煽って人を不幸にするのがメディアの仕事か!(怒)
今年の冬は関東とは思えないほど天気の悪い日が多いなぁ。
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9年ぶり再開へ試運転開始 常磐線、最後の不通区間
(写真、産経新聞より。双葉駅に進入する常磐線の試運転列車=18日、福島県双葉町(芹沢伸生撮影))
JR東日本は18日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で不通となっている福島県内の常磐線富岡-浪江間(約20・8キロ)で、約9年ぶりとなる来年3月の運転再開を目指し、試運転を始めた。
同区間の大半は帰還困難区域に当たり、震災被害に遭った岩手、宮城、福島3県の鉄道で不通が続く最後のルート。試運転は18日から3日間の予定で、毎日2往復し、線路のゆがみや信号などの設備動作を点検する。
国は運転再開に合わせて、来春までに夜ノ森(富岡町)、大野(大熊町)、双葉(双葉町)3駅とその周辺地域の避難指示を先行解除する方針。
JR東日本は来年3月14日に全社的なダイヤ改正を予定。地元関係者によると、常磐線の再開も同じタイミングで実施する見通し。
産経新聞 12/18(水) 13:47
「にぎわい戻るきっかけに」常磐線で全線再開へ試運転
東京電力福島第一原発事故による避難指示のため、福島県内の一部区間で不通が続くJR常磐線で18日、全線再開を目指す試運転が始まった。この日は、帰還困難区域を通過するため不通になっている富岡―浪江駅間(20・8キロ)で電車が2往復した。JR東日本は3月14日にダイヤを改正する予定で、それまでに国が避難指示を解除すれば同日に全線再開される見通し。
不通区間内にある夜ノ森(富岡町)、大野(大熊町)、双葉(双葉町)の各駅の地元3町は、来春の駅周辺の避難指示解除を目指して国と調整を続けており、住民の期待も高まっている。
夜ノ森駅周辺は桜の名所。同駅近くに暮らす主婦(58)は「帰還する町民や桜を見に来る人が増えて、にぎわいが戻るきっかけになってほしい」と期待を込めた。
読売新聞オンライン 12/18(水) 23:24
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東日本大震災以来停まっている常磐線が、ようやく全線再開する見通しになった。
朝日新聞によると「JR東日本水戸支社の堀込順一設備部長は「震災前にこの区間を運転したことがない乗務員もいるので、安全運転に向けて訓練を続けたい」と話した。」(朝日新聞デジタル 12/18(水) 14:10「JR常磐線が3月に全線再開へ 震災以来、試運転始まる」より)というのが、その時間の長さを物語っている。
これを聞いて思い出すのは、震災のあと一か月近く常磐線が停まっていた時のこと。
あの時の「普段の音が聞こえてこない寂しさ」というものは、なんと形容したらよいのか。読売の記事に出ている夜の森の主婦の気持ちが、非常によくわかる。
だというのに、まだ、
「不通区間の大半は放射線量の高い帰還困難区域だが、列車が通る場所は工事とともに除染を行った。」(時事通信 12/18(水) 10:41配信「常磐線不通区間で試運転 20年3月全線再開へ 福島」より)
「宅地などは引き続き立ち入り制限されるが、鉄道復活による訪問者増が期待される。」(共同通信 12/18(水) 20:55配信「福島・富岡町3月10日避難解除 駅周辺、JR常磐線再開を前に」より)
という書き方をして、「帰還困難区域」というところを強調しながら、そこが今どういう扱いかをぼかして書くメディアもあるのだから、この主婦さんもどれだけ悲しい気持ちになるだろう。
何度も書くように、今は福島第一原子力発電所の敷地内でも、大半の場所ではタイベックスのような汚染物質付着防止服を着なくともすむような状況になっている。(ちなみに、当初から敷地内では特に高濃度汚染瓦礫が積み重なっているようなところを除いて「放射線防護服」着用必須にはなっていなかった)
当然、敷地外の土地も同じ状況で、ただ「累積すると年間50ミリシーベルトになるようなので長期間の居住が制限されている」というのが現状。この数字を聞いて、当時からさんざん言われていた「観察できるレベルの影響の出る可能性のある100ミリシーベルト/年」という話を思い出してもらいたい。
拙ブログで時々取り上げているような「放射能デマ屋」は、帰還困難区域の入り口に車止めが置かれ、「徒歩やバイクでの侵入が禁止」されていることをして「防護服がなければ―」といいまくっているようだが、バイクや徒歩が禁止されているのは「窃盗目的で入る者がそれらを利用して逃げやすくなるから」というのが大きく、別に「身体をさらすのがどうの」ということはない。
