「私刑」をしたがるやつらにつられてはいけない! | 偕楽園血圧日記

「私刑」をしたがるやつらにつられてはいけない!

 NHKが昼間のニュースの後に続けていた能登地方の情報を流さず、以前からやっていた通常編成の番組を流すようになっていた。
 BSの石川県向け放送も地上波と同じ構成になっていたし。
 穴水町の断水解消のニュースもあったし。給水情報などが必要なくなったというのならいいのだがなぁ。


 さて……いやはやなんとも。

「彼ら的には自民が苦しいと思っている時」になにか別の事件が報じられると「疑惑隠しだ!」と騒ぐ陰謀論者というのは一定数いるものだが、

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 大谷結婚で「一番喜んでいるのは自民党」成田悠輔氏がニヤリ 政倫審ニュースぶっ飛んだ

 経済学者の成田悠輔氏が1日、フジテレビ系「めざまし8」で、ドジャースの大谷翔平投手の結婚について、このニュースを一番喜んでいるのは「自民党」とニヤリと笑った。
 この日は冒頭から大谷結婚を大特集。フジテレビの風間晋解説委員は、大谷が発表したときはNHKを見ていたといい「速報が出てきて何かと思ったら、大谷君が結婚と」と驚き「これで政倫審のニュースは飛んだなと思った」と笑った。
 成田氏は米国の注目度について「野球ファンの間ではすごい注目されています」といい「ただ、野球自体がちょっとマイナースポーツという部分もあるので、少し日米で温度差はあるのかなと」とも加えた。
 さらに「風間さんが仰る通り、一番喜んでいるのは自民党の人たち」と笑い「これさえなければ今日は政倫審でひたすら自民党の人をあぶりまくる…」とコメントしていた。
 デイリースポーツ 3/1(金) 9:12

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 テレビで堂々とそれを述べてしまう「学者」がいるとは。

 馬鹿らしい。
これで政倫審のニュースは飛んだなと思った」もなにも、ニュースの扱いを決めているのは彼自身が出演している番組を作っているテレビ局ではないか。「飛んだ」というのならばそれはテレビ局がやっていることで、文句があるなら番組のスタッフにでもいえばいい。

 こんなくだらない陰謀論になど引っかかるのも愚かしいのだが……メディアが繰り返す、

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「裏金」づくり解明進まず 安倍派4人、新証言乏しく 政倫審

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、安倍派幹部だった塩谷立元総務会長ら4人が1日、衆院政治倫理審査会で弁明した。
 パーティー収入の還流(キックバック)が始まった時期や、2022年に決まった廃止方針が撤回された経緯に注目が集まったものの、新たな証言は乏しく、実態解明は進まなかった。
(後略)
 時事通信 3/2(土) 7:08


【社説】遠い裏金解明 政倫審だけでは不十分だ

 公開か非公開かですったもんだした挙げ句、全面公開で開催されたものの、裏金の全容は明らかにならなかった。
 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件について、衆院政治倫理審査会がきのうまでの2日間開かれ、党総裁の岸田文雄首相、安倍派と二階派の幹部5人が出席して弁明した。
 語ったことは既に判明している内容がほとんどだった。これでは国民の疑問や不信は解消せず、説明責任を果たしたことにならない。国会は引き続き実態解明に努めなくてはならない。
(中略)
 裏金の全容がつまびらかにならないと、的確な再発防止策は打ち出せない。国会は参考人招致や証人喚問を検討すべきだ。
 西日本新聞 3/2(土) 9:02


 玉川徹氏「どう、うそをつこうとしているか。テレビは見える」政倫審公開での注目ポイント解説

 元テレビ朝日社員の玉川徹氏は29日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて29日と3月1日に行われる衆院政治倫理審査会が、紆余(うよ)曲折を経て全面公開となったことをめぐり、注目すべきポイントについて解説した。
「文字に起こした時に、おっと思うようなことが出てくるかといったら、そんな期待はできない。偽証もないんで」と、政倫審で新たな事実や証言が出てくることには、懐疑的な見方を示した。
 一方で「(そういう中で)我々国民は、何を見るか。どういうふうにごまかしているか、どういうふうにうそをつこうとしているか、テレビだったら見えちゃう。本当はこういうふうなことがあるのにごまかしているな、というのが見えちゃうんです。多分、政治家の方々がオープンにしたがらないのはそこなんだろうと思います」と分析。「具体的な言葉として何かが出てくるかということより、この人はうそをついているのか、本当のことをいっているのかということを、映像で見てくださいということです」と、カメラ目線で視聴者に訴えかけるようにコメントした。
(後略)
 日刊スポーツ 2/29(木) 12:47


