○居酒屋にて
「最近、思った」
「何を?」
「結局、どう転んでもオレは不誠実だ」
「どう転んでも、って、転ぶ方向すら私にはわからないんだけど(笑)」
「彼女が欲しかったんすよ」
「うん」
「でも、オレはもてるわけじゃないから、
たくさんの女の子に声をかけていったんだよ。
数打ちゃ当たる的に」
「へー」
「メールしたり、電話したり、メシ行ったり」
「メシって、2人で?」
「そう、2人で」
「ふーん。
それって、なんかもう、向こうも気があるような……
まあ、いいや、で?」
「そしたらさ、まさかまさかで、どの子ともうまく行き出しちゃってさ。
最近は、向こうから電話してきたり、
週末、遊びにいく約束してきたりするのよ」
「よかったじゃん。モテモテだね」
「そうなんだけどさー。
オレ、こんなにモテたことないしさ、
ていうか、そもそも、こんなにうまくいくとは思わなかったんだよ」
「きっと、ダメもとでがんばったのが良かったのね」
「今、そんな感じで、良い雰囲気の子が4人いてさ」
「へー。へー。
誰と付き合うの?」
「実は決められてなくって」
「モテる男はツライねぇ」
「てかさ、一応、向こうをその気にさせたのはオレじゃん?
オレからアタックしてって、仲良くなっていったんだから」
「んー。
ま、はい。で?」
「これで4人の中のうち、誰かと付き合ったら、
残りの3人は、オレがもてあそんだってことになると思うんだよ」
「うん」
「それって、すごく悪いことするな、って思って。
でも、いずれは誰かを選ばなくちゃいけないわけで」
「そうだね」
「だから、どう転んでも
オレは不誠実な男になるんだな、と思ってるんだよ」