隣の芝生が確かに青い | 偕楽園血圧日記

隣の芝生が確かに青い

 昨晩の雷雨はなかなかうるさかったな(笑)。
 県庁の近くに落雷があったようだが、あの辺り夜中は人もいないし。損害は出ていないだろう。


 さて、福島第一原子力発電所の事故処理水放出。まだ始まってもいない頃からNHKでは「すでに仲買から買い取りを断られた」という漁師の声を流したりしていたが、いざ蓋を開けてみれば、

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 処理水放出開始から一夜明けた漁港で競り 浜値は上々


(写真、朝日新聞デジタルより。東京電力福島第一原発の処理水放出開始から一夜明けた漁港の競り。次々に高値がつけられていた=2023年8月25日、福島県いわき市平沼ノ内、西堀岳路氏撮影)

 東京電力福島第一原発の処理水の放出開始から一夜明けた25日朝、いわき市の漁港では、いつも通り水揚げと競りがあった。漁獲は少なかったが質が 高く、この時期としては上々の値がついた。関係者は「とりあえず風評の影響はなく、いわきの魚を正当に評価してもらえた」と喜んだ。

 同市の沼ノ内漁港では午前7時ごろ、続々と水揚げが始まった。今の時期は刺し網漁や一本釣りでヒラメやカレイ、スズキなどの活魚が中心。海水を張った箱に収められ市場に並んだ。
 刺し網漁師の男性(65)は「潮の具合で急に冷たい海水が入ったせいか、今日はぜんぜんとれなかった」と言葉少な。処理水放出には、「俺たちはいい魚を少しでも多くとってくるだけだ。何も変わんねえよ」「風評は心配している。これからどうなるか」
(中略)
 仲買人の猪腰洋治さん(73)のもとには前日、数件の取引先から「放射能は大丈夫か」などと問い合わせがあったという。「大丈夫なのでは」と答えると、「じゃあ」とヒラメやホッキ貝の注文が入った。「お客が様子見だから、俺たちも様子見だ」と話した。
 しかし競り値は想定外に上昇。猪腰さんは「狙ったヒラメに高めの札を入れたが、よそに持ってかれた。ふだんの倍の値だ」。
 夫が一本釣り漁師という渡辺清恵さん(55)は「お父さん(夫)の魚に値が付かないのでは」と心配しながら、競りの作業を手伝うため軽トラックを運転してきた。まずまずの結果に、「まだ不安は続きますけどね」と胸をなで下ろしていた。
 いわき市漁協によると、沼ノ内など各港のヒラメの平均価格は1キロあたり2400〜2500円。担当者は「例年だと2千円くらいのところ。(処理水放出の)影響が出るかは、もう少し後になってみないとわからない」と話した。(西堀岳路)
 朝日新聞デジタル 2023/08/26 11:00

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「風評被害」どころか「ご祝儀相場」になっている。

 あとはこの流れを定着させるよう、みんなが「デマ屋」に引きずられないようにしていこう。

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 福島沖の魚、トリチウム検出されず 原発の処理水放出を受けて調査

 水産庁は26日、福島沖でとれた魚を調べたところ、トリチウムは検出されなかったと発表した。東京電力福島第一原発の処理水が24日午後に海洋放出されたことを受け、25日早朝に4~5キロ沖合でとれたヒラメ1匹とホウボウ1匹を測定した。今後1カ月ほどは毎日測定し、結果を同庁のホームページで公表する。(加藤裕則)
 朝日新聞デジタル 8/26(土) 18:13

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 こういうことをやったら「すぐに影響なんか出るものか」といい、「では」と調査までの日を開けたら開けたで「やらないということは隠蔽がなんたら」というような奴らにかき回されないように。


