みんな「共犯」なんだよ | 偕楽園血圧日記

みんな「共犯」なんだよ

 昨日と一転していい天気になったが、気温が上がらなくなってきたな。
 だが家にはこたつがあるから大丈夫だ。そこで寝てしまうとかみさんに怒られてしまうけど(笑)。


 総選挙から一カ月以上がたち、臨時国会が始まった。
 この間野党第一党の立憲民主党の執行部交代などもあり、(2021/12/05の記事、しっかりと「まとめて」ほしい)で書いたように「あまりエキセントリックさのない代表」が生まれたことで、同党の姿勢が「常識的に見える」ようになってしまわないかと心配していたのだが、

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 首相、答弁で新潟と沖縄を言い間違え「その程度か」立民・西村幹事長皮肉る

 立憲民主党の西村智奈美幹事長が8日、臨時国会の代表質問で岸田文雄首相と初論戦を交わしたが、肩すかしに終わった。西村氏の地元新潟で自民党の泉田裕彦衆院議員が、衆院選前に星野伊佐夫新潟県議から裏金を要求されたと主張している問題について質問。「事実であれば広島における選挙違反の反省はないのでしょうか。自民党総裁として事実関係を調査し、国民に明らかにすべき」と迫った。

 岸田氏は「政治とカネの問題に関して沖縄県の事案についてお尋ねがありました」と、新潟と沖縄を言い間違えた。訂正もせず「双方の主張の食い違いが生じています。まずは当事者において説明される必要がある」と踏み込まなかった。
 西村氏は岸田氏の言い間違えを含む答弁に「その程度かと思った。自民党総裁として、きちんと気が回っていない。これでは、やはり政治とカネを巡る問題についてはなかなか、明らかにならない」と皮肉った。【大上悟】
 日刊スポーツ 12/8(水) 19:46

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 よかった。「ピント外れの質問で言い間違いの揚げ足取りに興じる」その姿勢は変わっていなかった。
 彼らにはぜひ、参院選までこの調子を維持していってもらいたいものだ。


 まあ、立民は立民でほっておくとして、西村立民幹事長のいう「泉田氏の話」は無視していいものではない。

 発端は、新潟五区で立憲民主・社民推薦の米山隆一議員に敗れた泉田候補(比例復活)が、

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 県議から裏金要求 自民・泉田氏が会見

 自民党の泉田裕彦衆院議員=比例代表北陸信越ブロック=は1日、衆院議員会館で記者会見し、10月の衆院選で新潟県の星野伊佐夫県議から裏金を要求されたことを明らかにした。
 県連に対し、星野氏の除名を求める考えも示した。
 泉田氏によると、9月4日に星野氏の自宅で「払わなければ選挙に落ちるぞ」という文脈で2000万円から3000万円の裏金を要求されたと説明。やりとりを録音した音声を後日公開すると語った。
 泉田氏は「広島県で(大型買収)事件があったばかりで、こんなことがあるのかと思った。選挙で金銭要求するのは民主主義の土台をゆがめるので、放置すべきではない」と指摘した。
 これに対し、星野氏は1日、新潟県庁で記者団に「事実無根だ。金銭のやりとりは全くない。全部うそだ」と否定した。 
 時事通信 12/1(水) 16:43

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「選挙で裏金を要求された」といきなり言い出したこと。

 同氏はこの星野県議とのやり取りと称する録音音声まで公開する「念の入りよう」を見せているのだが……不思議なほどにメディアが静かである。こういう話では張り切りそうな文春や新潮も騒がないし、テレビでも、「ワイドショー事案」程度の扱いで、河井夫妻の時ほどには取り上げられていない。

 上で岸田総理の言い間違いを嘲笑っている西村立民幹事長にしても、泉田氏が会見した頃には、

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 立民・西村智奈美幹事長、泉田裕彦氏の裏金要求告発問題に言及せず

 立憲民主党の西村智奈美幹事長は3日、自民党の泉田裕彦衆院議員が衆院選を前に星野伊佐夫新潟県議から裏金を要求された、と告発した問題について、「事実関係を把握しておりませんので、現時点ではお話しするべきことはございません」とした。
 2日、新幹事長に就任した西村氏は新潟1区選出。新潟出身で1999年に新潟県議選に出馬して初当選し、1期4年務めるなど、「新潟のドン」と言われた星野氏を県議時代から知る。
 日刊スポーツ 12/3(金) 19:41

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 この程度の意識。

 それを国会で筋違いの行政府に問うているということは、 なにか新しい「事実関係」でもわかったのだろうか?
 ならばそれを公開してもらいたいものだ。
 なんとなれば、この話は「裏金がー」というようなものではなく、(2021/05/28の記事、「党首討論」なのだから政党の話をしようよ)などで書いた「地方組織の維持費」の話、いわゆる「地盤、看板、鞄」の「三バン」の絡んでくる話なのだから。

 とはいえ、野党やメディアの歯切れが悪くなるのも無理はない。地方組織の話は自民党だけのことではなく、この泉田氏に選挙区で勝利した米山議員の配偶者ですら、

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 あたしのパートナーは野党統一候補として無所属で立った。去年から立憲県連を通し、推薦願を出していた。あたしも微力ではあるが、その旨を受け、立憲のほかの候補のために動いた。
 が、選挙の直前に執行部の判断が間に合わないと、県連推薦とされた。間に立っている県連の人たちが気の毒だった。
 立憲は新しい組織だから、地方に根を張ってない。だから、野党共闘をしっかりし、社民党や共産に協力をもらわないと勝てない。それを中央はわかってない。また迷走し、共産のせいにするのか。だったらもうついていけない。
 室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまと>めた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日  2021年11月19日号
 AERA dot. 11/11(木) 7:00配信「室井佑月『選挙あたしの総括』〈週刊朝日〉」より

