偕楽園血圧日記 -1433ページ目

渡辺淳一さん、もっと物事はきちんと見ましょうよ

 渡辺淳一という作家がいる。
 日本経済新聞というお堅い新聞に艶っぽい小説を連載したことで、その筋の人間にカリスマ的な人気がある作家である。その渡辺氏が週刊新潮誌上にエッセイを書いているのだが……現在発売中の5月5・12日ゴールデンウイーク特大号のものを読んで驚いた。というよりあきれ果てた
 以前から渡辺氏のエッセイは、「男は乱暴で協調性がなく、女は優しくて周りと協調する」といった偏狭な価値観による決めつけが目立っていたのだが、今回中国の反日デモにいたって、偏狭さ爆発といった内容になっていたのだ。
 以下、一部抜粋して考察してみる。緑字は引用文、黒・青・赤は私の突っ込み文である。

(タイトル)加害者は被害者になれない
 諸外国はノー
中国政府が以前から、反日的な教育をしてきたことは確かだろう。要するに、反日という思想は戦中・戦後を通して、中国人の心の奥底に潜んでいたものである。これが現在まで顕著に現れなかった、その最大の理由は、日本が圧倒的に経済的に優位な大国であったからである。

 中国の反日は戦前からで、日清戦争以来ずっと取っている政策なのだが……それを反日ムードではなく反日思想として植えつけるよう強化されたのが天安門事件後の十五年前からなのだが、知らないのかな?

今回のデモに対する諸外国の反応で忘れてはならないことは、東南アジア諸国はもとより、フランス、ドイツなどの先進諸国からアメリカまで、デモの行為とは別に、「日本は先の大戦中の行為に対して、きちんと謝罪すべきである」と述べていることである。

 東南アジア? 東南アジアが謝罪などといったのは聞いたことがない華僑を使ってやっているデモがその国の総意だと思っているのかな? 今回先進諸国で謝罪をしろと述べた国なんてあったかな? 調べたところイギリスのフィナンシャルタイムスが「謝罪が必要」という一文を載せていたが、その後の文で、「デモは中国が悪い、原因は中国が歴史を捏造しているからだ」と書いていた。また、フランスのルモンド紙は「日本が大陸における戦争犯罪の規模を否定するのを中国人が非難するのは間違っていない」と書いた(「規模の否定」とは、また微妙な言い方である。これは「無条件に謝罪しろ」といっているのではないようだが?)が、同時にデモに関して「若者にとって反日主義が不満表明の唯一の手段になったため、政府はそれを利用するという危険な道に踏み入っている」とも書いている。朝日や毎日といった日本の新聞は、こういった声の前半部分だけ引用して「外国も日本が悪いといっている」という報道をするので信用してはいけないのだ。(ドイツ? あそこにはドイツ人自身があきれるほどの反日左翼新聞がある。日本を貶めることでドイツを正当化しようというナチスの尻尾のような思想を持つ新聞である)

だがはっきりいって、謝罪らしいことをいってはいるが、いかにも曖昧で、それで国内では通じるかもしれないが、国際的には通用しない
日本は過去、三兆円をこすODAを中国に差し出し、かの上海空港もそれで建てられたのだ、などといっているが、そんなことより、南京に過去の中国侵略を反省する「謝罪の塔」でも建てて、日本の要人が行くたびに献花でもしたほうが、よほどわかりやすい

 ODAでつくったのは代表的な空港は北京国際空港だったはずだが……上海空港と武漢空港にも日本の金が入っているのか。どこもかしこも日本の金でつくったものだらけではないか。しかしそれを国民に知らしめない中国のほうに問題があるのではないのか?

 理屈より気持ち
今求められているのは、理論や屁理屈ではない。それより必要なのは、日本人の「ごめんね」という一言である。それをはっきり態度で表すことである。

 今まで散々「ごめんね」といっているのだが……日中共同声明は知らないのかな?

長年、中国がいい続けてきている、日本での歴史教育の見直しと、首相の靖国参拝を中止すること

 ……内政干渉を唯々諾々と受け入れろ、と?

