先日、国立博物館の賛助会員感謝デーに行ってきましたが、学芸員による「特別展のみどころ」についてのレクチャーがあったので書き留めておこうと思います。

 

今回の賛助会員感謝デーのレクチャーでわかった事があります。

「特別展の観覧は、事前説明が有る無しで見方が全く違う」

という事でした。有料で音声ガイドなど借りられますが、違った楽しみ方はとても面白く興味深かったです。

 

これから「神護寺~空海と真言密教のはじまり」を見に行かれる方は参考にしてくださいね。(一部だけ書き留めておきます)

 

事前の講演会での見どころを書いてもよくわからないので事前に国立博物館からいただいた展覧会カタログを参考に書き留めようと思います。

展覧会カタログは会場で買う事も出来ますよ(2800円)

 

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まず目を引く大仏様(薬師如来)は神護寺の本堂に安置されているそうで、今まで神護寺の外に出たことがないそうです。今回初めて京都から東京に旅をしてきたので、非常に稀なものを見る機会になるそうです。

学芸員の方は「奇跡」とまで言っていました。

 

そして、本堂では正面しか眺めることが出来ないため、今回のように横面や背面から見ることが出来るのは「最初で最後だろう」と。

 

 

 

神護寺教と呼ばれる経典は、後白河法皇によって神護寺に奉納された書物

中国の唐時代に編纂された「貞元新定釈教目録」5400巻のうち、2317巻が神護寺にあるそうです。(これはすごいことスター

 

経典は紺神に金泥でお経が写されているらしい。

12世紀の平安時代、金を使う事が出来たのは天皇など限られた人であったため、希少価値が高いようです。

 

 

また、経典は10巻ずつ竹の簾のようなものを絹糸で織り、裏面は萌葱色(緑色)の布が当てられたもので包まれ保管されているそうです。

法隆寺の宝物も同じような製法のモノで包まれているし、正倉院の宝物も同様だそうです

 

 

 

空海(弘法大師)が書いたとされる歴名(人の名前を記した帳簿のようなもの)
書き損じなのか、墨で文字を潰し消してあるところが現代の人と同じで、空海も普通の人間だったんだ~と親近感がわいたそうです笑

 

 

 

 

日本に初めてもたらされたと言われている密教仏具。

金銅密教法具。

空海が唐から持ち帰ったものとされているもの。

空海の肖像画にも描かれている事が多く、空海が持ったと考えると、拭いたりできないそうですよ。(推し活みたい)

 

 

 

神護寺の復興を強く勧めたのが文覚上人。

後白河法皇に直訴し復興を推し進めようとしたために、伊豆に島流しにされてしまったそうです。伊豆で出会ったのが同じく島流しに遭っていた源頼朝で、頼朝は神護寺復興の支援の約束をしたそうです。

 

後に、文覚は寺僧が守るべき規律や寺院運営についての考えを記したそうだけど、後白河法皇の手形が押してあるのがなんとも貴重なんだとか。

 

 
ぜひ、後白河法皇の手の大きさを確認してみるのがおもしろい・・・って。

 

 

 
文覚上人の神護寺復興を助けた源頼朝。
神護寺には源頼朝らしき人物の肖像画が残っているそう。
 
あまりに有名な源頼朝の肖像画だけど、頼朝じゃないかも???
 
歴史の教科書にも出てきて有名な「源頼朝像」
実は、この人物が源頼朝だと決定つけるものが残っていないため、本当に源頼朝の肖像画かどうか?議論が分かれているそうですよ。
 
 
最後は高雄曼荼羅。
神護寺に伝わる縦4m✖️横4mの巨大な曼荼羅。
曼荼羅を収納する箱も展示されていましたが、今現在使われているものは神護寺にあり、展示は1つ前の江戸時代に作られた入れ物だとか。
 
高雄曼荼羅は2016年から8年かけて修復しての展示らしいですよ。
 

 

 

曼荼羅の全体は金銀で描かれたものらしく、歴史的文化的遺産になるようです。

 

その大きさに圧倒してほしい・・・

遠くから眺めて、近くで眺めてほしい・・・

金銀を施された凄さを感じてほしい・・・

 

国立博物館に展示されている奇跡をわかってほしい。

 

学芸員は興奮して話してくださいました。

 

 

 

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