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5月2日(その2)英語で語りかける声

前の日記で、後述すると言っていた。メイン・サンクチュアリー(訳して中央聖域?)での体験について記す。


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この日は、前述のように疲れていた。疲れていたので瞑想しても眠くなる。

この場所は瞑想用に作られているのだが、たしかに瞑想には持って来いである。静かだし、日が当たりすぎることもなく、温度は暑くもなく寒くもなく、いすの座り心地はよく、お尻が痛くならない。

瞑想は寝ては駄目だと言われるかもしれない。しかし、僕の経験ではきちんと眠って目が覚めたあとが面白い。眠くないのだが、かといって何かに気がそがれることもなく、集中して受け入れるような状態になる。

この日は、居眠り状態を含めて2時間以上は瞑想したのではないだろうか。

そのような状況で、僕は、自分が英語で、

「I don't need a guide. 僕にはガイド(指導霊)は必要ありません。」

という言葉を繰り返し言っているのに気づいた。どうしてかは分からなかった。今考えてみると、

「何かが来る!」

と、構えていたのかもしれない。すると、次のようなインスピレーションが英語で湧いてきた。

***

You don't need a guide. あなたにはガイドは必要ありません。

But you need an experience. あなたに必要なのは経験です。

People's suffering, anger, and despair. 人々の苦しみ、怒り、そして絶望を経験することです。

Then you are a guide. そのとき、あなたがガイドになるでしょう。

There's no sky, no ocean. 空はありません。海もありません。

Everything is connected. すべてのものがつながっているのです。

It is too late to escape. もう逃げ出すことはできません。

You don't need a guide. あなたはガイドを必要としていません。

You are a guide. あなたがガイドなのです。

***

とにかくびっくりした。英語でインスピレーションが浮かんでくることなんてはじめてだからである。そして、その内容は思いも寄らないことだった。言っている意味は、非常に唐突である。もしかしたら、新型インフルエンザのために5月後半のアメリカ行きをキャンセルしようかと考えていることと関係しているのかもしれない。

いや、それ以上のことを示唆しているのかもしれない。僕は、今回の旅を通して、スピリチュアリティに関わる場所を実際に見て知識を深めようと思っていた。同時に、どこかで自分自身何かスピリチュアルなものを求めていたのかもしれない。しかし、また、僕はいわゆる「スピリチュアルな人々」に距離感を持っている。彼らが大事にするものを否定しようとは思わないが、自分自身どっぷりハマろうとは思わない。既存の宗教文化や哲学思想の深い部分に比べると、浅薄な部分があるのは否めない。が、それで片づけられるとも思わない。ある種のスピリチュアルな考え方には、生きるうえで人を力づける何かがある。宗教の神学や哲学思想は抽象度が高すぎて、そのような力を持ちえない。アリストテレスやカントよりも、江原啓之のほうがずっと生きる力を与えられると言う人は多いだろう。

僕は、どっちか着かず。あるいは、アンビヴァレント。しかし、だからこそ、「スピリチュアル」な人と、アンチな人とのあいだをつなぐことができるのではないか。

そのような僕に挑んできたインスピレーションである。もちろん、インスピレーションとはその人が無意識的に考えていることを表しているとも言える。だが、インスピレーションとは、普段考えていることとは違う内容を持つものである(そうでなければ「はっ」とさせられることはないだろう)。だから「驚き」をもって迎え入れられる。それは自分のなかから出てきたことなのかもしれないが、現在の自分を超えているのである。同時に、それはどこまでも、「自作自演」の可能性をはらんでいる。

今回のインスピレーションは、僕に「世界の悲惨さ」を体験せよといっている。自分だけ無縁であろうとするな。いや、それはもう遅い、と。何て残酷なことを言うのだろうと思った。

それどころか、「スピリチュアル」の後追いをするのはもうやめろ、と言っているようにも思える。傲慢だろうか。宗教学者が「後追い」をやめるときは、宗教学者をやめるときである。自己反省性を失って、独善的になるのはいやだ。

僕は、あくまでこの「声」と対等に接することにした。

結局、自分は自分の場所でできることをするしかないのである。ややもすれば、このような声に盲従すると、自己満足と自己犠牲に引き裂かれた矛盾した人格になる可能性がある。