「時間のむだ」岸田首相出席政倫審を野党酷評、新事実ない「捨て身作戦」国民の怒り増やしただけ

 岸田文雄首相は2月29日、国会内で衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐり「国民の疑念を招き政治不信を引き起こしている」として、自民党総裁として謝罪した。
 首相として初の政倫審出席だったが、裏金問題の進展につながる発言はなく、野党に「時間の無駄」(立憲民主党の泉健太代表)と酷評される始末。国民のストレスや怒りを増やしただけの機会に終わった。
(中略)
 安倍派でキックバックが始まった経緯や指示した人物、岸田派の収支不記載についての質問も出たが「確認できていない」など、詳細への言及はなかった。
(中略)
 審査会が行われる国会内の委員会室には、くしくも安倍派会長を務めた安倍晋三元首相の肖像画が飾られていた。安倍氏の肖像画の前で安倍派幹部は何を語るのか。内容次第では今後、参考人招致や証人喚問を求める声がさらに強まる可能性もある。「捨て身の作戦」が功を奏しなかった場合、岸田首相もさらに窮地に追い込まれることになる。【中山知子】
 日刊スポーツ 2/29(木) 20:13

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 こんな報道に頭を沸騰させられてヒステリックに「裏金裏金」と叫ぶ人がいるのを見ていると、それも危うい。

 政倫審という「犯人捜し遊び」のおかげで、すっかり本質から外れたところで騒がれるようになってしまった
 何度も書いているように、キックバックは別に犯罪行為ではないし悪いことでもないのだから、そんなところをいくら突っ込んでも意味はない。そんなところで「真相!」と叫ぶなど頭の悪い探偵のやることである。
 彼らとしてはここで安倍氏側近が「私(もしくは安倍氏)が指示をして裏金を作らせ、私腹を肥やしました」と「自白」するのが「真相解明」になるのだろうが、馬鹿らしい。

 そんなことで、子供の頃憧れていたアンヌ隊員までが、


https://twitter.com/ANNEinfinity/status/1763953676828459268

 こんな「汚い言葉」を吐いてしまうのだから哀しすぎる。

 挙句に、

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 橋下徹さん「脱税」と断罪 自民党議員逮捕に「不記載の罪だけではない」と断言「追徴課税が必要」

 元大阪府知事、元大阪市長で弁護士の橋下徹さんが7日、自身のX(旧ツイッター)を更新。自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で池田佳隆衆院議員を逮捕したことについて「脱税」と断罪し、「追徴課税が必要」とつづった。
 政治資金収支報告書に約4800万円の虚偽記載をした疑いで、池田容疑者と、会計責任者で政策秘書が逮捕された。橋下さんは事件を報じた記事を添付し、「単なる政治資金規正法違反、不記載の罪だけではない。巨額な裏金を手にした脱税の罪だ」と断言。そのうえで「追徴課税が必要」と説いた。橋下さんは昨年末のポストでも「追徴課税は絶対にやって欲しい」と記していた。
 中日スポーツ 1/8(月) 6:00

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 こんな(2020/12/23の記事、その場その場で言うことが変わる人間なんて……)で書いた「媒体によっていうことを変える煽り屋」に乗せられて、

「『納税は個人の自由だろ!』燃え盛る『#確定申告ボイコット』の声 税務署ではクレーム続出 涙目で『なぜ生活が苦しい私たちから…』という女性も」(NEWSポストセブン 2/27(火) 17:05配信)

 こんな「トラッシュ雑誌の書くさまが「世間」だと思ってしまうと、痛い目を見るのは自分なのだから気をつけないと。
 ちなみに「涙目で『なぜ生活が苦しい私たちから…』という」ほどの人ならば、収入のほとんどが控除の範囲内に収まると思うので、確定申告すれば源泉徴収などで先行して納めていた分が返ってくるはずだ。

 今「脱税!」と頭を沸騰させているような人間はもう忘れているだろうが、岸田内閣では、

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 神田財務副大臣、税金の滞納認める…「13年以降に計4回でいずれも固定資産税」

 税金の滞納疑惑が浮上している自民党の神田憲次財務副大臣(60)(衆院愛知5区)は9日午前、参院財政金融委員会に出席し、「私が代表取締役となっている会社が保有する土地及び建物について税金の滞納により市税事務所から差し押さえを受けたことは事実だ。深く反省している」と述べ、滞納の事実を認めた。滞納は2013年以降、計4回でいずれも固定資産税だったとも明らかにした。
(後略)
 読売新聞オンライン
2023/11/9(木) 11:36
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 副大臣が就任前の時代に「税金滞納で差し押さえを受けた」経歴があったことが明らかになったことがある。