日本の歴史教科書は……(中略)……日中戦争や朝鮮植民地政策、大東亜共栄圏構想などに対する記述は、あまりに短すぎる

 中国の教科書は三分の二が日中戦争だというが、何しろあそこは建国五十年そこそこしかない国である。また、朝鮮は植民地ではない。そもそも歴史は客観的な事実だけ書いておいて、そこに何を読み取るかは各個人に任せるべきである。長いからよくて短いからいけないとは一概に言えない。

こうした無謀な行為を行ったのが、普段は穏やかな、私たちの曾祖母やその両親であったこと。その人たちが戦争という狂気の下ではこのように変わりうるのだから、戦争は決してしないように誓いましょう」と歴史から見た人間教育を行うべきである。

 戦争が人を変えてしまうという考えには賛成する。狂気というよりは冷静な判断で戦争は起こすものだとは思うが……決してしないように誓うというのは、全世界中でやってほしいものである。

もしかして小泉首相も、その程度の歴史しか知らないのではないか
もし本当に知っていたら、中国はじめ東南アジア諸国に侵略して多くの人々を迫害し、日本国民を悲劇のどん底に追いやった、A級戦犯を祀った靖国神社などには、行かないはずである。

 ここでもアジア諸国という言葉が出てきた。中国の言い方と同じだな。人々の迫害などしていないどころか、東南アジア諸国には日本のおかげで白人の迫害から開放されたという人が大勢いる。東京裁判は国際法的に意味のない裁判だと今では皆分かっているし、だからこそいわゆるA級戦犯は、1952年にその名誉を回復されているのだ。小泉首相が参拝しているのは票のためだと思っているが……それでも首相就任前から毎年参拝していたのである。首相になったから行くなというのは、小泉首相の基本的人権を侵すことになる。

それより、先の大戦で牛馬の如く駆り出されて死んでいった無数の兵士や、空襲で命を失った多くの庶民を祀った、戦没者の碑をつくり、そこにお参りするべきである。

 毎年8月15日に式典を行っている千鳥ヶ淵の戦没者墓園は何だと思っているのだ?

 わたしが見たもの
先の大戦のとき小学生だったわたしは、中国人を「チャンコロ」と呼んでいた。
支那人以上の蔑視語で「あいつらは、弱くて泣き虫で、日本人が行くと、すぐ這いつくばるのだ」ときかされていた。

 戦意昂揚のためだったのだろう。今では恥ずかしい考えである。

二年生のとき、北海道の炭鉱町で朝鮮人労働者の飯場を見に行ったことがある。
密かに覗きに行くと、坂を下った先に飯場があり、そこで一人の労働者がパンツ一枚のまま、太い棒で何度も殴られ、両手を合わせて哀願しているのに、さらに殴られていた。

 なぜ叩かれていたのか考えようとしないのだろうか? 何かを盗んだ罰かもしれないし、規律を乱して喧嘩沙汰を起こして罰を受けていたのかもしれない。叩いていたのも日本人かどうか分からない。当時朝鮮人は日本人だったのだ。監督官になっていたものも当然いる。

これと同じことは、中国人の飯場でも行われている、と聞いていた。事実、秋田県の花岡炭鉱では多くの中国人が過酷な労働の下死亡し、鉱山のあった大館市では、今も異国で非業の死をとげた中国人のために毎年、慰霊祭が行われている。

 花岡鉱山事件は、左翼のバイアスがかかった資料ばかりが出回っているが、中国人捕虜が脱走を企てて武装蜂起し、鎮圧されたというところが真相のようである。捕虜収容所のことであって、飯場とは違う。もちろん、捕虜に強制労働をさせることは当時でも国際法違反なので、そのことで責められるのは当然であり、それについての謝罪はするべきである。そして日本政府と鉱山主の鹿島組は謝罪をしているし、サンフランシスコ講和条約の縛りで個人補償はできないので、基金を作って被害者の救済に当たっている。何より大館市が毎年慰霊祭を行っているのは、謝罪の気持ちがあるからではないのか?(自虐的な朝鮮人が、「花岡鉱山に在日朝鮮人が連れて行かれ」と書いているが、たとえ朝鮮人がいても契約した労働者としてであり、捕虜の中国人とは違う。この武装蜂起には関係ないのである。いい加減自分たちは連合国についていたような錯覚は捨てなさい。日本と朝鮮は、ともに敗戦国なのだ)

少年期に、これらを見て感じたわたしには、中国への思いは理屈ではない。ただあのころ、日本人はまさしく驕り高ぶり、本当に悪いことをした、という切ない思いだけがある。

 大人になって冷静に振り返ってみることはしないのだな。

多くの中国人はいまも、父母や祖父母や、さらにその上の人たちから延々と、時には誇大に、日本の非道さを教えられ、叩き込まれて育ったに違いない。

 父母や祖父母どころではなく、政府が主導してやっているのだ。そして誇大に、というところが問題なのである。民間人の虐殺など、やっていないことまで日本のせいにされているのだ。

