急激な変化はいろいろよろしくない。 | 偕楽園血圧日記

急激な変化はいろいろよろしくない。

 連休2日目もあまり天気が良くない。
 そして、暑いなぁ。なんでこんな急に夏がきたのだろう。
 おかげで具合もあまりよくない……。


(2024/03/20の記事、「わざと」なのか「ただの不勉強」なのか……)で日銀の「マイナス金利解除」のことを取り上げた時、「政策金利上げだー」と騒ぐメディアに対して「日本のメディアはゼロ金利政策とマイナス金利政策の違いがわからないのか?」と苦言を呈したが、

+++++++++++++
 日銀、政策金利を据え置き 決定会合、物価見通しは引き上げ

 日銀は26日の金融政策決定会合で、
政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の0~0.1%程度で据え置くことを決めた。3月に17年ぶりの利上げとなるマイナス金利政策の解除に踏み切ったばかりで、経済への影響を見極める必要があると判断したもようだ。日銀は消費者物価の見通しも示し、2024年度と25年度の上昇率を引き上げた。
 日銀は長期金利が急上昇するリスクに備え、国債購入を続ける方針も維持した。植田和男総裁が午後に記者会見し、決定理由を説明する。
 日銀が決定内容を公表した後、東京外国為替市場では円安が進み、円相場が一時1ドル=156円台に下落した。1990年5月以来、約34年ぶりの円安水準。植田氏は円安が物価に無視できない影響を与えれば追加利上げに踏み切る考えを示しており、会見では最近の円安加速を巡る発言が焦点となる。
 日銀は会合後、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表。24年度の消費者物価上昇率は1月の前回リポートで示した前年度比2.4%から2.8%に上方修正した。
 共同通信 4/26(金) 5:23

+++++++++++++

 中にはちゃんと「日銀が『政策金利』としてみているのはコール短期市場の金利で、当座預金のものではない」ことを知っているところもあったようだ。
 知っていて、「政策金利が上がるぞ!」といっていたわけだ。なんと始末が悪い

 そんなメディアに乗せられて、上記記事で引用したような「アベノミクスがどうたら」とかいう人間がはしゃぎ、政治家までが「(マイナス金利政策解除は)自民党と手先の敗北宣言」などと言っていたのだから、なんというか、頭が悪いというか恥ずかしいというか。
 とりあえず彼らには「脊髄反射しないで、まあ落ち着け」といってやりたいところだ。

 で、日銀は相変わらずの「ゼロ金利政策」を続けているわけで。投機筋が調子づき、

+++++++++++++
 円急落、34年ぶり158円台 日銀の政策維持で NY市場


(写真、時事通信より。1ドル=158円台に急落した円相場を示すモニター=27日午前、東京都中央区)

【ニューヨーク時事】週末26日のニューヨーク外国為替市場では、円相場が1ドル=158円台前半に急落し、1990年5月以来約34年ぶりの安値水準を付けた。
 日銀が政策金利の据え置きを決めたことなどを背景に、円売り・ドル買いの流れが一段と加速。日本の通貨当局による為替介入への警戒感が高まっている。
 午後5時現在は158円32~42銭と、前日同時刻比2円73銭の大幅な円安・ドル高。
 日銀は26日、金融政策の現状維持を決定。植田和男総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、円安について「基調的な物価上昇率に今のところ大きな影響を与えていない」と述べた。市場では利上げが遠のいたとの見方が広がり、円安が一段と進行した。
 さらに、この日発表された3月の米個人消費支出(PCE)物価指数がインフレの根強さを示唆する内容だったことから、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退。日米金利差を意識した円売り・ドル買いが進んだ。 
 時事通信 4/27(土) 5:52

+++++++++++++

 円安が進んでいる。

 世界的な流れとしては、

+++++++++++++
 ドル高「常に問題」 高金利持続に警戒 G20議長国会見

【ワシントン時事】18日開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の終了後、議長国ブラジルのカンポスネト中銀総裁は記者会見し、ドル高の急激な進行に関し「常に問題だ」と述べ、警戒感をあらわにした。
 また、インフレ鈍化の停滞により、高い金利水準が続く可能性にも懸念を表明した。
 カンポスネト氏は、米金利上昇を背景とするドル高で、新興国・低所得国のドル建て債務の負担が増す恐れがあると警告。米国などでの根強いインフレ圧力を背景に、「長期にわたって高金利が続く公算が大きくなる」との見解を示した。 
 時事通信 4/19(金) 7:23

