批判をするならフェアにやれ! | 偕楽園血圧日記

批判をするならフェアにやれ!

++++++++++++++++
 メルケル首相「難民受け入れは責務」 米副大統領に釘

 ペンス米副大統領とドイツのメルケル首相は18日、ミュンヘン安全保障会議で相次いで講演し、ともに北大西洋条約機構(NATO)の重要性を強調した。 ただメルケル首相は「難民受け入れは欧州連合(EU)の責務だ」と語り、トランプ政権の排外的な姿勢を牽制(けんせい)した。
 両氏はこの会議の場で初会談。メルケル氏がトランプ政権の閣僚と会談するのは、これが初めてだ。テロ対策などでの協力強化を確認する見込みだ。
(後略)
 朝日新聞デジタル 2/18(土) 20:27

++++++++++++++++

 朝日新聞がまた「難民受け入れを言うメルケルは偉い! トランプ政権は差別主義者!」的な見出しの記事を書いていた。

 馬鹿だなぁ。
」もなにも、メルケル氏はドイツの政治家である以上、こう言うしかないではないか。

 ドイツは二次大戦中のユダヤ人虐殺の罪をすべてナチスに押し付けて「今の俺たちは関係ない」ということで片をつけたのだ。ここでもしドイツの政治家が移民や難民に対して拒否するような発言をしようものならば、周りの国から「ハーン。やっぱりまだ優性思想による差別主義が残っているんだ」と嫌味を言われることになる。
 それは「目をそらしていたヨーロッパ全体の罪」を掘り起こすことになるのだから、ドイツは難民の流入制限を口になどすることなどできない。そういうことである。


 こういう言い方は好きではないが、「うぬぼれリベラル」によるトランプ米大統領に対するレッテル貼りは、とにかくひどい。
 今度は、


++++++++++++++++
 「トランプ氏は重大な精神的な不安定」 米紙への精神科医の投書が波紋

 就任1カ月のトランプ米大統領は、連日の過激な行動や発言で、世界に混乱の種を振りまいているが、米紙ニューヨーク・タイムズに載った精神科医の連名の投書がアメリカ国内で新たな物議をかもしている。

■「大統領職を安全に務めることは不可能だと信じる」
 投書はアメリカ精神医学会(APA)に所属する医師など専門家35人の連名で、2017年2月13日付けの紙面に掲載された。
 投書は「精神保健の専門家はトランプ氏に警告する」という見出しで、
「トランプ氏の一連の発言や行動は、異なる意見を受容する能力に欠けることを示している、彼は異見に怒りの行動をとる。彼の言動は他者への共感能力に著しく欠けることを示している。こうした人物は自分の精神状況に合わせて現実を歪め、事実や事実を伝えようとする人物(ジャーナリストや科学者)を攻撃する」
 と指摘。そのうえで、
「トランプ大統領の言動が示す重大な精神的不安定さから、われわれは彼が大統領職を安全に務めることは不可能だと信じる」
 と自発的な辞任を求めている。

 あえて学会の倫理規定を破った精神科医
 この投書が注目されるのは反トランプの内容だけでなく、投書した医師たちが、アメリカ精神医学会の長年の倫理規定を破ったと自ら宣言したことにある。
 この規定はゴールドウォーター・ルールと呼ばれ、1964年に民主党のジョンソン大統領と共和党のゴールドウォーター上院議員が大統領選を争ったのを機に制定された。この選挙では、ある雑誌が「ゴールドウォーターのメンタル特集」というテーマで、各地の精神科医に大統領として適任かどうかを投票させた。ゴールドウォーター氏はすぐに雑誌を名誉毀損で訴え、裁判では勝訴した。
 このルールは精神科医がこうしたトラブルに巻き込まれないようにつくられた。
「精神科医が自ら診察していない公的人物について、職業的意見を述べたり、精神状態を議論したりすることは非倫理的」と禁止した。1973年に制定され、今も有効だ。
 アメリカ精神医学会は2016年、「このルールを破って大統領候補の精神状態を分析することは「無責任で、レッテル貼りにつながり、非倫理的な行為だ」と厳しく戒めた。しかし、今回の医師らは投書の中で、「これまでの沈黙は失敗だった。この非常時にもう沈黙は許されない」と規定破りの決意を述べている。
(中略)
 しかし、翌14日付けのニューヨーク・タイムズ投書欄で、この分野の専門家で、診断マニュアルを書いたデューク大名誉教授のアレン・フランシス博士は
「大多数のアマチュア臨床家はトランプ氏に自己愛性パーソナリティ障害というレッテルを貼りたがる。彼の自己愛の強さは世界的といっていいかもしれないが、それは彼が精神的に病んでいることを意味しない。この診断の前提条件となる精神的な苦痛や障害を感じていないからだ」
 と反論している。
 精神医学の世界ではアメリカが一貫してこの分野をリードしてきた。トランプ氏はアメリカの医学界にも、激しい分断と論争を引き起こしているようだ。
 J-CASTニュース 2/19(日) 18:59