 それにしても、記事を引用させてもらっている朝日新聞。

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(社説)処理水の放出 政府と東電に重い責任

 東京電力福島第一原発の処理水について、政府は昨日の関係閣僚会議で24日にも海洋放出を始めることを決めた。政府と東電は内外での説明と対話を尽くしつつ、安全確保や風評被害対策に重い責任を負わなければならない。
(中略)
 政府と東電は8年前に「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分も行わない」と福島県漁連に約束した。21日に岸田首相と面会した全国漁業協同組合連合会の会長は、「科学的な安全性への理解は深まった」としつつ、「反対に変わりはない」と述べた。政府が約束を果たしたとは言えない。
 政府は2年前に海洋放出の方針を決めてから地元に説明し、時期を「23年春から夏ごろ」として準備を進めてきた。結論と日程ありきの手順が不信感を高めたのではないか。
 風評被害を懸念する漁業者に対し、岸田首相は「今後数十年の長期にわたろうとも、全責任をもって対応する」と話した。この約束は、必ず守らなければならない。
 一方、東電の存在感は極めて薄かった。小早川智明社長は放出決定まで漁業関係者に会おうとせず、7月の記者会見では、漁業者側から要望があれば会うが、自分たちから持ちかけるものでは>ないと説明した。当事者意識の欠如に驚くばかりだ。
 東電は、他の原発でも不祥事を繰り返している。長期に及ぶ処理水の放出に際し、積極的な情報公開と説明を尽くせるか。想定外の事態が起きたときに十分な対処ができるか。主体的に動かな>ければ信頼は得られないことを自覚すべきだ。
 処理水放出について国際原子力機関(IAEA)は「国際的な安全基準に合致」するとの報告書を公表した。計画通りに運用される限り、科学的に安全な基準を満たすと考えられるが、それを担保するには、厳格な監視と情報開示が不可欠だ。
(後略)
 朝日新聞デジタル 2023年8月23日 5時00分

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 何度も書いている「風評被害を防ぐ責任はマスメディアにもある」ということなどまったく自覚せず、「政府がー」「東電がー」「責任がー」という社説を書いているのだから呆れる。

 韓国の新聞でさえ、

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「水産物汚染の張本人は政治家・マスコミ・エセ専門家たちだ」 韓国の漁師たちの叫び【8月25日付社説】


(写真、朝鮮日報日本語版より。24日午前、「福島核汚染水海洋投棄STOP」と書かれたプラカートを手にシュプレヒコールを上げる野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表と議員たち)

 日本が福島原発汚染水の海洋放出を始めた24日、韓国沿岸漁業人中央連合会が声明で、「韓国の海と水産物を汚染する張本人は汚染水海洋放出を政治に利用する政治家・マスコミ・エセ専門家たちだ」「国際機関や著名な科学者たちが明らかにした通り、韓国の海・韓国の水産物は安全だ」と述べた。そして、「
水産業界の未来が原発汚染水『怪談(デマ)』で壊されてはならない」と訴えた。
(中略)
 既に福島周辺のすべての水産物は輸入禁止となっている。韓国政府は全国200の海域で海水を採取・検査し、卸売市場や養殖場など水産物生産段階で2次検査を行っている。市場やスーパーなどで水産物を流通させる直前に韓国食品医薬品安全処が3次検査を行っている。2011年の福島原発事故発生後、7万5000件の水産物に対して放射能検査が行われたが、基準値を超えたことはない。一言で言えば、韓国の水産物は安全だということだ。福島の水産物の輸入を再開した欧州はバカではない。福島の海洋放出水が韓国より先に到達する米国・カナダではいかなる「怪談」もない。駐日米国大使は福島に行ってその水産物を食べると言った。彼らもバカではない。
 それにもかかわらず、
一部の消費者たちが水産物を避けるのは、韓国国会を掌握している野党・共に民主党とテレビ番組が「水産物を食べれば放射能に汚染される」との主張を毎日繰り返しているためだ。政治的に政権を攻撃するためのものだが、その被害を受けるのは韓国の水産業界だ。15年前の狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)デモの時も同じだった。このデモを主導した人物は「当時、狂牛病の事実関係について会議をしたことはない。李明博(イ・ミョンバク)政権退陣にどのように利用できるかという次元だけで話が交わされた」と告白した。今回も同じだろう。