 この時も「キシダガー」勢力は「道義的になんたらー」と騒いだが、そういうところを離れてみれば、これは「議員でも税金払わないと執行される」ということを示しているわけで。決して今騒がれているような「議員は脱税し放題」を国税が許しているわけではないことが分かる。
 だいたいこうやって煽っている人間や法人はきっちり納税しているのだから、二枚舌にもほどがある。

 何度も書いているように、今回問題にすべきは「収支報告書不実記載」。そして「書いていなかったものは何に使ったか」。

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 長嶋一茂「我々が納税しなかったら逮捕されちゃう」自民党安倍派、二階派の不記載議員の調査

 タレント長嶋一茂(58)が2日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。自民党安倍派と二階派でキックバックを受けていた議員に、自民党幹部が聞き取り調査を行うという件に、「真実の解明はなされないだろうと思います。我々が納税しなかったら、逮捕されちゃう。所得税をちゃんと払わないといけないんじゃないか。納税者をバカにしていると思います」と怒りをあらわにした。
 献金する企業側についても、「キャバクラ行きましたとか、SMバーに行きましたと使い道が明らかになるなら、企業側も襟を正すだろう。献金する側も渡しちゃった方が勝ちで、後からお願いする風習がある。贈収賄にならない仕組みを『企業献金』という形とで作っている」と切り込んだ。
 東京地検特捜部の家宅捜索などを受けたが、「結果的にはトカゲのしっぽ切り。我々は納税していないとここ(テレビ朝日の番組)に出られないから」とまくしたてていた。
 日刊スポーツ 2/2(金) 10:25

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「キャバクラ」? ああ。それはもうやられている。

(2009/10/01の記事、憲政史上に名を残す?)で引用した記事にあるように、当時の民主党の5議員の7団体がその支出を行っている。
 そしてその時に「大騒ぎ」にならなかったのを見ていたのか、(2009/10/17の記事、筋を通して道理を引っ張り出す)では自民党議員が「私も付け回していた」と白状している。
「SMバー」もまた、(2014/10/25の記事、「責任」は常に自分以外にあるという身勝手に釣られる日本人はいないはずだ)で宮沢経産相(当時)のスタッフが自分の支出を政治資金に付け回していたということが明るみに出、弁済することになっている。

(2010/06/13の記事、「永田町の常識なんだ」)では菅直人内閣の閣僚が政治資金でマンガ本やキャミソールを買っていたこともニュースになっているが、今回そのような「私的流用の証拠」というものが一つも具体的になっていない段階で「脱税脱税」と騒いでいるのはまったくおかしい。

 NHKの調査では、この還流金の多くは、

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 パーティー収入の一部を収支報告書に記載しないことで裏金化された資金は、いったい何に使われているのか。
 事務所費の不足分やパーティー券の販売ノルマを達成できなかった分の穴埋めなど、永田町関係者から、さまざまなケースの証言が出る中、自民党で議員活動への支援や選挙対策に携わっていた関係者が、NHKの取材に応じ、実態を明かしました。
 この関係者は「政治には金がかかるというが、どこにかかるかというと、大きくは選挙と議員を支える秘書をどれだけ多く雇っていくかにかかっている」と話しました。
 このうち、秘書については、「公設秘書以外は、私設秘書として雇わなければならない。支援組織がある党は、そこから送り込むことができるが、自民党は昔から、よく『自分党』と言われるように、組織があるようでないので、お金も人も、自分で集めてこないといけない」と話しました。
 さらに、こうした事情は選挙でも同じだとしたうえで、「選挙で宣伝車を走らせる場合、ドライバーとウグイス嬢を雇用しなければならないが、いずれも適性のある人がそ れほど多くないため、争奪戦になり甘くはない。さらに、永田町では、陣中見舞いということばを使うが、自分の子分となる選挙区内の地方議員に金を配るので、それも相当な額になる。裏金がなければ、じゃあ、その金はどこから捻出するのかという形になる」と証言しました。

 NHK NEWSWEB
2023年12月17日 18時56分配信「 政治資金問題 安倍派の所属議員秘書が新たな説明」より
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 こんなことに使われたという証言もある。
 いわゆる「私服肥やし」どころか「政治資金の綱渡り」状態だというのだ。

