なるほど都会は便利だよね | 偕楽園血圧日記

なるほど都会は便利だよね

 朝は快晴だったのに、夕には雲がどんより。そして寒い。
 水戸で初雪だって?


 夜中に胸が痛んで目が覚めた時、NHKの地震情報を流している。
 しばらく前から能登空港の様子が映されていて「ああ、すごい雪だな」と。それが一昨日あたりから誘導路の雪が掻かれてガイドランプがつくようになっている。
 昨日は夜中に多数の車が滑走路に出ていく様子も。
 地震の被害は少しずつ克服されているようだ。
 そして、この寒い夜中にも働いている保守員の人たちには頭が下がる。せめて温かいものを食べていただきたい。

 世の中には、

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「行政が炊き出し食うな」心無いネット投稿に批判殺到 石川・七尾市長の投稿にエール相次ぐ一方で…

 1日の大地震で甚大な被害を受けた七尾市・茶谷義隆市長のX(旧ツイッター)投稿に心無い声が上がっており、ネット上で批判が殺到している。

 七尾市は能登半島中央部に位置。地震で5人の死者が出たほか、余震や大規模な断水の影響で住民は長期の避難生活を余儀なくされている。
 茶谷市長は10日、「七尾市職員に炊き出しの差し入れ200食分をいただきました。温かい食事を食べることができ、感謝いたします」とプラスチックのお椀に入った食事の画像をアップし、謝意を投稿した。
「市長も被災していると思いますが、がんばってください」「職員の方も被災者」「職員の方が温かい食事が取れて良かったです。最前線で動いている方がちゃんと食事や休憩が取れていますように」というエールが多く書きこまれた。

 一方で「まだ、満足のいく支援がない人、大勢いますよね?」「どんな理由があって行政が炊き出し食ってんだよ。その分避難所の人らにおかわりさせろや」という投稿も。
(後略)
 スポニチアネックス 1/11(木) 15:47

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 こんな頓珍漢ないちゃもんをつける人間もいる。

 いったいこういうことをいう人間の中での「公務員」というのは、どういう存在なのだろう?
「なにがあっても黙々と働くロボット」?
 いや、きっと「なんでもいいから不満をぶつけてうっ憤を晴らす対象」程度のものなのだろうな。救急車の乗員がコンビニで飲み物を買ったり、役所の人間が「透明ではない飲み物を飲んでいるから」とクレーム入れてはしゃいでいるような。

 そういう者が「なれの果て」になると、ただ脊髄反射で政権叩きをするようになり、

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 仮設住宅として即入居できる住宅2万3700戸確保、岸田首相が明らかに…避難所には2万人以上

 能登半島地震の被災地で12日、仮設住宅の建設工事が始まった。同日は石川県の輪島、珠洲(すず)両市の4か所で計115戸分が着工した。県内では2万人以上が避難所で生活している。
 また、岸田首相は12日、首相官邸で開いた非常災害対策本部会議で、応急的な住宅として即入居可能な公営や公務員、民間賃貸の住宅を計約2万3700戸確保したと明らかにした。内訳は、石川県で公営・公務員約300戸、民間賃貸約5500戸、新潟、富山、福井の3県で公営・公務員計約900戸、民間賃貸約1万7000戸となっている。
 読売新聞オンライン 1/12(金) 20:11

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 こういう話にただ「見出しだけ」で反応し、


https://twitter.com/bwkZhVxTlWNLSxd/status/1745773637238661545

 こんな恥ずかしい姿をさらすことになってしまうから、気をつけないと。


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 能登半島地震、初の仮設住宅着工 115戸、避難2万4千人超


(写真、共同通信より。仮設住宅が建設される石川県珠洲市立正院小で行われた測量作業=12日午前)

 能登半島地震で被害が激しかった石川県輪島市と珠洲市で県が12日、仮設住宅計115戸の工事を始めた。発生から12日目で初の着工。1カ月後をめどに完成を急ぐ。道路の寸断で約2500人が孤立状態にある厳しい状況が続くが、自宅が被災した住民の生活再建に向けた動きが始動した。
(中略)
 輪島市役所では仮設住宅の入居申し込みが始まり、市民が集まった。畠中久美子さん(63)は「仮設住宅で落ち着いた生活ができれば、余裕も出てくる。志を捨てないようにしたい」と話した。
 仮設住宅は、災害救助法に基づき被災者が住宅を確保するまで自治体が無償提供し、原則2年入居できる。能登、穴水両町でも計60戸の建設を15日にも始める予定だ。
 12日は輪島市の農村ふれあい広場など4カ所で着工。プレハブや木造の平屋建てで、単身やファミリー向けなど複数の間取りを用意する。
 共同通信 1/12(金) 10:46

