今回の再発は内心ヤバイと思っていた…
予期せぬ腸閉塞はその不安を増幅させました。

そんな時、有効な抗がん剤がない事もあり治験のトラベクテジンでの治療を行えるというとこまできていた…

しかし…この嫌な予感はあたってしまった。

この数週間という短期間に体内では大きな変化がおきていた!

再発した脂肪肉腫の成長速度が一気に加速。進行がかなり早く、浸潤もかなり深刻な状態で腹部全体を侵食し腸壁にも侵食が拡がってしまったのだ。

昨年行った手術により股関節内全摘を行ったので人口肛門、人口尿道の二つのストーマを装着した身体となり。そしてさらに先日の腸閉塞で上部の大腸をパイパスでつなぎなんとか腸の機能を確保したとこだった。

この状態で、下腹部内全体に深刻な浸潤が起きてしまった。

腸閉塞は再発した腫瘍の成長速度が早かった事による圧迫と小腸まで浸潤したことも原因で腸閉塞を起こしたらしい。

少なくともこの手術の時ゆちゃくが強かったという理由もあるが必要のなくなった腸の一部分は摘出する事なく縫合していた。

この理由は開腹したさい浸潤はすでに広域に侵食しており不要となったとはいえバイパスして使用している重要な腸管を浸潤から少しでも守るための壁になってもらうために残されたのではないかと推測できる。

実際は他の理由があったのかもしれないが、結果としてその役割をしている状態だと説明をうけた。

どちらにせよ、この状態で腫瘍摘出手術は不可能だ…

通常の腫瘍でも浸潤されている事を考慮し腫瘍の外側を最低2cm以上切除する。浸潤が酷い場合は最低外側の組織を5cm以上の切除が必要となる。
つまり今起きている状態では腸の全摘が必要なのだ。しかし腸は全摘できる臓器ではない。生命維持ができなくなるからだ。その他にも足の骨、股関節の切除も必要になる。

治験のトラベクテジンも腸閉塞のバイパス手術の時に行った全身麻酔、以前に長期間行った化学療法、そして腫瘍の進行速度の影響か?進行が早く巨大化する脂肪肉腫は浸潤も深刻になりやすい…。

またその他、何らかの原因による臓器機能の低下。などにより腎臓、肝臓の状態が悪く回復どころか悪化していて、とても抗がん剤に身体が耐えられない状況になくなってしまった。

つまり打つ手が消滅してしまったのだ…

ドクターと話をしていて治療の余地がない状況になっていることを痛感させられた。

仮にトラベクテジンを投与する事ができ効果がでたとしても根本的な解決にはならない事も理解できた。

これ以上の治療は逆に身体を痛め生存期間を短くしてしまうリスクが高く、無駄に病院に拘束されてしまう事も理解した。

そして腹部内の状態を考えれば腹膜炎。敗血症。腫瘍破裂。動脈破裂。臓器不全。などのリスクも当然あるだろう事も推測できる。

その後、ドクターからは当事者とその家族に有効手段がもうない事。
緩和ケアをうけることで残りの時間をどの様に過ごすかを考えて行く事が良いのではないかとの説明があった。

みんなドクターの説明に頭が真っ白になり詳細がわからなかったというので後日、友人の許可をもらいもう一度、今までの治療経過と現在の状況、今後の予想される状況をいろいろと質問し話し合いをした。

正直…言葉をなくしそうだった…

いままでの治療の経過から推測していた最悪の状態だったからだ…

通常、ドクターから治療不可能と言われても方法がゼロというわけだないことも多いが、病状.身体の状態からすると免疫療法などにより延命期間をのばす効果も期待できない。

免疫療法は抗がん剤との併用によってその効果を発揮する治療法だからだ。また進行速度が早く巨大化するタイプの脂肪肉腫には効果が期待できない。

認可されている治療法、不認可の治療方問わず、おかれている状態に対して適切な治療法がなければこの現状を受け入れなければならない…

現在は腹腔の腫瘍と腸の間に管を入れ腹腔内に溜まっている浸潤により腫瘍からはがれた、がん細胞と腸からの老廃物を含む水を抜くことで状態が安定するのを待っている。

水がたまらなくなり管が抜ける状態になるということは、短期的には安定し痛み、発熱などのコントロールができれば自由もかなりきく状態までになると推測できる。
ただし、浸潤による腫瘍の侵食で腹腔内が腫瘍の塊で覆われたことになる。
その後どうなるかは……運にまかせるしかない…

ここ数日でお腹にたまる液体の質が変わってきている。

点滴でアルブミンを使用していたし、
溜まっている液体の色からしてタンパク質が多量に漏れ出しているのだろうと推測できる…思いのほか進行が早い…

高い発熱も繰り返しており要因は色々あるはずだが根本的な原因を調べているところだ。

今のところ腹膜炎、敗血症は認められていないが解熱剤での発熱をコントロールはうまくできていない。
現状、肝臓、腎臓の機能低下からカロナールしか使える薬がない….。

発熱の要因は多数あると考えられるがとりあえず、抗生剤を色々試して効果が出るものを探っている状態だ。
その他、血圧、心拍、サチレーションの数値に特別な異常はまだおきていない。

全体的には衰弱が進んでいる。

でも、こんな日がくる事は、最初からわかっていた…ただ…でも…悔しい…

でも、絶望もしていない。希望もなくしていない。

まだ、やり残した事が沢山ある。

残りの時間をどう過ごすのか?どう向き合うのか?

この脂肪肉腫という癌になった時から何があっても最後まで一緒に戦うと。病気と向き合うと誓った。

友人はすでに現実と向き合っている。

俺が本当の意味で覚悟をし向き合うという事はこれからなのかもしれない。

でも死なれてしまう覚悟はまだてきていない。する気もない。

けど残りの時間を一緒に戦い、向かい合い、どんなに辛くても絶望する事なく希望をもち。最高の終着点を目指して生きていく覚悟はできている。

こんな感覚になったのは、自分の息子が二歳の時、脳症で突然倒れ植物状態である脳死状態になり死を宣告され時と今回の出来事で二度目だ。

でも涙はまだこぼれない…

まだ全ては終わっていない。
これからだ!

友人と奥さんの希望、願いがかなえられるよう全力で突き進むのみ。


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