法律違反のことならば司直にまかせろ | 偕楽園血圧日記

法律違反のことならば司直にまかせろ

 連休モードも終わり。いよいよ年末に向けて休みなしの日々が続く……。


 さて、お休みが入ったおかげでもうメディアのニュースラインでは忘れてしまったような感じも漂っているが、

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 河井法相が辞任、妻の疑惑で引責 改造後2人目、政権打撃

 河井克行法相(56)=自民、衆院広島3区=は31日、安倍晋三首相と首相官邸で会い、閣僚の辞表を提出した。妻の案里氏が7月の参院選広島選挙区で初当選した際、運動員に法定の倍額に当たる日当3万円を支払った公選法違反疑惑や、自身の贈答品疑惑が報じられ、責任を取るべきだと判断した。安倍政権に大きな打撃となる。後任には自民党の森雅子元少子化担当相を充てる。
 9月の内閣改造後、閣僚辞任は菅原一秀前経済産業相に続き2人目。野党は首相の任命責任を厳しく問う。河井氏は辞表提出後、週刊誌報道を踏まえ「法務行政への国民の信頼が失われてしまってはならない」と理由を説明した。
 共同通信 10/31(木) 8:19

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(2019/11/02の記事、議員のカタは議会でつけろ!)で取り上げた河井案里参院議員の「ウグイス嬢手当疑惑」に関連して、先週、河井克行法務大臣が辞任した。

 テレビでは、

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 東国原英夫氏、河井法相の辞任に「文春さんの第2、第3弾があると予測しての判断」

 31日放送のTBS系「ゴゴスマ~GOGO!Smile!」(月~金曜・後1時55分)で、妻の河井案里参院議員の選挙での公職選挙法違反疑惑をめぐる週刊文春の報道を受け、河井克行法相が辞任したことを報じた。
 コメンテーターで元宮崎県知事の東国原英夫氏は「今回の辞任は早かったですね」と述べ、「文春さんの第2、第3弾があると予測しての、国会を空転させてはいけないという判断だったんでしょうね」と指摘していた。
 スポーツ報知 10/31(木) 14:45

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 こんなことを言っている人間もいるようだが、「第2、第3弾があるというのならば、文春にはきっちりと証拠としてそろえてもらって、選管なり検察なりに告発していただくようにしてもらえばいい。その結果「明らかな犯罪行為があった」となれば、その方がよほど「大臣が辞任するに値する」という話になることだろう。
 立ち読みしてきた文春の記事では元だか前だか忘れたが「農水相から届いたジャガイモを秘書が支持者に配って云々」などという記載もあったが、これが「おすそ分け超えた買収行為」になるのかの判断を公的機関にしてもらわなくては。


 まったく馬鹿馬鹿しい話である。
 文春の記事の書き方では「妻の事務所に過払い疑惑があって、妻は素人なので実質的には大臣が事務所を仕切っていたのだから、指示があったならばそれは大臣の罪で」という形になっていたが、そんなのはまったく「文春の考えたストーリー」でしかないわけで。それをきちんと立証するためには、公的機関のお出ましが必要になり、「最初に言い出したもの」はそれに協力する必要がある。
 だが、今はそんなところはすっ飛ばして「疑惑だ疑惑だ説明責任だ!」とたきつけられた野党が大騒ぎをし、

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 立民幹事長「総辞職に値する」 河井法相辞任受け

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は31日午前、河井克行法相の辞任を受け、国会内で記者会見し、「わずか6日間で、2人の重要な閣僚が辞任した。安倍晋三首相の責任は非常に重い。本来なら総辞職に値する事態だ」と批判した。首相が自身の任命責任に言及したことを踏まえ、「国民にしっかりと説明する場を強く求めていきたい」とも語った。
 福山氏はまた「野党が一致結束して行動を共にしていきたい」と述べ、同日午後にも国会内で開く主要野党の幹事長・書記局長会談で、今後の国会運営について協議する考えを示した。
 産経新聞 10/31(木) 11:21

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「総辞職だ!」と気炎を上げる。

 そんなにいうならばお得意の不信任を出せばいいのにとも思うのだが、「それで解散されては……」ということもあるのだろう。(2019/05/20の記事、「解散妖怪」にびーくびく)で取り上げたように、マスメディアが自分から「不信任は解散の大義になる」という道を作ってしまっているし。
 だから「騒ぐだけ」。
 で、野党やマスコミが騒ぐからと大臣が辞任してお茶が濁される。なにやってるんだか。

 実のところこの流れは、森友学園の件で財務省が決算文書につけられた調書を「破棄」した考えと同じである。
 この文書廃棄のいきさつについては、国会でも財務省側がはっきりと「野党やマスメディアが言葉の一部だけを切り取って揚げ足取りで騒ぐから」と答えてもいる。
「反安倍」の中ではあれは官僚が「安倍隠しのために忖度した」ことになっているようだが、(2018/03/15の記事、「報道」と名乗って流されるデマほど悪質なものはない)で書いたように、あの文書の中に「安倍夫妻」のことなどほとんど出てこない。籠池被告(いや、もう補助金詐欺の判決が出たから「受刑囚」と書くべきか?)が語った話と、産経の記事からの引用部分と「日本会議」の説明部分しかない。だが、「野党が騒ぐから」と「お役所仕事」をやってしまった。資料の保存というところではまったくとんでもない話だが、そういう「話の本質とは違うところで国会が止まることに耐えられなかった」のだろう。
 今回のような形の「疑惑で大臣辞任」も、まったく考え方としては同じである。