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 石川県で、仮設住宅の設置が始まっている。

 が、

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 仮設住宅を津波浸水域に建設予定 石川県「土地がない」

 能登半島地震の被災者向けに用意する「建設型応急仮設住宅」について、石川県が同県輪島、珠洲両市のハザードマップで津波浸水域とされる場所に建設を予定していることが明らかになった。浸水域にある予定地は全4カ所のうち3カ所。県は「両市とリスクについて相談をしている」とし、12日に着工する方針を示している。
 応急仮設住宅の予定地のうち津波浸水域に含まれるのは、輪島市のキリコ会館多目的広場、珠洲市のみさき小学校グラウンドと正院小学校グラウンドの計3カ所。いずれも海沿いで、着工予定の115>戸のうち85戸を占める。
 県の鈴見裕司土木部長は11日、記者団の取材に対し、「津波浸水域を避けるとなると、実際に土地がない」と説明。「両市とリスクについて重々相談をしており、建てるのであれば警戒・避難の体制を充実させるなどの対策を講じる」と述べた。
 一方、馳浩知事は11日夕の時点で、津波浸水域に建設するリスクについて記者団から問われ、「今回も珠洲のあたりは津波が数分で押し寄せことがわかっている。それは避けるべきで、調整をする可能性がある」と述べていた。(土井良典)
 朝日新聞デジタル 1/12(金) 8:00

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 以前「土地があるだろうか?」と危惧した通りのことが起きているという。

 関東に住んでいると「『市』なんだから100軒ぐらい建てる土地ぐらいあるだろう」と思ってしまいそうになるが、これがすなわち今回の地震の被害復旧の難しさをそのまま教えてくれている。
 それだけ地勢が「厳しい」のだ。

 そして、そういう土地で被害が出たからと、今、

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 米山隆一氏、維持困難な能登の被災地「復興より移住」論に賛否 「今じゃない」「必要」

 能登半島地震を巡り、立憲民主党の米山隆一衆院議員=新潟5区=が11日、X(旧ツイッター)で、甚大な被害を受けて維持が困難な集落に関しては、復興・復旧よりも住民の集団移住を検討するよう訴えた。「維持が困難だった集落で地震で甚大な被害を受けたところは、多額のお金で復興して、結果被災者が年老いた数十年後に廃村になるより、被災者も若いうちに移住を考慮すべき」と指摘した。米山氏の提起も引き金となり、Xでは「強制移住」がトレンド入りし、賛否両論がわき起こっている。

 米山氏は8日、「非常に言いづらいことですが」と前置きした上で、「地震前から維持が困難になっていた集落では、復興ではなく移住を選択することを組織的に行うべきだ。現在の日本の人口動態で、その全てを旧に復することはできません」と投稿した。
(中略)
 米山氏は9日、「人の少ない集落での暮らしは実は高齢者には厳しく、一度街場(市街地)に住むともう戻れない。そこに暮らす人のことを思えばこそ、移住は選択肢だ」と説明した。
(後略)
 産経新聞 1/11(木) 19:36

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 この人をはじめ、

「能登半島地震であえて問う、20年後に消滅する地域に多額の税金を投入すべきか」(山本一郎 JBpress 1/12(金) 11:16配信)
「能登半島地震が発生したいまこそ見直すべき このままでは過剰なインフラを維持できない」(香原斗志 デイリー新潮 1/11(木) 6:09配信) 


 雑誌ライターが「地方を見捨てろ」と大はしゃぎしている。

 ああ、「たかが数10件のために洪水被害防止のための公共事業なんかできない。そのぶん削って子育て世帯にばら撒け」といった前明石市長の同類がいる。
 さすが米山氏は(2010/01/17の記事、腐った組織が幅をきかす)で書いた「堤防やダムは無駄。被害が出たら補償しとればいい」といった民主党政権の流れをくむ人間だ。

