北近畿の旅の最終日、城崎にて…
こちら城崎温泉では、旅館の中にある館内浴場を「内湯」と呼び、町の中にある公衆(共同)浴場を「外湯」と呼んでいます♨️
泉質はすべて同じですが、それぞれ建物の趣向やご利益が異なるため、様々な湯浴みを愉しむことができます。
今回は残念ながら、「外湯」巡りをする事はしませんが、その外観巡りへ
●地蔵湯♨️
江戸時代、村民多数の入浴が見られ、里人の外湯として親しまれていました。
この湯の泉源から地蔵尊が出たので、この名があり、此来、庭内に地蔵尊が祀られています。
外観は和風の灯籠、六角形の広い窓は、玄武洞をイメージしているとのことで、外湯中、一番モダンな建物とされています。
●柳湯♨️
中国の名勝西湖から移植した柳の木の下から湧き出たというのでこの名が付き、以前はこの裏側にあり、外傷やはれものに著効があったといわれています。
情緒あふれる街並みが人気の城崎温泉…
しだれ柳が立ち並ぶ大谿川を中心に1.6㎞の範囲に、およそ190軒の旅館や飲食店の歴史ある建物が集まる温泉街です。
●一の湯♨️
江戸中期温泉医学の創始者・後藤艮山の高弟香川修徳がその著「薬選」の中で当時新湯といったこの湯を、天下一と推賞したことから名づけられたとのこと。
で 柳湯から一の湯までは北柳通りに面しており、こちらの飲泉場からは湯の里通りを歩くこととなります
当所鎮守・四所明神の神託によって、難病で苦しむ人々を救うために千日間の修行を行ったところ、720(養老4)年に現在の「まんだら湯」の場所に温泉が湧出したのが、そのはじまりとされています。
城崎温泉の泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉、温まりやすく、湯冷めしにくいため、湯上り後はホカホカ感が続くのが特長とのこと。
四所神社は古来より城崎温泉の氏神・温泉の守護神として信仰されてきました。
かつて、城崎の町は四所神社を境に、西が上部・東が下部と別れていたのです。
和銅元年(708年)、日生下権守(ひうけごんのかみ)が神託をうけ、四柱(四所)の明神を奉祀したことが「四所神社」のはじまりとされています。
イチョウが黄色に輝きに満ち、この旅で最も秋の深まりを感じたのが、この神社だったかもしれません
●御所の湯♨️
鎌倉時代 後堀河天皇の姉が入湯されたという『増鏡』の記述より命名された湯。
浴槽は半身浴用と普通の湯船があるだけのシンプルなつくり、湯は熱め、温泉の蒸気をつかったミストサウナもあるそうです。
外湯の中でも目立たない存在なのか比較的空いていてゆっくりできるとのことで、この佇まいが外湯には見えないので、ある意味では納得。
古き良き時代の温泉地の遊技場…
時代は加速度的に流れつつも、穏やかに流れている場所もあるのだと…
ふらり温泉地を訪ね、のんびりと散策をしていると、そんな空気に触れるのが、これもまた一人旅の醍醐味
そして、そんな情緒溢れる温泉街を歩いていると、軽く創業100以上は経過しているような、そんな佇まいを持った老舗旅館に遭遇します。
湯舟は2段になっていて、浅い方は半身浴にピッタリの深さで気泡風呂、深い方も旧まんだら湯の心地よい深さを受け継いでいるとのこと。