 本当にくだらない。
 もういい加減に「疑惑」で騒ぐのはやめて、「証拠があるならきっちり出せ」という形で話をしていこうじゃないか。

 はじめに引用した共同の記事なども、嬉しそうに「政権打撃」とはしゃいでいるが、

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 麻生氏「法案審議やらないと被害受けるのは国民」

 麻生太郎副総理兼財務相は31日、自民党麻生派(志公会)の会合で、河井克行法相の辞任に関し「大事なことは、こういった話が起きたからといって(国会では)法案がいっぱいある。そういった法案審議をきちんとやっていかないと、被害を受けるのは国民だ」と述べた。
 麻生氏は「いつの国会も何らかの問題が発生している。その都度、現場がいろいろな意味で大変苦労をされている」とも語った。
 産経新聞 10/31(木) 13:55

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 麻生氏の言うとおり、国会が止まって打撃を受けるのは国民の生活なのだ。

(衆議院サイト 第200回国会 議案の一覧)を見ると、

「被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案」
「東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案」
「東日本大震災からの復興の推進のための相続に係る移転促進区域内の土地等の処分の円滑化に関する法律案」


 などが並んでいる。

 他にも、一時期野党が騒いでいた、

「日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件」
「デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件」


 などもある。

 いつもの「反安倍」派はまた愚かにも「安倍が予算委員会から逃げ回ってどうこう」とツイッターなどで言いふらしているが、そもそも金曜に大臣が辞任をして立民などがサボタージュモードに入ってからは連休で休会した国会に、ASEAN首脳会談に出るためタイ訪問をしていた安倍総理がどうやって出られたというのだろう?
 衆議院の予定を見れば、今日は法務委員会が開かれているし、明日は計算委員会が開かれるということなので、「アベガー」の意味もない。ただ野党が「ちょっと早い連休を取った」というだけ。
 それで日程が詰まったら「強行採決がー」と言い出すというのならば、まったく馬鹿らしいことこの上ない。

 有権者としても、「文春砲」だと喝采するようなくだらいことをやっている場合ではないぞ!(怒)


 本日の「鐘が鳴るなり」。

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 山間にそびえる巨大な実 奈良の柿博物館とは


(写真、毎日新聞より。三角形パネルの多面体構造で、巨大な柿を表現した柿博物館=奈良県五條市で)

「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)の句や柿の葉寿司(ずし)――。奈良県は柿の名産地で、年間の収穫量は約3万トンと和歌山県に次ぐ全国第2位を誇る。県内最大の産地、五條市の山あいにあるのが県果樹・薬草研究センターの柿博物館だ。多彩な品種、体への効用、加工品の紹介など柿に特化したユニークな施設を訪ねてみた。
 同館の外観は巨大な柿の実のオブジェ。直径14・8メートル、高さ8メートル。山の緑の中で、オレンジ色がひときわ目立つ。1994年、柿の品種改良などを研究する同センターの前身施設と共にオープンした。

 国内の品種は約1000。県内では主に甘柿の富有(ふゆう)、渋柿の刀根早生(とねわせ)と平核無(ひらたねなし)を栽培している。実の渋み成分、タンニンが水に溶けずに舌で感じないのが甘柿で、逆に水に溶け出すのが渋柿。一般に甘柿の方が硬めの食感で糖度も高い。一方、渋柿も出荷の際に炭酸ガス処理でタンニンを溶けにくくすることで生食できる。
 同センターでは農園で国内外の200品種を栽培。同館では主な品種を模型で紹介し、秋の収穫期には採れたての実も並べる。同センターの今川順一所長は「11月には最大120種類になります」。中には黒色の「黒柿」や実に突起のある「いぼ柿」、1・5センチ程度と小さい「豆柿」などユニークなものもある。
(中略)
 また、実から抽出した柿渋(タンニンの液)は古くから塗料や染料、防腐剤などとして使われてきた。館内でも深みのある茶色が美しい絵画作品、繊維を強くする効果を利用した漁業用の網も紹介している。
 今川所長は「柿の意外な魅力を知ってもらえれば」と話している。【大森顕浩】
 毎日新聞 11/4(月) 13:31

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 ちょっと水戸の市街地を離れると、あちこちで柿の実がなっているのを見かける季節になった。「秋の里」という感じで風情があって大変よろしい(笑)。

 面白い施設があるんだな、奈良には。
 法隆寺の近くではないところが惜しまれるが、あの地区にこの外観の建物があっても浮いてしまうので、しょうがないか。
 しかし正岡子規も、後年自分の句が国民的に知られた「基礎知識」的なものにまでなるとは思わなかっただろうなぁ。文学者としては冥利に尽きるのではないだろうか?
 その一方、なるほど柿自体については知らないことや忘れられたこともいっぱいある。
 記事では漁業用の網が紹介されているが、昔は柿渋を紙に塗って防水にもしていたこと、どれぐらいの人が覚えているだろう?


 ところで、こういう感じの施設として、わが茨城県は那珂町にある県植物公園に隣接する「きのこ博士館」のことは、どれぐらいの方がご存じでしょうか。


(画像、(茨城県植物園 きのこ博士館)より)

 ちょっとレトロな雰囲気の建物の中には、ファンタジーなきのこの世界が広がっていますよー。
 ちなみに、隣接している植物園は「大人300円」ですが、こちらの施設は入場無料です(笑)。