+++++++++++++

 ドル高という方が正しいのだが、いずれにせよこの急激な為替変動は、貿易に絡んでよろしいものではない。
 為替相場というのは安定していれば、推移はそれほど大きな問題ではないのだ。企業もそれに対応する時間が持てるから。
 ただ今は、あまりに変動が激しくてその時間がない。

 そういう話なのに、

+++++++++++++
 玉川徹氏「円安で日本が弱くなった」 GWの海外旅行先の変化や物価高

 元テレビ朝日社員の玉川徹氏(60)が25日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。
 円安と物価高でゴールデンウイークの海外旅行の行き先が様変わりした現象に、「円が安すぎる。150円が適正とは思わない。アベノミクスの結果」とコメントした。
 アベノミクスという政策誘導であえて円安としたことで、企業に対する「忖度(そんたく)」がなされた。玉川氏は「企業を助けたため、研究開発や商品開発ができず、本来ならもっと強い企業が生き残るはずだったが、日本が強くなれずに弱くなった」と持論を展開した。
 コメンテーターで弁護士の結城東輝氏は、「日本経済が弱くなっている。実体経済を成長させていかないと」と問題視した。起業家の石川アンジュ氏も「円安で子供や学生が海外旅行や留学する機会が喪失される」と、国家的損失の危険性も指摘していた。
 日刊スポーツ 4/25(木) 9:47

+++++++++++++

 普段から「日本なんて」といっているような層が「日本の国力が落ちてどうたら」と日本の心配をしてくれているのだから面白い話だ。

 中にはアジアの国々からの観光客を出して「日本円がどうたら」といわせている記事もあったが、そういう記事を書く人間は自分の中に「アジアの国は日本より下なのにぃ!」という意識があることを自白しているだけ。なんという差別思想の持ち主なのだろう。
 そしてお定まりの「円安で物価が上がってー」である。

 岸田総理が、

+++++++++++++
 岸田首相「30年ぶりに経済の明るい兆し」投稿にツッコミ続々 「むしろ地獄」「お先真っ暗」と怒りの声

 岸田文雄首相(66)が27日、自身の公式X(旧ツイッター)を更新。28日投開票の衆院補欠選挙、島根1区で自民党候補の応援を呼び掛けたが、3時間足らずで4000件を超える否定的なコメントが殺>到する大荒れの事態となった。

 岸田首相はこの日、衆院3補選で唯一の与野党対決となった島根1区入り。松江市で街頭演説を行い、「私たちは覚悟を決めて党を変えていかなければならない」と述べた。
 午後6時22分には自身のXを更新し、街頭演説の写真を投稿。「いま日本においては30年ぶりに経済の明るい兆しが出てきました。大企業だけではなく中小企業、そして地方、農林水産業、介護、福祉、建設等様々な分野で幅広く賃上げを広げていかなければならない」とつづった後、自民候補をアピールした。
 物価上昇や歴史的円安、庶民の苦境がまるで見えないかのようなこの投稿に、怒りのリプライが続々。「ズレてるなあ」「30年間も何をしてたんですか?」「明るい兆しところかお先真っ暗」「明るい兆し?どこだ?」「こんなに円安なのに明るいの?」「実質賃金が下がる一方です」「円安で国民の貯金は毎日価値が減っています。どうするんですか?」「明るい兆しは上級国民だけですよね?」「世の中は明るい兆しどころか日に日に地獄なんだが?」など、投稿から3時間足らずで4000件(27日午後9時15分現在)ものコメントが届いている。
 スポニチアネックス 4/27(土) 21:25


 止まらぬ円安『ジンバブ円』? ハイパーインフレで100兆ドル札を発行した通貨になぞらえる声 「政府や日銀は危機感もて」

 26日のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時1ドル=158円台まで下落したことを受けて、X(旧ツイッター)では27日、天文学的なインフレが記録された南アフリカにあるジンバブエの通貨と日本円を重ねた「ジンバブ円」がトレンド入りした。危機感をあおるようなコメントの一方、冷静な意見も相次いだ。
 ジンバブエで流通し、現在は廃止された「ジンバブエ・ドル」は経済政策の失敗により、価値が下落し続け100兆ドル札が発行されたことで知られる。
「ジンバブ円ってのはさすがに冗談ぽいんだけど『年始からの貨幣価値の下落でいうとトルコリラを超えている』ていうの見るとリアリティ増してつらい」「ウチらはジンバブ円とか言ってる人たちを笑って見てりゃあいいけど、政府や日銀は自国通貨がいじられることに危機感もてよな」などの声が上がった。
 一方で、例えが大げさすぎるという見方も。「下落率が2桁足りない」「語感はいいんだけども現状の急激な円安に対する表現ではないよね 日本にハイパーインフレが到来したときにあらためていえ、と」など安易な拡散をいさめる意見も多かった。
 中日スポーツ 4/27(土) 12:08