常磐線が開通し、人の行き来が増えることで、そういう「デマ」を流しているような者たちをどんどん潰していけるようになってほしいのものだ……が、その前に、まずはいまだにその先棒を担いでいるようなマスメディアをなんとかしなくてはな。
昨日ヤフーのトップページを開いたら、また、
こんな見出しがトピックスの中に並んでいた。
「ヤフーの人間がまた見出しを適当に切り貼りしているのだろうか?」と思ってこの「台風で倒壊の原子炉」の記事を見てみたら……、
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台風で倒壊の原子炉、木材に腐食 茨城・原子力機構、点検不備か
(写真、共同通信より。日本原子力研究開発機構の原子炉「材料試験炉(JMTR)」で、腐食が見つかった冷却塔を支える木材=10月19日、茨城県大洗町(同機構提供))
9月の台風15号で2次冷却塔が倒壊した日本原子力研究開発機構の原子炉「材料試験炉(JMTR)」(茨城県)で、冷却塔を支える木材に腐食が見つかったことが18日、機構への取材で分かった。腐食が原因で木材が強風に耐えられず、倒壊に至ったという。
機構は過去の点検で腐食の進行を把握していなかった。多数の原子力施設を保有しており、管理態勢を問われそうだ。
冷却塔は、炉心で発生した熱を大気に放出する木造の設備で、高さ16.5m。台風15号で観測された強風には耐えられる設計だった。だが柱の間に木材を斜めに交差させる「筋交い」で、複数の腐食が見つかった。
共同通信 12/18(水) 13:06
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共同通信が「そのまんま」の表現で見出しを書いていたよ。
この嘘つきが!(怒)
台風15号で「倒壊した原子炉」などないぞ!
あの台風で倒れたのは、
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運転停止の研究炉、放射性物質漏れなし 台風で冷却塔倒壊
日本原子力研究開発機構は9日、大洗研究所(茨城県大洗町)にある研究用の原子炉「材料試験炉」の2次冷却塔が台風15号の影響で倒壊したと発表した。けが人はいない。機構によると、試験炉は廃炉措置に向けて準備中で、平成18年から運転を停止しており、倒壊した施設内に放射性物質はなく、外部への漏洩などもないという。
機構によると、2次冷却塔は木造で、幅約30メートル、高さ16・5メートル、奥行き11・6メートル。9日午前7時40分ごろに倒壊しているのが発見された。一部が隣接する排気施設にも接触し、排気施設の壁が2カ所損壊した。
(後略)
産経新聞 9/9(月) 20:33
機構によると、作業員が午前7時40分ごろ、水を通す鉄製の配管が倒れ、木造設備の壁面も破損しているのを確認した。試験炉は2006年8月から運転を停止し廃炉に向けた作業を進めており、冷却塔も使われていなかった。【岩間理紀】
毎日新聞 9/9(月) 18:55配信「材料試験炉の冷却塔が倒壊 放射性物質の漏えいなし 日本原子力研究開発機構 台風15号影響」より
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こういうもので、「原子炉」ではなく「二次冷却器の放熱塔」である。
車でいえばラジエターグリルが事故で変形して外れてしまったような話で、それがエンジン自体には何の関係もない話であると同様、これで「だから原子炉がどうの」というものでもない。共同通信は「管理がどうの」と書いているが、廃車・解体する自動車のラジエターグリルの痛みなど、普通は気にかけない。それが倒れると周りを壊す可能性があるとかいうならともかく。
しかも排熱等の構造材が木であることは、倒れた当初から明らかになっている。冷却用配管を囲むだけのものなのだから、それで問題があるものでもないのだ。
だというのに、こんな扇情的な「フェイク見出し」をつけるから、
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*ahoo_taro*
理論上は安全に運用できる。現実はこうした不備がある。
原子力だけに限った話ではないが、最終的には理論ではなく人間の運用がいちばんのアキレス腱になるね…。
というか、試験炉とはいえ、木材が使われていたとはびっくり。
1965年建設開始であるようだけど、ひょっとして一度も交換されてないのか?
