としても知られています。




本堂には神仏分離令により厳島神社から移された日本三大弁財天の一つ「厳島弁財天」が安置されており、現生利益の女神として信仰を集めています。 

商売繁盛や家内安全、大願成就を願う参拝者が多く訪れるスポットとしても有名です。




そしてこちらが海辺に佇む清盛神社です。

言うまでもなく、平清盛が御祭神となりますが、ここで宮島の町並みを歩きながら、平清盛について触れたいと思います。




平清盛が厳島神社を篤く信仰した時代は、従来の朝廷政治のやり方にならい娘を天皇の后にしたり、一族を朝廷の要職に就けたりして勢力の拡大を図りました。




一武将が政治の実験を握ったことは、その後の日本の歴史に大きな影響を与えるようになります。




すなわちそれは、平清盛とは公家中心の社会から武家中心の社会へと政治の主導権が移るきっかけを作った人物とされているのです。





等と語りながら、宮島の町並みを散策していると、とても古い家屋が並ぶ一角があることに気付きます口笛




そしてちょいちょいと視界に入る五重塔が気になるので、そちらの方角へと歩いて行こうと思いますビックリマークビックリマーク




ところで、平氏には「平家」という呼び方もあるのですが、一方、源氏には「源家」という呼び方はありません。


その理由は何なのでしょうかはてなマークはてなマーク





「平家」とは平清盛の一族をだけを指す呼び方でって、つまり「平家」とは平氏の中の一部(平清盛の一族)だけを指している呼び方なのです。 


ではなぜ、「平家」と呼ばれるようになったのかと言いますと…





平安時代の保元・平治の乱で勝利をしたのが平清盛で、その後、武家政権のトップに君臨し、強大な権力を手に入れたからとされています。





「平家(平清盛の一族)にあらずんば人にあらず」という言葉が残っていますが、いかに平清盛が強大であったのかが理解できます。


 故に『平家物語』も平清盛の一族について書かれた書物であり、平氏全般の物語ではないのです。


平家ゆかりの地、宮島


この旅はまだ続きます…☆