今必要なのは百の理論ではなく、唯一つの「ごめんなさい」という言葉である。それさえいえば、彼らの気持ちも和む。

 一つどころが二十回近く「ごめんね」といっても和んでいない。

辛いことだが、われわれの祖父母やその両親が犯した罪は、われわれみなで、背負わなければならない。

 祖父母やその両親の罪は祖父母やその両親が償うのが現代の法治国家の基本理念である。渡辺氏は子孫にまで罪を背負わせる中世的な感覚をいつまでも持たれているようである。殺人犯の子供を「おまえの親は殺人犯!」といって差別するような人なのだろう。(というか交戦権は国際法で認められた国家の正当な権利である。現在日本が勝手に放棄しているだけで、例えばフセイン前大統領がイランやクウェートに攻め込んだことは罪にならないのだ。さらに戦争の交戦中の人殺しは罪にならないのが国際法である) 日本が先の大戦について責任を果たそうとしているのは、日本国という国家の継続性からであり国民に罪を背負わせているのではないのである。

そして人間は恨み憎しむが、同時に、やがて許す生き物である。

 これが締めくくりの言葉であるが、 日中共同声明で国交が回復したとき、中国人の考えを表した言葉に、「許そう、しかし、忘れない」というものがある。結局忘れなかったばかりか、ことを蒸し返して、誇張し、許すどころかゆすってきているのが現在の北京政府のやり方である。

 結局渡辺氏は自虐的な感傷で日中関係を捉えているだけで、あのデモや現在の日中関係について何もわかっていないのだ。
 中国が「過去の歴史」と言うとき本当に過去のことを責めているわけではない。そう言えば日本は自己主張をやめて中国の言い分を受け入れるから言ってくるのである。今回のデモにしても発端は東シナ海ガス田開発問題である。そこに国連常任理事国問題が絡んできて、日本が国際的に力を持つことをよしとしない北京政府が背後で糸を引いてデモを起こさせたが、予想以上に大きくなってしまったというのが真相である。「過去の歴史」は脅迫のカードでしかないのだ。
 渡辺氏の本は、中国語に訳されてかなり売れていると聞く。結局金が入ってくる国を大事にしようと媚びているだけなのだろう(日本は悪く言っても咎められないし)。ただ問題は、氏が団塊世代などに絶大な人気があるということである。そのような人がこんなことを書くとそのまま信じてしまうような人も大勢いるだろう。これは看過できない大問題である。テレビでは筑紫哲也といった主婦受けしそうな人間が日本を貶める嘘を堂々と延べ、権威あると錯覚されている大新聞も必死で反日思想を植えつける努力をする。内憂外患。まさに今の日本にぴったりの言葉である。自国内でこれほど反国家的な考えを持った人間が大手を振っている国が、ほかにあるだろうか?

 それにしても、渡辺氏といい筑紫氏といい巨泉氏といい石原氏といい、戦中派には極端な右翼か極端な左翼しかいないのだろうか? この世代は、もっと歴史を素直に見たほうがいい

 ところで、今回文章を書いていて気付いたのだが、IMEでは「支那」が一発で変換できない。それどころか、変換候補にすら無いのだ。渡辺淳一といい左翼団体といい、「支那」を差別語だといって騒ぐバカがいるためなのだろうか。
 なぜ「支那」が差別語なのだ? そもそも「支那」は華北、華中、華南を合わせた地域の名前でしかない。それに東北、チベット、新疆をくわえて現在の中国という国になるわけで、どこにも差別の意味はない。日中戦争中に戦意高揚のために日本人は中国人を蔑んでいて、その頃は「中国人」といういい方が一般的ではなかったので「支那人」と呼んでいたというだけである。「支那」という単語に差別の意味があるのではなくそれが現す地域に住む人を差別していたということである。「支那」を差別語だといって排斥するのはそういう恥ずかしい過去を覆い隠して言葉だけに責任をかぶせるやり方でまさに過去を直視しないことになるのだ。

ミサイル発射!

