受けてきた教育を無駄にしないために
気温はそう高くないのだが、湿度が高いな。
今日は簡単に。
共同通信が紅麹サプリの事案で、
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プベルル酸上回る量の物質を検出 紅こうじ、被害主因の特定難航か
(写真、共同通信より。「高速液体クロマトグラフ」方式で行われた紅こうじサプリの分析作業。下が健康被害があったロットのもの)
健康被害が相次ぐ小林製薬の紅こうじサプリメントを巡り、被害のあったロットから、原因と疑われている「プベルル酸」の他に、通常製品にはない化合物がさらに1種類含まれていることが7日、共同通信の依頼による岐阜薬科大の独自分析で分かった。今回の抽出・測定条件では、プベルル酸とみられる物質よりも少なくとも数倍多く検出された。毒性や被害の原因かどうかは不明だ。
厚生労働省もこれまでの分析で原料から未想定の物質を複数検出しているが、量などは明らかにしていない。今回の物質が同一のものかは分からないが、数倍の量が確認されたことから、プベルル酸が被害の主因と断定できないと専門家は指摘。原因特定がさらに難航することも予想される。
共同通信は未開封のサプリを入手。既に実施されている分析と同じ「高速液体クロマトグラフ」により、被害ロットと通常製品を分析にかけた。
プベルル酸の研究論文がある北里大のデータを基に比較したところ、プベルル酸とみられる物質を検出。異なる構造をした別の化合物が含まれていることも分かった。
共同通信 5/7(火) 21:07
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「こんなことが分かったぞ!」と鼻息荒くしている。
なんだかよくわからないなぁ。
「通常製品にはない化合物がさらに1種類含まれている」といわれても、100パセント化学合成ではない、天然成分から作っているものならばロットによって多少は「不純物」量に差は出るものだろう。ちなみにここで書く「不純物」というのは有効成分として分析されているものではないものを言っているもので、「だから有害」というものではないことを諒承してもらいたい。
私は物理屋で化学屋ではないのでよくは知らないのだが、たとえばたんぱく質だけで自然界には100億種近くがあるというから、原材料の中で「含有割合が生育具合で変化する」こともあるだろう。
それが有害物質なのか否かもわからないままに「数倍!」と書くのは、「煽っている」とみられても文句は言えない。
で、そういう方向の報道が出てきたわけだが、「プベルル酸が!」と騒いでいた人たちは、「そんなことありましたっけ。ウフフ」といってあっさり乗り変えたりは……するかもしれないなぁ。
「検出」といえば、
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築地市場跡地から有害物質 健康被害の恐れなし、東京都
東京都は7日、再開発事業者が決まった旧築地市場跡地(中央区)の土壌汚染状況を2023年度に調べた結果、141地点のうち86地点で基準値を超える六価クロム化合物などの有害物質を検出したと発表した。都によると、健康被害の恐れはなく、直ちに汚染を除去する必要はない。担当者は「再開発の工期に影響はない」としている。
他に検出したのは水銀や鉛、ヒ素など。いずれも最大で六価クロム化合物は基準値の5.4倍、鉛とその化合物は14倍、ヒ素とその化合物は11倍だった。工事などで生じた残土は適切に処理するよう>求めるとしている。
大部分の施設は32年度に開業する予定だ。
共同通信 5/7(火) 15:45
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こんなものも出たと共同がいっているわけだが。
おやおや。豊洲の時には(2016/10/03の記事、ほ~ら出てきた)で取り上げた「深井戸から汲んだ水の成分」で大騒ぎしたというのに。
その前には地下のコンクリート床にたまった水が「強アルカリだ!」と問題視。コンクリートに触れているのだからアルカリ性になるのは当たり前なのに「危険危険」と踊りまくり、小池知事も「安全より安心」と便乗。豊洲移転を遅らせて一カ月当たり4億円の「余計な経費」を垂れ流すことになった。
この移転遅れで都心の渋滞を緩和させるため築地跡地を通すはずだった道路の整備がオリンピックの間に合わないことにもなったというのに。
それに比べて今回は……。
「安全より安心」はどこに行ってしまったのだろう。
あの時はその言葉を掲げてひたすら「石原叩き」のための動きばかりがされていたし、蓮舫民進党代表(当時)に至っては「豊洲の土地売却認可には国も関わっているのでは?」とこれを「安倍叩き」の材料にしようとまでしていた。(2016/09/27の記事、「日本には機関紙とゴシップ紙しかメディアはないのか?」参照)
今回の築地への都の対応をみると、「あの騒ぎは何だったのだ」という脱力感に襲われる。
コメント欄も、あの頃は「もう豊洲は終わり」「魚は食えない」というものがずらずら並んでいたというのに、今は「まあ古いところだしな」「場外市場は日本の文化」式のものが並ぶようになっている。
なんなのだろう。党派性で有害無害を決めつけて騒ぐ者たちは。そしてそれを取り上げて騒ぐメディアというのは。
第二次安倍内閣、いや、麻生内閣の頃から、いや、小泉内閣の頃から、我が国はこの手のメディアによって社会が揺さぶられ続けてきた。
そろそろ地に足をつけてあたりを見、物事を考えるべき時だ。
本日の宝。
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水戸の梅、ナショナルコレクション認定 未来に残すべき価値ある植物
(写真、朝日新聞デジタルより。偕楽園に咲く梅=2024年2月19日、水戸市、富永鈴香氏撮影)
水戸市の偕楽園と市植物公園の梅が、未来に残すべき価値ある植物だとして、日本植物園協会から園芸文化遺産「ナショナルコレクション」に認定された。茨城県と市が24日に発表した。県内の植>物が認定されるのは初めて。
同協会は、日本で栽培される貴重な植物を守り後世に伝えることを目的として、2017年にナショナルコレクション認定制度を始めた。今回は「水戸のウメコレクション」として3月1日に認定した。
コレクションに選ばれたのは、両園で栽培されている梅130種(1040本)。偕楽園に多くの梅が植えられているのは、造園した水戸藩主・徳川斉昭が梅好きだったためと伝わる。現在も江戸時代の文献にみられる古典的な品種などを多く保存し、毎年「水戸の梅まつり」を開催して一般に公開しているのが特徴だ。
市植物公園では、認定を記念して5月25日から3カ月間、栽培されている梅の歴史や品種を紹介するパネル展を開催する。(富永鈴香)
朝日新聞デジタル 2024/05/06 10:45
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「ナショナルコレクション」ってなに?
調べてみると、日本植物園協会というところがやっているもので、
日本産の絶滅危惧植物の生息域外保全を目的とした「植物保全拠点園ネットワーク事業」を2006年から開始しました。これに加え、2017年より「野生種、栽培種に関わらず、日本で栽培されている文化財、遺伝資源として貴重な植物を守り後世に伝えていく」ことを目的とした植物コレクションの認定、保全の制度である「ナショナルコレクション認定制度」を開始しました。
認定されたコレクションを永続的に保全し、かつ情報を集約し公開することは我が国の植物・園芸文化の継承と発展にとって有益なこととなります。
(日本植物園協会サイト「ナショナルコレクション」より)
というもののようで。わかりやすくいえば「種の保全運動」というところか。
確かに偕楽園の梅にはずいぶん古いものがある。
この烈公梅など、いったいどれくらいの樹齢になるだろう。
この状態でも花が咲くのだから、植物の生命力は大したものだ。
長く受け継いでいきたいね。