 今回の「怪談」は狂牛病怪談よりも早く消えるだろう。今後、韓国の海水と水産物を採取して放射能を調査すれば、問題ないことが明らかになるからだ。しかしその間に罪のない漁業関係者たちが被害を受ける。良識のある国民たちが立ち上がり、水産物の消費をこれまでより増やすなどして、「怪談」が消えるまで水産業界を助けてほしい。そして、韓国政府は月1・2回の海水放射能調査を大幅に増やすべきだ。
 朝鮮日報日本語版 8/25(金) 11:17

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「福島を政治利用して不安を煽るのは悪!」と断罪しているというのに。

 いったいどちらが「国民のことを考えているメディア」だろうか。まあ、朝鮮日報が考えている「国民」は韓国国民なのだが。

 朝日新聞化などの「そっち系」メディアは、はたして、

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 共に民主党と正義党、福島県での汚染水海洋放出中止集会に参加のため訪日へ

【NEWSIS】野党・共に民主党と正義党の国会議員たちが日本で行われる福島汚染水海洋放出糾弾集会に参加することが分かった。共に民主党が25日に明らかにした。
(中略)
 
今回の集会は立憲民主党福島県連合・社会民主党・共産党などの日本の野党と、平和フォーラム・労働組合など日本国内の市民社会グループが共催する。主催者側は約1000人の市民が参加すると見込んでいる。
 朝鮮日報日本語版 8/26(土) 10:29

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 韓国の「怪談師」と一緒になってこういうことをやっている日本の国会議員を批判したことがあっただろうか?
「怪談で福島に風評被害を起こそうとするな!」といったことがあっただろうか?

 まったく、韓国の新聞の方がまともに見える日が来ようとは、ブログを始めたころには思いもしなかったよ。


 本日の開通。

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 初の全線新設、LRTが開業 構想から30年「ライトレール」 工業団地結ぶ14.6キロ・宇都宮


(写真、時事通信より。26日開業した「宇都宮芳賀ライトレール線」の一番電車と集まった人々=同日午後、宇都宮市)

 次世代型路面電車(LRT)で宇都宮市中心部と郊外の工業団地を結ぶ「宇都宮芳賀ライトレール線」が26日、開業した。
 全線新設は全国初。構想から約30年を経て実現し、交通渋滞の緩和などが期待される。
 午前10時からJR宇都宮駅前の施設で行われた開業式には、佐藤栄一市長や運行会社・宇都宮ライトレールの高井徹社長ら約650人が出席。佐藤市長は「LRTを最大限活用し、全国の地方都市のモデルとなるよう全力で取り組んでいく」とあいさつした。
 午後3時には一番電車が出発し、営業運転を始めた。親子で乗車した東京都東久留米市のパート女性(38)は「窓が大きいので子どもでも町並みが楽しめる。床は低く、乗り心地が本当に良い」と満足げな様子だった。
 宇都宮駅東口―芳賀・高根沢工業団地間の14.6キロを44分で結ぶ。車両「ライトライン」(3両編成)は定員160人。大きな車窓を配した近未来的なデザインで、振動や騒音が少なく、ベビーカーや車いすでもスムーズに乗り降りできる低床式が特徴だ。 
 時事通信 8/26(土) 11:07

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 別の報道によると「1から線路を引いた路面電車の開業は75年ぶり」とか。

 かっこいい車両だ。見に行きたいなぁ。
 だが(2022/12/08の記事、がんばれ免疫細胞たち)で書いたように水戸-宇都宮間の高速バス「北関東ライナー」は路線廃止になってしまった。
 車で行ったら呑めないしなぁ。


 水戸も昔は中心市街地を電車が走っていたのだが、モータリゼーションの波に押されて廃線になってしまった。
 環境を考えるのならば電車を残しておくべきだったのだが……あの頃は「そんなこと」誰も頭になかった。
 もったいないことをした。