「緊張のコントロール法(3)」byスタニスラフスキー・システム | 演技の悩み解決ブログ スタニスラフスキーの孫弟子が演技力向上メソッドの真髄を大阪よりお届けします。         

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スタニスラフスキーの孫弟子が答える演技力向上メルマガ             第15号 2012年3月20日 

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田中です。

前回の私からの質問にコメントを頂きました。
ありがとうございます!
そこで、今回はお二人の意見のご紹介から始めたいと思います。


質問 緊張は役の人物として生きるのに、重大な忘れモノをしている時に現われる。さて、その
重大な忘れモノとはどんなモノがありえるでしょうか?


<しおやさんのコメント>

忘れもの…いくつもあるうちの、ひとつはその役は直前に何があったか?ではないでしょうか?
直前に、役柄上も緊張するような出来事が起きていたなら、緊張感を正当化する事もできると思います。


<ケットシー@パズル系大好きさんのコメント>

個人的に考えられる、重大な忘れ物ですが……役がそこにいる必要性でしょうか
細かく分けますと……

・シーンの場所
・シーンでの役の目的
・目的を達成するために役が考えている事
・シーンの前までに役が5感で体験した出来事
・相手との具体的な関係性


どちらもとても良い答えですね。
私もお二人に同感です。

私なりにまとめるとするならば「重大な忘れ物」とは・・・

しおやさんの指摘するところの「その役は直前に何があったか?」によって生じた役の人物の行動の動機が、ケットシー@パズル系大好きさんの言う「場所、相手との関係性」などによって「より具体的になった目的と実現可能な本物の行動」ということになります。

つまり、「本当に具体的なレベルまで行動が落としこめているかどうか?」がカギになるということです。


「ノミの心臓」といわれていた頃の私にはそのへんの区別がまだシッカリとできていないようでした。

恩師達には口酸っぱく「俳優は真実についてでなく行動について考えなさい」と言われていました。

私にしてみれば十分に「そんなこと分っている」つもりでしたし「行動の目的」を持っているつもりでした。
でも、なんども大きな失敗を重ねていました。

もっともツラかったのは稽古ではあれほどこみ上げてきた感情が本番では無理強いしないと感じられなかったりするときです。

溢れる涙を抑えようとして生じる表現と、涙を流そうとする表現は、それこそ180°違います。

演じている自分としても情けないばかりで、お客さんに顔を向けるのさえ恥ずかしいぐらいでした。

ですから、緊張をコントロールするためにできることは色々と取り入れました。
自律訓練法、古武術を応用した体操、瞑想など・・・

中でもヨガはかなり効果的だったので、はまりました。


それでも、舞台における緊張をコントロールしきるには不十分でした。身体的なアプローチで一時的に緊張を取り除くことはできます。
ですが、もし、そのときに本質的な軌道修正をしていないのであれば、本番では緊張が復活してしまうのです。

緊張の発するメッセージに深く耳を傾けないまま緊張をただ封じ込めただけという結果になってしまっていたのです。


そして、次第に余計な緊張を感じる時にはこのように自問するようになっていきました。

「自分は本当に今から、誰に対して、どんな影響を与えたいと感じているのか?そして、今、ソレを達成する為にどんな方法を知っているのか?」と・・

すると、案外、自分が全く別のことに気を取られていたのだということに気が付き始めたのです。

いつでも、役の目的を設定しているつもりでした。でも、具体的な行動まで落とし込めていないとどうなるか?
どうしても役の人物の目的よりも、演じる私の欲求のほうが勝ってしまっていたのです。


「昨日、演出家に注意された点に気をつけよう」だとか
「いつものように、リラックスして」とか
「今日は、アイツが見に来ているから自分が優れていることを証明したい」とか
「昨日の良かったところを今日も繰り返そう」などです。


これらは当然、役の目的ではありません。また、実現できる行動でもありません。

このように、私は無意識の内にも自分では手に負えないものを欲しがっているときがあったのです。
そんなときは必ず、余計な緊張に襲われ、演技はガチガチで大きな痛手を負うことになりました。

緊張を軌道修正のチャンスと捉えて、自分の本当の目的を点検するようになってからは緊張は怖くなくなりました。

もし、緊張を感じたら、今、自分が何を目指しているのかを丁寧に点検する習慣を身につけましょう。

「上手く演じたい」「恥をかきたくない」「怒られたくない」「しっぱいしたくない」「優れたところを見せたい」は誰にでもある欲求です。

それを完全になくすことは難しいかもしれません。

でも、それらの欲求をも上回るような「役の人物の行動の目的、動機」を身につけられるまで役の人物の掘り下げていきましょう。


事前に何があったのか?
今から何をしたいのか?
具体的に何を誰にするのか?
どんな反応が欲しいのか?

など、自分が役の人物として具体的な目的をキチンと持てているかどうかをチェックできる質問事項を用意しておくと良いでしょう。


それでは、これまでにお話した内容を簡単に確認できる方法がありますので次回ご紹介したいと思います。
2012年3月22日16号「スタニスラフスキーが提唱した緊張のコントロール法」をお楽しみに!!

本日も最後までお付き合いありがとうございました!!


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