○電話にて(夜)
「してないよ、浮気なんか」
「どうだか」
「してないって」
「口じゃなんとでも言えるけど、
電話切った途端、何してるかなんてわかんないもんな」
「ねぇ」
「あ?」
「なんで最近、何かにつけて
浮気してる、浮気してるって言うの?」
「そうか?」
「ホントにしてないって。
同期の相談に乗ったのは事実だけど、
一緒にお茶を飲んで、それだけだよ?」
「ふん」
「もし、そういうことすら気になるっていうなら、
同期と二人っきりで会うのもやめるよ。これからは」
「まぁ、別にそこまでしなくてもいいんじゃない?」
「だって、
そうでもしないと信じてくれないじゃん」
「いや、信じてるよ。
信じてるけど、ちょっと心配になっただけだよ」
「そうなの?
ホントに信じてくれてる?
心配してくれてる?」
「してるって。
マジ、マジ」
「でもさ、でもさ」
「なに」
「ちょっと思うんだけどさ……」
「なんだよ、早く言えよ」
「うん……」