+++++++++++++++++++++++++++++++++
 北朝鮮が短距離ミサイル発射、新型? 日本海に着水

 北朝鮮が1日朝、日本海に向けて短距離ミサイル1発を発射したことが、米軍から日本政府に寄せられた情報で明らかになった。
 防衛庁などによると、ミサイルは射程100キロから150キロ程度。午前8時すぎ、北朝鮮東部沿岸から発射され、北朝鮮寄りの日本海に着水したという。防衛庁は「新型の地対地弾道ミサイルの発射実験の可能性がある」として、分析を進めている。
 北朝鮮はしばしば、中国製の巡航ミサイル「シルクワーム」を改良した地対艦ミサイルの発射を行ってきた。政府筋は「地対艦ミサイルではないかもしれないが、短距離ミサイルなら、日本への影響はない」としている。ただ、北朝鮮は核開発問題に関する6か国協議再開を求める日米などに反発を強めており、政府は北朝鮮の意図についても分析する方針だ。
 (読売新聞) - 5月2日3時9分
+++++++++++++++++++++++++++++++++

 さて、さっそく北朝鮮が示威行動を行ってきた。これは先にブッシュ大統領がテレビ演説で金正日を「暴君」と呼んだことに対するものだろう。まさかFIFAに対する抗議ではあるまい。
 スポーツのことを軍事に結びつけるはずがないと言っているのではない。ワールドカップ予選が第三国開催になったということは国民に対してより大きなプロパガンダに使えるから、こんなミサイル一発で済ましてしまうわけがないということである。
 テレビを使って大々的に批判と挑発のキャンペーンを張るのが一番考えられることであるが……すでに三敗していることを考えるとこの後の試合をボイコットしてくるかもしれない。予選の放棄は罰金が科せられるというが、すでに追い詰められている国である。予選は放棄、「不正な裁定があったためだ」と屁理屈こねて罰金支払いに応じないという流れだろうか。それでAFCから除名されても、「アジアサッカー協会が悪い」と駄々をこねるパターンが一番考えられるのだが……(もちろんその過程で全く関係ない拉致問題や核問題も出してくるに違いない)

 ところで、今回のような短射程ミサイル発射があると、日本政府は必ず「アメリカから情報があった。調査中である」というステートメントを発表するのだが、これについて、「なぜ気付かないのだ、情けない」といった批判をする者が必ずいる。
 しかし、それは間違いである。
「レーダーで捉えられなかったのか」という者がいる。だが、地球は丸いのだ。そしてレーダーというのは基本的に水平線の丸みの下にあるものを捉えることはできない。電波が直進する特性上、不可能なのだ。水平線までの距離は、人間の目の高さで約五キロ、レーダーサイトが100メートルの山の上にあったとしても、約40キロである。最短でも700キロ弱日本からある北朝鮮北部のことは、地上レーダーではどうあがいても捉えられないのだ。もちろん竹島からでも無理である。電離層にレーダーの電波を反射させて水平線の向こうを見るOTHレーダー(Over The Horison:超水平線レーダー)というものもあるが、日本は持っていないし、持とうとするとまたうるさく騒ぐ勢力が出てくることだろう。(ちなみに、アメリカはOTHレーダーを沖縄に配備している)
 空中警戒機はどうか。E-2Cは基地から540キロ進出して、約半径360キロの範囲が索敵ができる。距離的にはぎりぎりであり、高度判定などできない可能性が高い。E-767AWACSならば高高度警戒状態で北朝鮮全土をカバーできるが、やはり過剰防衛だと騒ぐ勢力がいるので、通常はADIZ(防空識別圏、本土からの平均距離は約550キロになる)内の監視を任務としている。北朝鮮沿岸は防空識別圏には入っていない。(さらにいえば、E-2CもE-767AWACSも常時監視任務についているわけではない。日本はどこかの国がいっているような侵略準備の臨戦態勢にあるわけではないのだ!)
 つまり、北朝鮮が自国の北部沿岸から短射程ミサイルを発射しても、現在の日本は捉えることができない。というより、そんな短射程ミサイルなど捉えても仕方がないのである。大阪でタバコを吸った人に対して東京の嫌煙派が騒ぐようなもので、意味がないのだ。
 先に書いたOTHレーダーも万能というわけではなく、水平線の向こうのものを捉えられるが、ひどく精度が悪い。飛んでいる高さは分からないし飛んでいる方向もすぐには割り出せない。これほど距離の離れたところの出来事を確実に捕らえるには低軌道衛星がどうしても必要になる。だが、現在日本は高性能の低軌道解析衛星を持っていない。確かにこれは情けないことである。アメリカの衛星のデータに頼っているのだが、アメリカがすべてのデータを提供している証拠はないのだから、「調査中」となるのも当然である。(もっともすでに落ちたミサイルの種類など、破片調査でもしない限り分からない。機動などから性能の一端が分かるだけだろう。それがシルクワームのような旧世代の対艦ミサイルならば見るものはない)