+++++++++++++

「経済にいい方向の動きが見えてきた」といっただけでこの大騒ぎ。

物価上昇や歴史的円安、庶民の苦境がまるで見えないかのようなこの投稿」に、「むしろ地獄」「お先真っ暗」? 「ジンバブ円」?
 なにを書いているのだろう。これらスポーツ紙は。
 これらの発刊社もまた、春闘で結構な賃上げを決めたことだろうに。

「ハイパーインフレ」だの「物価上昇による庶民の苦境」だのという表現は、

+++++++++++++
 3月のインフレ率287% アルゼンチン

【サンパウロ共同】アルゼンチンの国家統計院は12日、3月のインフレ率が前年同月比287.9%となったと発表した。スペイン通信によると、上昇率は世界で最も高い水準。2月の276.2%から拡大した。
 一方、3月の前月比のインフレ率は11.0%と3カ月連続で縮小した。2月は13.2%だった。
(後略)
 共同通信 4/13(土) 6:03

+++++++++++++

 こういう状況になってから使おう。

+++++++++++++
 都区部の消費者物価上昇、3カ月ぶり2%切る 高校の実質無償化影響

 総務省が26日発表した4月の東京都区部の消費者物価指数(速報値)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞく総合指数(2020年=100)が106.4で、前年同月より1.6%上がった。上げ幅は2カ月続けて鈍り、3カ月ぶりに2%を切った。最大の要因は東京都による高校の実質無償化だが、食品の値上げラッシュが落ちついたことも影響している。
 私立高校の授業料(入学金を含む)は61.7%の下落で、比較できる1971年以降で最大の下げ幅だった。生鮮食品を除く食料は3.2%上がったが、上げ幅は9カ月連続で縮み、22年6月(3.1%)以来の水準だった。
 都区部の指数は全国分に先駆けて発表され、物価の傾向を早くつかむのに利用される。今年3月の全国の生鮮食品をのぞく総合指数は2.6%の上昇で、上げ幅は2カ月ぶりに鈍化したものの、日本銀行が目標に掲げる「2%」以上は24カ月連続で満たしている。(内藤尚志)
 朝日新聞デジタル 4/26(金) 11:16

+++++++++++++

 こんな程度で「苦境苦境」と喚いていては、世界の多くの国、アメリカからですら、呆れられるだけだ。


+++++++++++++
 トランプ氏「シンゾーを通して知っている」…麻生氏とニューヨークで会談


(写真、読売新聞オンラインより。23日、米ニューヨークのトランプタワーで会談前にトランプ氏(左)から出迎えを受ける麻生氏=AP)

【ニューヨーク=岡田遼介、金子靖志】自民党の麻生副総裁は23日夕(日本時間24日朝)、訪問先の米ニューヨークでトランプ前大統領と会談し、日米関係の重要性や中国、北朝鮮情勢などについて意見を交わした。トランプ氏が11月の大統領選で勝利する可能性に備えて個人的な関係構築を図る狙いがある。
 会談はトランプ氏が拠点とするトランプタワーで約1時間行われた。トランプ氏は麻生氏を出迎え、記者団に「親愛なる友人であるシンゾー(安倍元首相)を通して知っている」と紹介。「麻生氏は日本だけでなく世界でも尊敬されている人物だ」と述べ、「我々は互いを知り合わなければいけない。これから日本と米国のことや他の様々なことについて話す」と語った。
 トランプ氏は安倍氏との親密な関係で知られ「(安倍氏は)偉大な人物だった」とも振り返った。麻生氏との会談でトランプ氏は、日本の防衛費増額を歓迎した。
 麻生氏は1月にもニューヨークを訪れ、トランプ氏との面会を調整したが実現しなかった経緯がある。麻生氏は現職のバイデン大統領と個人的な信頼関係を深めている岸田首相に代わり、党の立場から日米の関係を強化したい考えだ。
 読売新聞オンライン 4/24(水) 11:09

+++++++++++++

 麻生元総理が、トランプ前大統領に会いに行った。

 トランプ氏が安倍氏のことを触れてくれたのは、うれしいところだ。
 安倍氏に渡すはずだった「ホワイトハウス・キー」を麻生氏に託したともいうし。本当に気が合っていたのだなぁ。
 安倍氏が亡くなった時、自宅が捜査されているなどのゴタゴタがなければ日本に飛んできてくれたのではないだろうか。

