脂肪肉腫はとても珍しい悪性腫瘍で、標準的な治療法というものは確立されていない。
基本的に「手術で摘出する」ことが一番確実な治療法で、ここで食い止めることができれば治癒する確率が高い。(これは悪性度の低いタイプに限る)
数値的にみると悪性度が低いタイプと早期発見で手術で十分治癒が見込める脂肪肉腫の場合、10年生存率は90%くらいです。
個人的な意見としては症例数の少なさから、統計の数字は他の病気よりも変動する(良くも悪くも)可能性があると思います。
悪性度の良いタイプ、悪いタイプに限らず肉腫に関する予後の数値は流動的であり、今後どんどん変化するのでは?現在、治療法が少ないということは逆手に取れば研究が進めば数値も変化すると思います。なので、あくまで基準的な数値にすぎないと考えています。
悪性度が高いタイプの治療法は、再発・転移してしまって手術不能なものについては、「化学療法」「放射線療法」などを組み合わせた治療が必要となる。
ただ、ここでいう化学療法、放射線療法というのは、がん細胞を完全に破壊するというよりコントロールするという意味合いなのではないかと思います。現状を考えると完治させることはとても難しく、コントロールすることで悪化を抑え、この肉腫という「がん」とつきあって生きていくということなのかもしれません。
そもそも標準的な治療法がないということは、効果の保障がないということ。手探りで治療をやらなければならないということになります。つまり悪性度の高いタイプの脂肪肉腫と闘うには、「いかに肉腫の情報を知っているのか。可能性のある治療法(武器)を知っているのか」が重要になります。
当然、病院とそのドクター、看護師さんなどの信頼関係はとても大事になりますが、単純に医師の指示を待つだけではなく、素人とはいえ多くの情報、医学知識を持つことで病院側と積極的な討論をし最善の治療法を探っていくということが重要になると思います。
脂肪肉腫をはじめとする軟部肉腫の治療法は症例数も少なく研究が進んでいないこともあり限りがあります。(化学療法などで用いる抗がん剤などの種類は認可されていない薬も含め少ない)そして当然ながら費用の負担も大きくなります。
そのため既存の一般的な治療法で治癒へ向かえば問題はないですが、効果がなかった場合はとても大きな問題となってしまうのです。
「情報」を多く集め、使える武器のことを知っておくことはとても重要になります。
一刻も早く、肉腫に関する確立された治療法、効果的な新たな治療法、薬ができることを願います。