鎌倉 日本一遅い紅葉 | 果てなき旅路

果てなき旅路

旅、温泉…たまには歴史。時の徒然に、好きな事を綴っております。

前回のブログに引き続き、今回も昨年の12月に投稿できなかった、年末の記録でございますグラサン





12月の青空の下…

奥鎌倉において、この地には歴史的に重要な史跡があります。

その史跡が望める高台へと移動しましょう口笛





こちらの永福寺跡は、鎌倉時代初期に、源頼朝が源義経、藤原泰衡など奥州攻めで亡くなった武将たちの鎮魂のため、中尊寺の二階大堂等を模して建立した寺院で、鶴岡八幡宮、勝長寿院と並んで、当時の鎌倉の三大寺社のひとつであったとされています。





1450(応永12)年の火事で消失したと言われ、以後、廃寺となりましたが、発掘調査により、本堂 = 二階堂の両側に阿弥陀堂、薬師堂の三堂が横に並び、その直前に広い池が作られ、中の島や釣殿がある浄土式庭園を持つ壮大な寺院の遺構が確認されています。





現在は鎌倉時代を代表とする遺跡として、国の史跡に指定され、史跡を活かした公園として、復元整備が行われ、当時の伽藍配置や苑池などを見ることができます。





因みに「二階堂」とは、二階建ての仏堂とも称されたことから、現在では、永福寺跡の所在する鎌倉市二階堂に継承されています。 





永福寺跡からは建長寺まで続くハイキングコースを歩きますが…





もちろん(?)、建長寺まで歩くことはせず、途中の獅子舞谷へ、そこは未だに、晩秋の彩りもみじ




見上げれば、落ち葉となった “葉” の方が多いのですが、これが新年を迎える1週間前の光景と考えれば、自然の驚異に感嘆🥺




さて、獅子舞谷からは奥鎌倉の瑞泉寺へビックリマークビックリマーク




こちらの寺院もまた、鎌倉では紅葉の名所とし知られています。




どちらの階段を登っても瑞泉寺の本堂へは行けるのですが、当然ながら、左の石段は旧道となります。




実はこの日はクリスマス🎄

まさに年の瀬、世間てはジングル・ベルに包まれている最中…




臨済宗円覚寺派の禅寺で、四季の変化を目の当たりにし、“自然” というのは無常であるのだと感じます。




世の無常、あるいは「無常観」


「無常観」とは、辞書を開けば、一切のものは無常、生滅し変化して常住ではないのだという観想とあります。





難しい単語ばかりが並んでいますが、生は常に変化して移り変わり、同じ状態に留まらないという仏教の教えに基づいた考え方を意味しています。





要は全てのものは、永遠などなく、続くことなどないということで、人生もまた儚いものであることの例えともされます。





そして人間もまた、“自然” の一部であるのだと、誰もいない境内で、ひとり佇み、ふと悟ったりなんかもします(笑)





さすがに、この日はクリスマスということで、落ち葉もだいぶ目立ちますが、どこか晩秋の気配が漂う瑞泉寺。




まだ、秋の終わらぬ不思議な空間です。




瑞泉寺の最寄りのバス停「鎌倉宮」より、鎌倉駅前の若宮大路へと戻り…




この日最後に訪れたのが日蓮宗妙本寺です。





「日本国内で最も遅い紅葉」と形容される名所はと問われた場合、養老渓谷や熱海梅園など、幾つか頭に思い描くのですが…




あくまでも、個人的な見解として、私がその「日本国内で最も遅い紅葉」を選ぶのならば…




前述の瑞泉寺とこの妙本寺が、他の名所を圧倒して、日本一遅い紅葉と言い切りたいのですが、その根拠がこの下の写真グラサン




2年前に珍しく雪の降った1月の初旬…

いざ鎌倉!! 

と、訪れた妙本寺での白の情景、紅に彩る紅葉に雪の白のコントラストがミステリアスおねがい




去り行く季節の忘れ形見と類いまれなる雪との奇跡、まさに神業とも呼べるような異空間。




残念ながら、今年の妙本寺は、色づきが進まなかったようで、青葉のまま散り行く運命となったようで…




昨年の猛暑や日照時間の影響に左右されたのか、少し残念な妙本寺の紅葉でした。




しかしながら、境内の片隅では、甘い匂いを放つ蝋梅が咲き、冬の訪れを感じさせます。




桜や海棠の名所でもある妙本寺…

次回は、春うららな季節に訪れたいと思います。


おしまいニコニコ