++++++++++++++++

 勝手に精神病のレッテルを貼る医者まで現れた。

 日本でも「安倍は精神病」「ネトウヨも頭がおかしい」というようなクズツィッターを流している通名の精神科医がいるが、診察もしていない相手を、ただテレビなどが切り取った映像だけ見て「医療判断」を下そうとするような人間は、もはや医師の免許を剥奪してもいいほどその矜持を失った、ただの「活動家」である。

 そういう政治的な「盲信」を別にしても、そんなことで診断をするような人間はその能力に問題がある。
 まったく。トランプ氏がこういう話を言う相手に向かって「フェイク」という単語を投げつけるのも当たり前だ。


(2017/02/07の記事、個人的な好悪と政策は分けて考えよう)で引用した産経の記事「米入国禁止措置、『対テロ』に合理的 実はオバマ政権時代からの延長線上」(産経新聞 2/3(金) 7:55配信)でも取り上げたように、今回トランプ氏が入国の一時的禁止措置をとった国は、オバマ政権時代に「危険対象」として指定された国であり、入国禁止措置が取られたこともある。
 問題はそういう国から難民に紛れてテロリストが入国する可能性があるということで、ヨーロッパではすでに何件かの事件でそれが指摘されていることではないか。
 だからといって身柄がクリアな人間までも入国にストップをかけるやり方は乱暴だが、「区別することを差別とすり替える」人間がいるから「とりあえず一律」とすること自体は、間違っていない。
 とりあえず一律で止めた後に関係国と「身柄のクリアをどう保証するか」のシステム作りを進めていくならば、不平の声は上がるだろうが、それで人格否定されるほどの政策にはならない。それがやられているか否かを取材するのが、本来のジャーナリズムというものではないか。


 移民の話でも、トランプ氏が問題にしているのは不法移民だということを歪曲して、


++++++++++++++++
 「米国にはもっと多くの移民必要」…ヒラリー氏

【ニューヨーク=谷本陽子】昨年の米大統領選で敗北した民主党のヒラリー・クリントン氏(69)は16日、ニューヨーク市内で開かれたドミニカ共和国出 身のファッションデザイナーに関連した式典に出席し、「アメリカのためには、もっと多くの移民がいるべきだ。彼が移民であったことを誇りに思い、感謝して いる」などと述べた。
 イスラム圏7か国からの入国を制限し、批判を集めている大統領令を念頭に置いたものとみられる。クリントン氏は選挙後、公的な発言を控えていた。
(後略)
 読売新聞 2/17(金) 11:20

++++++++++++++++

 こんな「私が正義」的なことを言う人間も悪質である。


 メキシコでも、


++++++++++++++++
 メキシコ市民、米国境に「人間の壁」 トランプ大統領計画に抗議


(写真、AFP=時事より。メキシコ・シウダフアレスで、同国との国境に巨大な壁を建設するというドナルド・トランプ米大統領の計画に抗議し、花を手に「人間の壁」を作るメキシコ市民ら(2017年2月17日撮影))

【AFP=時事】メキシコとの国境に巨大な壁を建設するという米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の計画に対する抗議行動として、メキシコの市民数千人が17日、国境の街シウダフアレス(Ciudad Juarez)で腕を組み「人間の壁」を作った。
 抗議行動を呼び掛けたのは地元自治体とメキシコの権利擁護団体。米国側の国境警備隊が監視する中、メキシコの政治家や社会運動のリーダー、学生らが花を手に腕を組み、約1.5キロにわたって人間の壁を築いた。
 シウダフアレスはすでに国境を接する米国側のエルパソ(El Paso)と長いフェンスで隔てられているが、抗議行動の参加者の中にはエルパソのオスカー・ リーサー(Oscar Leeser)市長の姿もみられた。
 