 自衛隊は、まさに自衛のために特化した軍隊で、陸上より海空を充実させているのも、他国からの侵略が必ず海から来る日本の特性上、当然の戦力構成である。海外派遣のたびにもたもたするのも、もともと国土防衛が専従任務のために大規模な展開能力を持たないためである。(通常の演習で戦車などの遠距離移動が必要なときは、民間のフェリーを使っているぐらいなのだ!)
 専守防衛を掲げる国の軍隊の有り様としては、自衛隊の構成はかなりよいものであろう。だが、常任理事国入りを目指そうというのならば、戦力とは別の情報収集能力は必要である。アメリカの顔色をうかがったり、反日勢力の抵抗でスパイ衛星が上げられないのなら、他国の衛星が送っているデータをこっそりハッキングする程度のことはしておくべきではないだろうか?

列車事故と会社の体質

+++++++++++++++++++++++++++++++++
 対向特急あわやの緊急停止、偶然の発光機作動…尼崎

 兵庫県尼崎市のJR福知山線で快速電車が脱線した事故で、直後に現場を通過予定だった対向の下り特急電車が、偶然作動した踏切の異常を示す特殊信号発光機に気付き、現場の手前約100メートルで緊急停止していたことが30日わかった。
 あと5秒遅ければ、二重事故を招いた恐れがあったという。この特急電車の運転士は、事故を起こした快速電車の車掌や、指令所より早く、付近の列車に停止を命じる緊急通報をしていた。踏切は現場の南西約50メートルにあり、事故後、JR西日本が調べたが、発光機が作動した原因はわかっていない。
 同社によると、緊急停止したのは、新大阪発城崎温泉行き特急「北近畿3号」(4両、乗客約150人)で、脱線事故の発生とほぼ同時刻の4月25日午前9時18分に尼崎駅を出発した。
 約2分後、踏切手前約250メートルを走行中、踏切脇に設置された発光機の赤色灯が点滅しているのを、運転士が発見。非常ブレーキをかけるとともに、運転台の「防護無線機」のボタンを押し、半径約1キロ内を走行中の全列車に緊急停止を命じる信号を発した。
 北近畿は踏切の手前約50メートルで停車。脱線した快速の後続だった篠山口発大阪行き快速(6両、乗客約800人)はこの信号を受け、現場の手前約300メートルで緊急停止し、別の1本も直ちに止まった。
 北近畿の運転士は脱線事故について「非常ブレーキをかけたあとに気付いた」と話しており、JR関係者は「発光機が作動していなければ、事故に巻き込まれたかもしれない」と指摘している。現場は急カーブで見通しが悪く、脱線した快速の後続にも追突の危険があったという。
 北近畿の運転士が防護無線機の信号を発したころ、福知山線の運行を管理する新大阪総合指令所は、事故車両の車掌から「急ブレーキで停車した」との一報を受け、状況を聞き取っている最中だった。事故からすでに約2分が経過していたが、同社は「車掌は7両編成の最後尾にいたため、すぐに脱線と気付かなかったようだ」と説明。指令員は北近畿の運転士から連絡を受け、付近の列車が停止していることを確認したという。
 発光機が作動した経緯について、JR西日本は、〈1〉事故の影響で周辺の信号が故障した〈2〉人が遮断機を乗り越えて踏切を渡った――などが考えられるとしている。
 (読売新聞) - 5月1日3時9分
+++++++++++++++++++++++++++++++++


 福知山線の事故のニュース関連で、事故現場の数百メートル先で反対側線路の電車が停車していたと報道されていた。しかも言葉は悪いが信号機の誤作動で止まったという。もし偶然赤信号がついていなかったら……停車が間に合わずにこれが突っ込んでいたら……と思うと、戦慄の念を禁じえない。
 さらに脱線車両の後続車が停まったのも、この列車が異常に気付いたおかげだという。事故は起きてしまった。しかしその事故が起きたときの察知能力、対応力というものが、JR西日本はお粗末なのではないだろうか? 事故車両の車掌が事故当時携帯電話で指令室と話をしていたというのだから、「何かあったようだ」と聞いた途端に全線に非常事態を告げて一時列車を停める措置を取るべきだったのではないだろうか? 結局「電車を停めた場合の損失が……」としか考えられなかったのだろう。責められるのはまさにその体質である。

