ホスピスにはいってしばらくたった頃、胃の調子が悪くなった事と腫瘍成長と共に腫瘍熱が強くなってきたこともあって熱のコントロールがうまくいかなくなっていきました。



胃は寝ている状態が多く身体をあまり動かせていなかったりしていたので胃の動きが悪いという事と腫瘍による圧迫などもあり、しゃっくりが止まらない、胃にガスがたまり痛みや胸焼け、圧迫感、吐気といった逆流性食道炎の様な症状が起きてるようでした。



熱に関しては腫瘍の影響もありますが吸収率が落ちた事(推測)で薬の効果が落ちた事。吐気などにより薬の成分が吸収される前にもどしてしまうなど様々な要因によってコントロールが難しくなってきたのだと思います。



胃の不快感に対する対策としては点滴で胃腸の動きを良くする薬、緊張を和らげるタイプの精神安定剤を使用しましたが完全にコントロールする事はなかなか難しい感じだったので最終的に鼻から胃に菅をいれる事と薬で対応しました。

少しは効果あったかな?…微妙だったかなぁ?汗



熱対策はロピオンを点滴で使う事で対応し、うまく熱のコントロールができました!
 

 

ロピオンは癌の鎮痛剤としては効果的ですが副作用、使用制限などを考えると彼の消化器系の問題、肝機能障害、腎機能障害、出血リスクなど問題がないわけではなく使用するにあたって注意が必要な状況でした。

 

 

ただ、彼の癌の進行状況や今後の予測などを考えると緩和という意味では最適な薬であり使用するタイミングは正しかったと感じます。
 

 

 



熱がコントロールできる様になった後は体調の良い日も増え少し食事をとれたりしたのでうまい棒や饅頭たべたり、サイゼリヤのテークアウトでイカスミパスタやお気に入りの辛味チキンをたべたり!
 

 

 

 

 



一番のサプライズは私と共に彼を支えてきたT村が大好きなラーメン屋さんのラーメンを本来ダメなのに交渉して生面と具とスープをテークアウトしてきて病院で調理してみんなで食べたこと(((o(*゚▽゚*)o)))
 

 

 

 

 

 

 



その他にも病院の外へ出て吸いたかった煙草を吸ったり笑 、四ヶ月ぶりにお風呂へ入ったりといろいろな事が叶えられました。
 

 

 

 

 



その後は睡眠障害の悪化で睡眠薬を仕様しても一睡もできなくなる様にもなっていきました。

 

 

睡眠薬を仕様していながら眠れないと意識が不安定で突然何かをしだしたりという行動が起きるので看病をしている身内の方々は大変だったと思います。

 

 

 

 

最終的には呼吸停止のリスクはありましたが身体の状態、タイミングで麻酔に近い薬を使う事で安静になるようにしたようです。

 

 

 

 

その翌日は薬の効果も無くなっている状態でも日中もそのまま眠り続けてました。

 

 

ただ、聴覚などはしっかりしていて意識が無いような状態でも声を聴いていて、たまに何かを言いたそうにしていたみたいです!



人間は不思議なもので身体の状態がギリギリになった時、生命維持の為に必要な機能以外は停止し必要な機能だけを維持しようとすることがあると言いますが、まさにその様な状態だったのかもしれません。
 

 

 

 

 



そして苦しむことなく家族に見守られながら静かに息をひきとったということでした。
 

 

 

 

 

 

 



彼は自分が死ぬ時は家族に見守られながら静かに逝きたいと願っていました。
 

 

 

 

 

その意味は自分が苦しみながら逝ってしまったら残された奥さんと家族はそのことがトラウマになってネガティブな人生をおくってしまうかもしれないという思いでした。
 

 

 



そんな彼の思いが叶ってよかった!
 

 

 



もちろん痛みや苦しみではなく眠る様に息をひきとったのは彼が苦しまなかったということも含めてホントによかったです。
 

 

 



後日、彼に会いにいった時の彼の表情は穏やかで微笑んでる様にもみえました。







この闘病生活中いろいろな事がありまし。彼や彼の奥さん、親族の方々にとって想像を絶する苦しみがあったと思います。

 

 

患者本人である彼の苦悩はとてつもないものだったと思います。

 

 

でも、目標を決めて行動して、したいコトを一つ一つ達成してきたと思います。今まででは思えなかった楽しいことも、幸せなコトも沢山あった。
 

 

 



彼ともこんな話をしました。

 

 



健康な人には絶対に得られない領域があるんじゃないかと。

 

 

病気になった本人にしか得られなかった感覚、考え、、楽しさ、幸福感、優しさ、厳しさ、思いやり、命の大切さ、人生観、そして、あたりまえなことの大切さ。その他、多くの事が得られたんじゃないかって。

だからそんな彼だからこそ得られるモノや感じられるコトがあるとすればそれは凄いことだと。
 

 

 

この事はきれいごとかもしれません。


 

 

 

 

 

けどそんな彼の人生はスゲー価値があって、素晴らしくて、最高にカッコ良かった。
 

 

 

 

 

 

 



何よりもガンになってからなのに当時彼女だった現在の奥さんから結婚の告白をしてもらって(逆プロポーズ笑)入籍し共に歩んできた時間は、なににもかえがたい幸せな時間だったと思う。



だってこんな素晴らしい奥さんがそばにいてくれたのだから、不幸な人生だったなんて誰にも言われたくないはず。





少なくとも私は彼は最高の人生を送ったんだと思います。

彼は最高に幸せ者です!

 

 

 

 



だから、ヤツの人生は不幸だったなんて誰にも言わせない。



もちろん、これからまだまだ続く彼の奥さんの人生も!







でも、矛盾しているかもしれないけど私にとって何にも変え難い一番の親友がいなくなることはそりゃ凄く寂しいです…
 

 

 



けど、いつまでも凹んで落ち込んでなんかいられません!





自分のことより人のことばかり気にして心配していたヤツに怒られます笑
 

 

 



それに、彼の人生が幸せなものだったと思うなら落ち込んでるのはやっぱりおかしいですからね!







彼との最後の会話は
 

 

 



俺「じゃ~またな。また会いにくるからね」



奴「うん。待ってるよ~。ありがとう」


 

 

 



俺がどんなに長生きしても宇宙レベルの次元で言えば人の一生なんて一瞬さぁ!
 

 

 

 

 





だから、すぐに遊びに行くからなぁ~

煙草でも吸って待ってろなぁ

おまえが煙草一本吸い終わった頃にはいけるだろ((ヾ(○・ω・)ノ☆・゚::゚ヨ











まぁ、心の中ならいつでも会えるけどね(。 >艸<)









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