(写真を見るとコンクリの土台に木材が立ってるようにも見えるし、、、)
chr*****
出力が発電用の1/10以下だし研究用なら数カ月スパンでビームタイムとメンテ期間を回すような運用で、あんまり過酷な運用はしてないだろうから最初の気構え自体からわりと牧歌的なのかなとは思う。
しかし50年以上前に作られた廃止予定の炉とはいえ常設設備に木材が使われてるのはちょっとびっくりだけど。
*****W
こういうことなんだよね。
原子力は、人間が介在しなければ理論的に安全だけど、人間が必ず介在するんで、結局は危険になる。
原発も何でもそう。
MajiでコメするYahoo前
いまだ木材使ってた時点で原子炉を扱う資格なんて無い
ran*****
ウランが暴走したら、人類が制御できるものではない。
コメ主の思想で、原子炉を扱われては困る。
jum*****
難しい科学の知識を駆使してもなお、
木材と水が混じわり放置すると腐るという知識は無かったのでしょうね
dol*****
理論上× 理想論上◯
物質化された物に100%など無い。
sjg*****
私は原発に反対なのですが、原発賛成派は原発の近くに引っ越して毎日福島米を食べていただきたい。
pan*****
何事も杜撰な原発ムラ。
さっさと世界一の地震国の日本は原発廃止しろ。
共同通信 12/18(水) 13:06「台風で倒壊の原子炉、木材に腐食 茨城・原子力機構、点検不備か」コメント欄より。
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お決まりの「住んでみろ! 食べてみろ!」をはじめとして、頓珍漢なものやただただ「ヒステリック」なコメントが付けられることになる。
このコメントの中に、
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kem*****
台風で倒壊の原子炉って思いっきり書いてあるのはどうかと思うな。
原子炉の横でおしっこ漏らしたら、原子炉で汚染水漏れって書かれるかも。
共同通信 12/18(水) 13:06「台風で倒壊の原子炉、木材に腐食 茨城・原子力機構、点検不備か」コメント欄より。
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こういうものもあるのがまさに秀逸。
マスメディアはまさに、そういうことをやって人々を扇動しようとしているのだ。
福島の復興の最大の障害物は、間違いなくこういうことをやっているメディアである。
常磐線がいざ開通した際には、またこういうメディアが悲観的な煽りを流すのだろうが、そういうものには決して釣られないようにしよう。
本日の地上絵2020。
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22メートル×36メートル…来年の干支の巨大地上絵がお目見え 茨城・国営ひたち海浜公園
(写真、産経新聞より。3匹のネズミが寄り添う姿を表現した縦22メートル、横36メートルの巨大地上絵=茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園(永井大輔撮影))
来年の干支(えと)の「子(ね)」にちなんだ3匹のネズミの巨大地上絵が国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)にお目見えし、訪れた人たちを楽しませている。
地上絵は公園内の遊園地「プレジャーガーデン」にあり、縦22メートル、横36メートルにも及ぶ。福をもたらすとされるネズミと「3つ」「満つ」をかけて、来年が幸福に満たされる年になるようにという願いを込めた。
材料には園内で採れた自然素材を用いた。松などの間伐材で輪郭を形作り、毛並みの部分は乾燥させたコキア約1500本で表現した。園内の大観覧車から見下ろすと全貌を目にすることができる。
地上絵の展示は来年1月5日まで。担当者は「観覧車の頂点に達する少し前に撮影すると、全貌をきれいに写真におさめることができる。SNSへの投稿や年賀状作りにも活用できるので、ぜひ見に来てほしい」と話している。
産経新聞 12/17(火) 17:04
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昨年(2018/12/15の記事、もう素直に「中国のために米軍排斥活動をしている」と言ったら?)に引き続き、今年もまた地上絵が描かれる時期になった。
冒頭にも書いたように、今年は雨が多いので維持が大変だろうなぁ。その分気温も高いので、吹きさらしの風に負けず観覧もできるだろう。
海浜公園の観覧車は、結構な高さがあるぞ。