 また、JR西日本ではオーバーラン等何かしら運行に支障をきたす事故を起こした運転手には「日勤教育」というものをやっていたというが……

+++++++++++++++++++++++++++++++++
 スピード化、余裕なし 運転士OBら苦渋
「鉄道の安全神話が崩れてしまった」。百六人の死者を出した尼崎JR脱線事故を、元・鉄道マンたちが無念の思いで見つめている。「運転士の誇り」を胸に働いてきた。しかし、採算が偏重され、ベテランたちは追いやられるように職場を去ったという。委縮して働く若い後輩たちが気がかりだった。「心配していたことが現実になった」と漏らす元運転士たちに聞いた。 (宮沢之祐、松本茂祥)

 JR宝塚線で運転経験がある男性(60)は「スピード化とともに駅での停車が難しくなった」と証言する。かつてはブレーキを早めにかけ、ゆっくり駅に入り、静かに止めた。しかし、電車のブレーキ機能も向上し「今はぽんと一度のブレーキで止める」。その分、作動が少しでも遅れると、オーバーランしてしまう。
 運転士のミスを補うため、車掌がブレーキを引くにしても、もともと入駅速度が速いから、タイミングを計りにくい。「入駅速度が遅かった昔なら車掌が対応できたが、今は難しい」。それでも車掌もオーバーランでの処罰の対象になる。
 ミスをした運転士に課される「日勤教育」を批判するOBは多い。
 ある男性(63)は「所属する組合によって差別された。とくに年配の者は、嫌がらせのような罰則で肩たたきされた」と語る。別の元運転士(55)も顛末書や反省文、「愛社精神とは何か」などのリポートを毎日書いた。期限が分からないから精神的負担が大きい。「見せしめと感じた」という。ともに定年を待たず辞めた。
 ベテランの運転士が減った。民営化後の数年は新規採用をしなかったといい、いよいよ若い運転士の占める割合が増えた。「びくびくしながら運転し、運転士の誇りを持ちにくいのではないか」
 事故を起こした快速を運転していた故高見隆二郎運転士(23)が、事故直前のオーバーランを虚偽報告したことに、皆が同じ感想を漏らした。「それぐらい余裕のない職場になったのだろう」と。
 事故の原因は分からないが、精神的なプレッシャーが悪影響を及ぼしたことは否めない」
 高見運転士の姿を覚えているOBもいた。「詰め所の休憩所で、これから運行する区間の注意点や信号の位置を自分で書いた手帳に見入っていた。まじめな子でしたよ」
 神戸新聞 2005/04/30
++++++++++++++++++++++++++++++++

 いたずらをした小学生ではないのだから、反省文や顛末書(この記事にはないが)草むしりやトイレ掃除はないだろう。運転操作でミスをしたのだから再教育は運転操作の反復練習をさせるのが当然である。自動車の教習所で運転操作が上手くできなくて教習時間オーバーになり「ハンコくれよ!」と泣いた人は多いだろう。仮免試験や卒研に落ちて、泣く泣く追加教習を受けた人もいるだろう。危険なものを運転させるのだから、それが当然なのである。
 まったくJR西日本のはおかしな会社である。被害者の遺族が「弛み」と言っていたが、この体質は「弛み」とは違う。下の者は上の者に黙って従っていればいい。上の者は机上の空論で現場に介入してくるが、それがどんなに不合理なものでも、唯々諾々と受け入れなくてはならない。逆らった者、上手く従えない(ミスをした等上司の思ったとおりに動かなかった)者、は見せしめの罰を受ける。まさにお役所日の丸、官僚体質がこれなのである。まともな人間も、いや、まともであればあるほど強迫観念に取り付かれておかしくなってしまう

 それにしても、JRは駅での停車時間が短すぎる。15秒とか30秒とか、ドアが少ない特急のような車両で乗降客が多いときなど皆あたふた。(水戸はスーパーひたちやフレッシュひたちの停車駅である)そのくせ鈍行は時間調整といって辺鄙な駅で10分近く停まることがある。停車時間をもっと長く取っておけば、乗客も余裕を持って乗り降りできるし、列車側も遅れた場合そこで少し調整することもできるだろう。駅に止まる時間を長くする、簡単なサービスだと思うのだが?