 そのトランプ氏をうまく麻生氏が乗せたのか、

+++++++++++++
 トランプ氏「米国の製造業にとって大惨事」…34年ぶり円安・ドル高水準更新で

【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ前大統領は23日、外国為替市場の円相場で約34年ぶりの円安・ドル高水準を更新したことを受け、「米国の製造業にとって大惨事だ」とSNSに投稿した。トランプ氏は貿易赤字の削減を主張しており、現在のドル高を問題視する姿勢を鮮明にした。
 トランプ氏は投稿で、
ドル高は「愚かな人々には心地よく響くが、彼ら(米製造業)は競争ができず、仕事を失うか、『賢い』国々に工場を建設するかのいずれかを余儀なくされるだろう」と指摘した。
 自身が大統領に在任中は、ドル高を阻止するために「日本と中国、その他の国に制限を設けていた」とも主張した。為替介入などの通貨誘導政策を防いできたとの趣旨とみられ、「制限を破れば、地獄を見ていただろう」とも強調した。
(後略)
 読売新聞オンライン 4/24(水) 11:21

+++++++++++++

「過剰な自国通貨高」に対して危機感を示している。

「通貨の変動に危機感もて」というならば、自民党やトランプ氏などはちゃんとそれを持っている。
 一方でこの「過剰な通貨高」を実現していた政権がかつて我が国にあって、その時の関係者や支持者はその時の経済状況を「今よりまし」とネットで吹聴しまくっている。

 さて、


https://twitter.com/hatoyamayukio/status/1784191372012237154

「景気が悪くして補助金だ」といっているこういう人を支持する人は、どれぐらいいるのかな?


 本日のアート。

+++++++++++++
 ひたすら「も」を描く 自由な発想のアール・ブリュット展 滋賀


(写真、毎日新聞より。ドラえもんの「も」を何百回と繰り返して描いた作品(左)などが並ぶ=大津市瀬田南大萱町の滋賀県立美術館で2024年4月19日午後0時3分、飯塚りりん氏撮影)

 既存の文化芸術にとらわれない自由な発想で創作され「生の芸術」とも訳されるアール・ブリュット。多くの作り手が障害のある人や正規の美術教育を受けていない人だ。その作品群が滋賀県立美術館(大津市瀬田南大萱町)で公開されている。【飯塚りりん】

 テーマは「つくる冒険 日本のアール・ブリュット45人―たとえば、「も」を何百回と書く。」。同美術館では昨夏に日本財団から寄贈を受け、所蔵するアール・ブリュット作品が817件(寄託品含む)となり世界有数、国内公立美術館では最多になった。
 寄贈品はアール・ブリュットが日本で広まるきっかけとなった「アール・ブリュット・ジャポネ展」(2010年、パリ)で展示された貴重な作品群。今回は約450点を初公開した。

 一番の注目は、ひたすら文字や絵を繰り返す「繰り返しのたび」。青い服を着た「お母さん」を繰り返し描いた作品では、段々と人物のサイズが大きくなり、紙の余白を埋め尽くしていく。平仮名の「も」を青いペンでひたすら繰り返す作品は「ドラえもん」の「も」だといい、同展示会のタイトルにもなった。同美術館の山田創学芸員は「自閉症の一つの特徴ともされる繰り返しは、窮屈さやストレスを与えるが、やすらぎを感じる行為でもある。繰り返しの持つ意味を感じてほしい」と解説する。

「色と形をおいかけて」ではクラゲやユニホームの形を無数に反復した作品など独特な色や形をちりばめた作品が並ぶ。甲賀市の福祉施設「信楽青年寮」で制作した伊藤喜彦さんの粘土作品は目玉状の突起物が特徴で、モチーフの多くは鬼だという。
 最終章の「心の最果てへ」では、過去の記憶や経験を掘り起こして描いた作品など心の動きに着目した。作り手の中には精神科病院に入院し、閉鎖的な環境の中で制作した人も多いという。

 山田学芸員は「一人一人につくりたいという願望やつくらなければならないという強迫性があった。作り手のつくることへのエネルギーを感じてほしい」と見どころを語る。
 6月23日まで。一般950円、高大生600円、小中生400円。午前9時半~午後5時(入場は午後4時半まで)。月曜休館(祝日開館、翌火曜休館)。問い合わせは同館(077・543・2111)。
 毎日新聞 4/27(土) 9:00

+++++++++++++

「ひたすら『も』を描く」。それってつまり「ぬ」のハンカ……。
 そういえばあの作品も「つくりたいという願望やつくらなければならないという強迫性」の感じられるものだったな。

 うん。アートというのが狂気と紙一重だというのがよくわかる。
 複製やネット映像ではない「本物」の作品をみると疲れてしまうのは、そういうエネルギーが満ちているからなのだろうな。