「東京でぬくぬく」しながら「公共事業悪玉論」をぶっているような人間には、地方の住むことの厳しさと意義は理解できない。そして、「そこに住む人がいる」ことが国土の維持にどれほど貢献するかが理解できない。
 こういう人は平気で「離島」など見捨てて、そこが他国に占領されても「痛くもかゆくもない」というのだろう。「竹島なんか韓国にあげてしまえばいい」といったどこかの政党の代表のように。

 東京あたりの人間はたまに「田舎」に足を運んで「田舎の風景は癒されるなぁ」のようなことを言う。そこに住んでいる人のことなど頭になく。
 そしてなにかあると「そんな田舎など」。
 ふざけた話だ。


 冒頭上げた能登空港では、夜を徹して維持のために働く人がいる。
 道がないからと山の中を支援物資背負って歩く自衛官がいる。

「地方なんか見捨てても」という人間に、彼らの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。


 おまけ。

 政府が、

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 被災者の相談ダイヤル開設 石川県在住者向け、総務省

 総務省は11日、能登半島地震で被災した石川県在住者を対象に、政府や自治体の生活支援策について無料で電話相談できる専用ダイヤルを12日から開設すると発表した。(0120)776110で、午前8>時半から午後5時15分まで受け付ける。当面は土曜、日曜、祝日も対応する。
「困っているが、どこに相談すれば良いか分からない」「どんな支援があるか知りたい」などの声に対応する。石川行政評価事務所の職員らが応じ、その場で答えられない場合は、関係機関に確認した上で回答する。
 石川県在住者以外は、全国共通の電話番号(0570)090110で相談できる。通話料はかかる。
 共同通信 1/11(木) 17:17

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 こういうことを始めている。

 いわゆる「孤立集落」は、どれぐらい電話は通じているだろうか?
 NHKでそういう「孤立集落」の人が動画を撮ってネットに挙げている姿を取材していたが、それができるのならば電話もかけられると思うが。

 石川県内のみフリーダイアルで、「石川県在住者以外は、全国共通の電話番号(0570)090110で相談できる。通話料はかかる」というのは、県外避難者には不便だろうが「いたずら」を防ぐにはいいだろうな。
 こんな時に「クマを殺すな!」系の人間にわらわら湧かれても困るから。


 本日の展示。

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 美麗イラストをフィギュア化、南国市の海洋堂施設で作品展を開催中


(写真、朝日新聞デジタルより。作品展「スティーブン・チョイ&かたやまひろしの世界〜(描+造)×彩〜」の会場に並ぶフィギュアとイラスト=2024年1月4日、高知県南国市大埇甲、鈴木芳美氏撮影)

 香港在住でアジアで活躍するイラストレーターのスティーブン・チョイさんと、島根県在住のフィギュア造形作家かたやまひろしさんの作品展が、高知県南国市の海洋堂スペースファクトリーなんこく3階で1月28日まで開かれている。
 スティーブンさんの代表的なイラストシリーズ「Zu&Pi(ズー・アンド・パイ)」は、時間がゆっくり流れる星に住む主人公のパイが宇宙を旅する物語。そのイラストや世界観をかたやまさんがフィギュアで立体化してきた。
 会場にはイラストパネル16点や、今回の作品展に向けて制作したフィギュア8点などが展示されている。共作して5年になるが2人の作品展は初めてという。
 企画展の入場料は大人500円、小中学生200円、未就学児無料。火曜定休。問い合わせは海洋堂高知(088・864・6777)。(鈴木芳美)
 朝日新聞デジタル 2024/01/12 10:30

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時間がゆっくり流れる星」というのは、相対論的な意味でのことだろうか。それとも単に「化学反応がゆっくり」だというのだろうか。
 前者ならば空間の歪みが激しい可能性もあるので、住んでいる生物は重力的に強靭だろうなぁ。

 物理的視点はこの際置いといて……不思議な「ぽわぽわ感」のある「宇宙」だ。楽しい。
 海洋堂はこういうことを地方でやってくれる。大阪人だから「東京なんて」という気持ちもあるのだろう。

 その海洋堂の最大の功績は、「アニメフィギュア」を「狭いマニアの世界」から解放してくれたこと。
 今回のような「文芸的なもの」ならばともかく、一昔前ならばアニメの「そんなもの」がニュースになることなどなかった。
 ワンフェスも地方でやってくれないかなぁ。
 版権調整が難しいのだろうか。