正式な書類を持たないメキシコからの移民の流入を阻止するために壁を建設し、その費用をメキシコ側に払わせるとしているトランプ大統領の計画に対しては多くのメキシコ人が怒りの声を上げており、参加者たちは抗議のスローガンを声高に叫んだ。【翻訳編集】 AFPBB News
 AFP=時事 2/18(土) 19:59

++++++++++++++++

 こんなことをやっているが、彼らが目を向けるべきはアメリカの政権ではなく、自分たちの国ではないか。

 記事でも指摘されているように、トランプ大統領は「正式な書類を持たないメキシコからの移民の流入を阻止」といっているのだ。ならば彼らは自分たちの国民が「正式な書類を持たない」で他国に不法侵入することをやめさせるべきだろう。
 それをやらなくてはならない自治体の人間までがこんな抗議活動に加わるなど、本末転倒である。


 カルデロン一家の時に書いたが、こういうところで「法律違反をしてもこれぐらいなら」と考える人間は、遵奉意識のハードルが低い。

 現に、


++++++++++++++++
 不法移民対策で680人以上逮捕、75%に犯罪歴=米国土安全保障長官

[ワシントン 13日 ロイター] - 国土安全保障省のケリー長官は13日、米移民税関捜査局(ICE)が最近の取り締まりで680人以上を逮捕し、うち75%に犯罪歴があったと明らかにした。取り締まりはICEが定期的に行っているものだという。
 一方、人権活動家らは、当局が移民を無差別に国外退去処分にしており、犯罪への関与レベルや米国にいる家族との関係を考慮せずに取り締まりを強行していると主張している。
 ケリー長官は声明で、不法移民による犯罪は殺人から飲酒運転まで多岐にわたると指摘。ICEによると、逮捕された移民の中には、強制退去の最終通告を無視した者もいるという。
 トランプ米大統領は犯罪歴のある移民200万─300万人を国外退去処分にする方針を明らかにしている。
 ロイター 2/14(火) 14:30

++++++++++++++++

 こういう数字が出ているのだから、メキシコ人はまずこれを恥じてしかるべきだ。ここでも「不法」を無視して騒いでいるような人権屋が出てきているが、そういう輩と一緒になって騒ぐのではなく。


 トランプ大統領の政策は、関係者との調整を欠く拙速なものも目立つ。

 入国禁止令もそうだし、また、


++++++++++++++++
 トランプ氏、ボーイングFA18スーパーホーネットの大型発注示唆

 トランプ米大統領は17日、米ボーイングの戦闘機FA18スーパーホーネットの大型発注を示唆した。サウスカロライナ州のボーイング施設を訪れた機会を利用して、米軍の最新鋭戦闘機F35を製造する米ロッキード・マーチンにコスト削減を促した。
 ボーイングの787(ドリームライナー)新型機公開イベントで、トランプ大統領は「われわれは真剣に大型発注を検討している。そうなる可能性があると思う」と述べた。
 米国防総省は生産と並行して開発を続けているロッキードF35と、1990年代に設計されたスーパーホーネットとの性能比較を進めている。トランプ大統領はコスト超過と納入遅れでF35を批判しており、スーパーホーネットの価格が相対的に安いことを理由にF35の一部を代替する可能性を示唆した。
 トランプ大統領は「価格が下がらなければ」代替するだろうと記者団に発言。「F18は素晴らしい戦闘機であり、これにステルスの性能が加わる」と語った。
 原題:Trump, With Praise for Boeing CEO, Hints at Big Fighter-Jet Deal(抜粋)
 Bloomberg 2/20(月) 8:07

++++++++++++++++

 この話でも、F-35がなぜ「ジョイント・ストライク・ファイター」と名付けられたか、それが軍全体のドクトリンのどういう変化で出てきたのかを考えずに、ただ価格駆け引きだけで話をしている。
 そういうところをきちんと批判するのはありなのだが、「うぬぼれリベラル」は、自分たちの正義が脅かされることに危機感を感じ、歪曲とレッテル貼りでその高みを守ろうとしている。

 そんな勢力のプロパガンダに乗せられて、我が国の政治家までもが「トランプは馬鹿。それと仲良くする安倍はポチ」と罵る醜態を見せているのだから、まったくこの手の「意識高い系」は社会の害悪である。