 ところで、この事故の陰に隠れて扱いが小さくなっているが、羽田でもあわや大惨事という事件が起こっていた。

++++++++++++++++++++++++++++++++
 羽田管制ミス 3度『間違いない』と応答

 羽田空港で二十九日夜、管制官の誤指示で閉鎖中のA滑走路に日航機が着陸したトラブルで、日航機二機の操縦士が着陸滑走路を三度確認したのに、レーダー担当二人を含む三人の管制官がいずれも「(A滑走路で)間違いない」「その通り」などと応答していたことが三十日、管制交信の記録で分かった。 
 着陸をやり直した一機には、管制官が閉鎖していることに気付いた後も着陸継続を伝え、管制官の指示が一時混乱していた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は十八人の管制官グループ全員が閉鎖を失念しミスが連鎖したことを重視、情報周知に問題があったとみて詳しく調べる。

 国交省によると、誤指示があったのは二十九日午後九時二十六分から同四十二分ごろの間。最終的な着陸許可を出す管制室の管制官(35)だけでなく、到着機の誘導などを担当するレーダー室の二人の管制官も、帯広発日航1158便と札幌発日航1036便にA滑走路への進入、着陸を指示していた。
 1158便の操縦士は閉鎖滑走路への着陸までに二度、1036便は着陸やり直しまでに一度、滑走路の確認を求めたが、三人の管制官は「間違いない」などと返答。
 1036便については午後九時二十六分ごろ、管制官が返答した。同四十二分ごろ、閉鎖に気付いた管制室の管制官は、着陸やり直しを求める同便に「A滑走路へ進入継続を」と指示。この後「(A滑走路へは)着陸はできない」と矛盾した内容を伝え、操縦士が着陸やり直しを再要求し、管制官が認め再上昇を指示し、別の滑走路への着陸許可を出した。
 十八人の業務前の打ち合わせでは、航空情報の担当官から閉鎖の報告がなく、責任者も確認を失念。管制官の一人は、国交省の事情聴取に「閉鎖は夜勤の時とのイメージが強く、閉鎖が勤務時間帯という意識がなくなっていた」と話した。
 東京新聞 四月三十日
++++++++++++++++++++++++++++++++

 このニュースを聞いたとき、「いくらなんでも何人もの人間が全員忘れていたなどということがあるだろうか? 忘れていたとしても、飛行機から問いかけられたら思い出さないだろうか? これは忘れていたのではなくて知らなかったのではないか?」と思っていたら、事実担当管制官は工事があるということを知らなかったようである。業務の引継ぎ時のミス。こちらこそまさに弛んでいるということである。

拉致だと?

 北朝鮮に帰国(?)した日本人妻のテレビ会見を見て、改めてあの国の異常さが浮き彫りになった気がした。
 朝鮮の民族衣装を着せられ、打ちひしがれた様子で原稿を読んでいるような状態を自然な発言と称するのもおかしいが、唖然とするのはその言葉の内容である。

「私は日本右翼反動にだまされ、拉致され~」……ちょっと待てぃ!
 なぜ日本人が日本人を拉致する必要があるのだ?
 この会見は、日本が新たな拉致被害者を認定した後すぐにテレビで長々と放映されたらしいが、何とも幼稚なやり方である。「拉致」だと言われたから「拉致だ」と言い返す。レベルが低い……「竹島の日」を制定したら「対馬の日」を制定し返した韓国と同レベルである。しかし、こんなことしかできないということが、北朝鮮自ら追い詰められていることを露呈してしまっている。
 そもそもこの人は拉致被害者と違ってはじめから自分の意思で北朝鮮に渡った人である。北朝鮮にいることがわかっている人なので、自分で北朝鮮に住み続けたいならば住めばいいし、日本に帰りたければ帰ってくればいい。それを阻んでいるのは北朝鮮である。北朝鮮が自由な出入国を拒んでいることが問題なのだ。
 
 ここに、ケネディ大統領が1936年6月25日にベルリン(当時は西ベルリンであり、東ドイツの中にある西側の都市ということで、東からの亡命を防ぐための高い壁で囲まれていた)で行った演説の一部を抜粋しておく。

自由は多くの困難を持ちます、そして、民主主義は完璧ではありません、しかし、我々は、彼らが我々のもとを去るのを防ぐために、我々の身内を閉じ込めるために、壁をつける必要はありませんでした