 政倫審で松野前官房長官も「金庫にそのまま入れていて翌年使った」とこれに類することを証言している。逆にこれに課税するとなると「ならばこれは政治資金ではなく私の所得だ」と残りを堂々と懐に入れられ、自由に使わてしまうことになるのだが、わかっているのだろうか、騒いでいる人間たちは?
「税金払え!」という短絡的な活動は、実は政治家の私服肥やしのエクスキューズになるのだ。
 ならば議論すべきは選挙費用などについて。体調崩したりして書けていない柿沢前副大臣の「陣中見舞い」等にもかかわる「政界の常識」のことである。

 いいかげんに「選挙は無償ポランティアが」という思想を脱却しても「きちんと雇ってきちんと払ってきちんと申告させる」を定着させないと。
 それをやらないから本物の「法師が報酬」といっているような宗教団体に付け込まれるのだし。

 国民を馬鹿にしているのは、刺激的な単語で国民の頭を沸騰させ、その陰で野党の「政治とカネ」を隠蔽して権力闘争させているメディアだ!
 今の騒ぎは決して「妬み、僻み、嫉み」の3みを煽られてからのルサンチマン晴らしで終わらせていい話ではない。


 本日の街歩き。

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 幕末の仙台城下を現代地図に反映 仙台のデザイナーが2年がかりで完成「絵図片手にまち歩き楽しんで」


(写真、河北新報より。幕末仙臺城下絵図を手にする厚綿さん)

 仙台市泉区のグラフィックデザイナー厚綿広至さん(55)が、江戸時代末期の仙台城下町の情報を現代の地図に重ね合わせた「幕末仙臺(せんだい)城下絵図」を2年がかりで完成させた。武士が闊歩(かっぽ)した時代の仙台城や武家屋敷などの位置を正確に表示。「絵図を片手に仙台のまち歩きを楽しんでほしい」と呼びかける。

 絵図は縦、横ともに2メートル23センチの大作。1859(安政6)年ごろの仙台の町並みで、武家の当主名と敷地の区割り、町屋の場所などを記載。JRや地下鉄の駅、道路も薄青や薄紫の背景色で示し、仙台駅や東二番丁通に住んでいた武士の名前も確認できる。
 土地利用の変遷もうかがえる。仙台藩筆頭奉行で奥羽越列藩同盟を主導した但木土佐の屋敷跡は片平丁小。但木と藩の中心的役割を担った奉行で、坂総合病院(塩釜市)初代院長の父でもある坂英力の敷地は宮城県美術館の西隣で、今はコンビニが営業する。
(中略)
 厚綿さんは2018年、幕末に藩命で作られ、仙台空襲で焼失したとみられる「安政補正改革仙府絵図」を現代版として復活させた。元の絵図は旧式の測量技術に基づき作製されたため、実際とずれが生じていたことから修正を思い立った。
 作業は21年11月にスタート。正確な所在地が判明している養賢堂や大手門などを起点に補正を進め、不明な地点は法務局にある公図との照合や現地調査で特定した。
 往時を思い浮かべやすいように武家屋敷のシルエットや植栽も表現し、23年10月に完成にこぎ着けた。厚綿さんは「幕末の風景は失われてしまったが、大通りになった場所もかつては誰かの家や寺だったのだと想像する一助になれば」と話す。
 電子データを1日から1500円で販売する。連絡先は ijn1208@circus.ocn.ne.jp
 河北新報 2/29(木) 17:40

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 仙台も空襲を受けたというから、ずいぶん町割りも変わっているのだろうな。
「絵図を片手に仙台のまち歩きを楽しんでほしい」か。しかし「縦、横ともに2メートル23センチ」のものを「片手に持つ」のは無理だよ。
 電子版はやたらと高いし。

 わが水戸でも、こういう形で江戸時代の地図を現代のものと重ねた形のものを偕楽園の土産物屋などで200円で売っているが、これもまたA1ぐらいあって「持ち歩く」には大きすぎる。
 各地のパンフレットなどもそうだが、観光客は身軽でいたいというところをもっと考えてもらわないとなぁ。

 現代の地図の重ね合わせはないが古地図だけでいいというのならば、水戸市立図書館のデジタルアーカイブで江戸時代の水戸城下の地図を見ることができます。
 茨城大学がこの古地図にあわせた(「水戸の城下町MAP」で歴史さんぽ ~オンラインでぶらりまち歩き~)というものを公開しているので、梅まつりで来られた方はちょっと街歩きを楽しまれるのもいいですぞ。