 おまけ。


++++++++++++++++
 カーリー・クロスが謝罪、撮影で日本人女性の格好

 モデルのカーリー・クロス(24)が、ファッション誌「ヴォーグ」の撮影で日本人の女性の格好をしたことを批判されて謝罪した。
 カーリーは黒髪のウィッグに和を意識した衣装を着て、実際に日本のさまざまな場所で撮影を行った様子。写真家のマイケル・ヤンソンが手掛けていて、相撲力士と写る写真もあった。
 しかし、これらの写真に人々はカーリーが“イエローフェイス”で撮影したと批判し、「人種差別」「ヴォーグ、本気なの?」とコメントしている。
 批判を受けてカーリーはツイッターに、「文化的に敏感ではない撮影に参加してしまって、本当に申し訳ありません。私の目標はいつも、これからも女性を力づけて、インスパイアしていくことです。これからの撮影やプロジェクトではそのミッションを反映したものであることを約束します。心から、カー リー」と謝罪した。【ハリウッドニュース編集部】
 日刊スポーツ [2017年2月16日10時43分

++++++++++++++++

 白人系の女優が「日本人の真似」をして写真を撮ったことで、アメリカでは「差別差別」の合唱が起きているという。
 日本人にはまったく理解できないし、こんなことで「差別された!」と感じる者もいないだろうに。いったい何を騒いでいるのだろう。


 昔「007は二度死ぬ」という映画の中で、「ボンド君には日本人になってもらう」というシーンがあった。
 私的にはショーン・コネリーを日本人ぽく見せるにはまずその胸毛をなんとかすべきだと思うのだが(笑)、映画の中では髪や眉を染めるぐらいで「日本人」だと言い張っていた。
 その頃にはこんな「それは差別だ!」という声など上がらなかったのに、今はこれ。
 なにやら白人が「カラード」の姿をすることが「その人たちを馬鹿にしている」とする風潮がアメリカにはあるらしい。外から見るとそれは「白人は偉いという歪んだ上から目線」があるから生じる意識を他者から指摘されたくないがために「逆説の予防線」を貼っているようにしか思えないのだが、そういう歪んだ意識で「差別!」のポリティカル・コレクトネスの棍棒を振り回しているのがアメリカのリベラルだということを知っておこう。

 こういう者たちの言うことをまともに聞いても、そんなものは耳垢落としにもならないことがわかるだろうから。



 本日のオタク。


++++++++++++++++
 電話機愛しすぎてマイ博物館 世相映す140台、実家に


(写真、朝日新聞デジタルより。「てれふぉん博物館」のコレクションの一部と館長の稲谷秀行さん=大阪市住吉区、小林一茂氏撮影)

 約130年前の電話機からカラフルな公衆電話まで、様々な電話機を収蔵したユニークな私設の博物館が大阪の住宅街にある。戦争や不況、経済成長……。ずらり並んだ電話機は、世相の移り変わりをしのばせる。
 大阪市住吉区。民家の敷地の一角にある「てれふぉん博物館(ミュージアム)」を訪ねると、館長の稲谷秀行さん(55)が、ダイヤルをデザインした玄関を開けてくれた。
 館内には、稲谷さんが集めた電話機670台の中からえりすぐった140台のほか、電話帳やポスターも展示。関連の書物2500点や電話を発明したグラハム・ベルが日本の友人に宛てた自筆の書簡もある。
 稲谷さんにとって特別な一品は、沖電気(OKI)製「イ―661自動式卓上電話機」。1985年ごろに雑誌で見つけ、カブトムシのような漆黒のたたずまいに心を奪われた。骨董(こっとう)市でようやく見つけ、電話機の収集を始めるきっかけになった。
 朝日新聞デジタル 2/20(月) 14:41

++++++++++++++++

 すごいなこの人。

 電話機なんかが骨董市に出てくることもあるのか。
 昔、まだNTTが電電公社といっていた時代の電話機は公社からの貸与という形になっていたはずだから、一般家庭で「自前で電話機を買っている」ところなど少なかっただろうになぁ。


 ただ、この電話機の変化は「世相」というよりは「技術の進化」を表すものになっているのではないのかな、朝日新聞さん?
 まあ、この人の場合は電話帳やポスターなども集めているというから、そちらの方で世相を見ることはできるだろうね。

 グラハム・ベルに日本人の友人がいたとは知らなかったなぁ。