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「週刊朝日」の記事の中で書いてしまうようなものなのだから。

 実際(2021/03/22の記事、嫌いなやつの悪口を言って遊ぶためのものじゃないぞ!)中で引用した記事にあるように、立民のルーツ政党である民主党は所属議員に「組織対策費」として22億円を「配給」していたことがある。
 今回泉田氏にも自民党本部からその手の金が渡されているはずで、星野県議は「それを使え」といっているというのが「政界関係者」や「政治記者」の見方なのだろう。「いったいどうして泉田氏はこんなことを言いだしたのだろうか?」と。
 だから「思ったほど大きなニュース」として騒がれていない。
 河井夫妻事件の際にきちんとこの「地方組織の在り方」にメスを入れなかったツケが、またこんな形で出てきてしまった。


 地方組織やそれが支える議員の「票」では、立民の代表選に出た候補の事務所が、

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 立民代表選敗北の小川淳也氏 政治資金で自身のドキュメンタリー映画チケットを大量購入

 四つ巴の混戦状態となった立憲民主党の代表選で、1回目の投票で敗れた小川淳也・国対副委員長。彼の名を一躍有名にしたのは昨年6月に公開された自身のドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』だった。小川氏の政治活動を17年かけて追った同作が話題となったことで小川氏の人気・知名度は急上昇し、さる10月の総選挙では香川1区で平井卓也・前デジタル担当相>を破る要因になったとされる。
 11月26日に公開された政治資金収支報告書により、小川氏がその映画のチケットを政治資金で大量購入していた事実が判明した。
(中略)
 小川氏の事務所に聞くと、「チケットは購入額そのままでお渡ししているので利益は出ていません。収支報告書に『茶話会付き』と明記しています通り、映画鑑賞と併せて茶話会を行ないまして、その実費をここに計上しています。チケット代(の転売)で儲けているわけではありません」と答えた。

 利益を得ていないにしても、映画を政治利用しているのではないかという疑念は残る。先の総選挙で敗れた平井氏は選挙中、「映画というより(候補者の)コマーシャルフィルムだ。私に出演依頼はなく、悪役にされた」などと演説で繰り返し批判してきたが、小川陣営は「映画は監督からの要請で撮ったもので、選挙とは関係がない」と反論した。では、収支報告書に映画チケット購入を〈政治活動費〉として計上していることはどう考えるのか。小川事務所はこう答える。
「チケット購入については、そもそも支援者の方から、『映画観たいんだけれど、小川さんのところから買えないか』との要望がいくつも来ていました。それに対して、『チケット屋で買ってください』と突き放すわけにもいかないでしょう。そこで我々のほうでチケットを購入し、支援者の方に販売し、収支報告書にその通り記載したということです」
(後略)
 NEWSポストセブン 12/1(水) 7:15

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 こんなことを言っている。

チケット購入については、そもそも支援者の方から、『映画観たいんだけれど、小川さんのところから買えないか』との要望がいくつも来ていました。それに対して、『チケット屋で買ってく>ださい』と突き放すわけにもいかないでしょう」である。
 これこそ拙ブログで昔から描いている「政治家の地元秘書の仕事のほとんどは、東京のホテル取りとか就職の紹介などの支持者のご機嫌取り」であることを示す一つの例である。
 そして地方組織は、そういう人たちをうまくさばいていくためのもの。
(2014/10/18の記事、襟を正すべきは我々有権者なのだ)書いたように、こういうことが地方組織に大金が流れる仕組みを作ってしまっているのだから、河井夫妻の時のように自民叩きをして留飲を下げて終わりにするのではなく、今度こそきちんと、「政治に向き合う」ことを我々有権者がやっていかなくては。


 本日の干支。

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 届いて8分、立体の「寅」が完成 組み立て楽しむ年賀状


(写真、共同通信より。トラの絵をデザインした佐藤小夏さん=2日、香川県三木町の「朝日園」)

 香川県三木町の障害者支援施設「朝日園」は、立体的な「寅」に変身する段ボール製の年賀状を制作、販売している。受け取った人が印刷された点線をはさみで切って組み立てると8分ほどで、つぶらな瞳をした来年の干支の完成だ。1枚240円。84円切手を貼れば通常の年賀はがきと同様に郵送できる。
 朝日園は自立支援の一環として年賀状をメインとした印刷事業に取り組み、立体の年賀状は昨年作った「丑」に続き2回目。職員がデザインした黄色いトラを描いたバージョンと、白地で色塗りできる「プレーン」の2種類を用意した。
 販売は17日まで。問い合わせは同園、電話087(898)2323。
 共同通信 12/7(火) 18:24

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 グリーティングカードでもこういう工作ものってあるけど、貰ったものはもったいなくて、結局作らずにおいてしまうんだよなぁ。

 段ボールに印刷してあるということだし、大きさも大きいので普通の年賀状と一緒にまとめておくのが難しそうだから、いっそこれに届いた年賀状を収納できる機能をつけてしまったらどうだろう?
 いまさら改造するのは難しいだろうから、来年のものからでも。