 北朝鮮には目に見える壁はないが、国境警備隊が外ではなく内に向いているのは周知の事実である。


 さて、そんな北朝鮮に対する世界の見方であるが、その一端をうかがわせる一つの決定があった。

++++++++++++++++++++++++++++++++ 
 <サッカー>6月の日朝戦、第三国で観客無し FIFA決定

 国際サッカー連盟(FIFA)は29日、スイスのチューリヒで規律委員会を開き、06年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会アジア最終予選で観客が暴徒化した北朝鮮に対し、次のホーム試合であるB組第5戦、6月8日の北朝鮮―日本戦の開催権を剥奪、平壌ではなく第三国で観客無しによる試合開催を決めた。北朝鮮には罰金2万スイスフラン(約180万円)も科した。
 FIFAから日本サッカー協会に29日深夜、連絡が入った。
 審議対象は北朝鮮が3月25日にバーレーンと、同30日にイランと、いずれも平壌で対戦した2試合。裁定に対し、北朝鮮は3日以内に異議を申し立てることができる。
 代替開催地はFIFAが今後決定するが、マレーシアなど東南アジアが有力視されている。今回は負傷者が出なかったにもかかわらず、FIFAは安全を脅かす混乱を起こした開催国としての責任を重視、日本協会も想定していなかった異例とも言える重い処分を下した。日本がW杯予選を無観客で戦うのは初めて。
 金日成競技場で行われたイラン戦では試合終了間際、北朝鮮選手が相手ゴール前で倒れたプレーをめぐり、審判の判定を不服とする観客が瓶や缶を投げ込み、試合が約10分間中断した。混乱は試合後も続き、イラン選手と審判団が約1時間、競技場に閉じ込められた。【小坂大】

▽日本サッカー協会・川淵三郎会長 予想を超えた厳しい処分だ。観客が騒動を起こし、選手、審判の安全に脅威を及ぼすと、これほどの処分となることを十分に認識しなければならない。朝鮮総連が窓口となって温かく受け入れる努力をしてくれていただけに残念だ。無観客の試合でも選手は普段の力を十分発揮してくれると信じている。      [毎日新聞 4月30日 6時59分]
+++++++++++++++++++++++++++++++++

 無観客試合とか罰金とか開催権剥奪とか、それぞれ個々には過去にもあったような気がするが、三つともいっぺんに科せられたというのは初めてではないだろうか? 世界が北朝鮮の異常さを知りつつあるということだろう。まともな国ではない、と。
 しかしFIFAもまだまだ彼の国の理解が足りないようである。ペナルティを科せられて、朝鮮人がおとなしく反省などするわけがない必ず他人のせいにして自分を正当化しようとするはずだ。

模倣犯

 尼崎の事故は、死者が106人という大惨事になった。ところが……

+++++++++++++++++++++++++++++++++
 大阪、兵庫で置き石相次ぐ 踏切や駅近くで6件

 大阪府内と兵庫県内のJR、私鉄各線で29日、踏切に計6件の置き石が相次ぎ大阪、兵庫両府県警は往来危険の疑いで調べている。
 調べでは、同日午前零時20分ごろ、大阪府寝屋川市香里本通町の京阪電鉄踏切で、普通電車が異常音がしたため緊急停車。線路に石がつぶれた跡(粉砕痕)があった。同11時45分ごろには同府岸和田市の南海本線、午後2時45分ごろには同府高槻市の阪急京都線の線路で、それぞれ粉砕痕を確認。
 また神戸市東灘区の阪神電鉄踏切で午前5時ごろ、粉砕痕が見つかり、約1時間半後に兵庫県宝塚市千種1丁目の阪急電鉄踏切でも見つかった。
 (共同通信) - 4月29日21時24分

 線路に置き石で2人逮捕 阪急神戸線

 兵庫県警灘署などは30日、線路に置き石をしたとして、往来危険の疑いで神戸市灘区天城通、会社員大森浩平容疑者(26)ら2人を逮捕した。
 調べでは、大森容疑者らは4月27日午前1時半ごろ、灘区中原通の阪急電鉄神戸線上り線のレール上に線路の敷石(直径約5センチ、重さ約800グラム)1個を置いた疑い。2人は「線路の敷地には入ったが、石は置いていない」と否認しているという。
 近所の住民が「酔っぱらい2人が線路に石を置いている」と110番。直後に通報と似た男2人が近くのコンビニに入るところが、店の防犯カメラに写っていた。30日未明、この2人が再び同店を訪れ、張り込み中の捜査員が発見した。
(共同通信) - 4月30日10時55分
 +++++++++++++++++++++++++++++++++

 おまえら自分が何をやっているのかわかっているのか!