しかし、僕はこの「声」を、旅の一コマとして捨て去るつもりはない。

一生忘れることがないだろう。

そして、それが自分にとって何を意味するかを繰り返し考えることになるだろう。

それが対等に接するということで、僕が言いたいことである。



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この日は低調だった。大きな声ではいえないが、風邪気味である。

なぜ大きな声で言えないかというと、新型インフルエンザが流行っているからである。日本に帰るときに空港で、風邪気味だったと言うかどうか。

いいや、風邪気味ではない。ちょっと疲れているだけである。

ゆっくりと9時近くまで寝る。

宿のご主人と挨拶を交わす。

「よく眠れたかい」
「いやあ、だいぶ長く寝ました。」
「それが必要だったんだね。昨日、日本から来たの?」
「いいえ、僕はUKには4月9日に着いたんです。で、メキシコには行ったことありません。」
一瞬、間が空き爆笑。
「はははは。それで、メキシコに行く予定は?」
「いやあ、ありませんよ。でも……、アメリカに行く予定はあるんです。」
「ふむ……。アメリカのどこ?」
「アリゾナ州です」

それから、カリフォルニア州も、といおうかと一瞬間が空く。すると、

「そして、カリフォルニア」
「そうそう、カリフォルニアにも行くことになっているんです。でも、今朝のニュースだと、ロスから成田に着いた女性がインフルエンザ陽性だったって言ってて。それで、アメリカ行きをキャンセルしようかどうか迷っているんです。」
「うーん。ニュースを注意してみたほうがいいね。」

このやり取りで確信した。昨日のやり取りといい、この人、僕が考えていること、言おうかなと思っていることが、心のなかに浮かんでいるようだ。

それから、各国の新型インフルエンザのニュースの違いについて話した。

日本は感染者もいないのに、対応のあわてぶりを報じている。不安を煽っている。むしろ感染者が出ていないから、不安が募るのだろう。

イギリスは、客観的に、海外旅行者と接触していないのに感染している人がいることを報じている。つまり、国内で2次感染が起こっていることを示唆している。

アメリカが恐ろしい。すでにこの時点で、感染者は140人を超えている。にもかかわらず、このインフルエンザが、深刻なものであるということを示す証拠はまだないという記事や、メキシコでも事態は改善しているという記事があるかと思いきや、あとは海外の記事である。

これを見て、イラク戦争時にアメリカに滞在したときのCNNのニュースを思い出した。イラクとは無関係のアフガニスタンでのアルカイーダの軍事訓練映像を、20分に1回は流していたのである。今では信じられないかもしれないが、当時は、イラクとアルカイーダの関係をアメリカ政府はほのめかしていたのである。その後、それは薄れ、大量殺戮兵器の存在に移り、イラクの民主化の必要性へと、戦争を正当化する論理は移り変わる。明らかな情報操作である。副大統領が「地下鉄に乗らないほうがいい」といったことが「失言」扱いになるくらいなのである。国民を不安にさせてはいけないのである。オバマ大統領が代わりに強調するのは、インフルエンザの特効薬に予算をかけることである。

おそらく、今回のインフルエンザを食い止めることはできないことを、政府は見きっている。幸い弱毒性だ。だったら、どんどんかかって、薬で治して、免疫をつければいいんじゃないか、そう思っているのかもしれない。そして、それはたしかに理にかなっている。

いずれにしても各国の映像を見て分かるのは、メキシコ人もアメリカ人もイギリス人もとにかくマスクをしないことである。これは、そのうち、必ず来ると言われている、強毒性の鳥インフルエンザ由来の新型が発生したときには大惨事をもたらすであろう。

ところで、僕はどうするか迷ったときは、タロットカードとエンジェルカードを引くことにしている。

読んでいる人、引かないでほしい(^_^;)。

僕は、占いを文字通りに信じているわけではない。占いの結果がその通りになるなどということは、科学的に証明されないし、そのかぎりで、信頼するに足りないということは分かっている。しかし、占いである結果が出て、それを解釈することによって、心理的に何かしら変化が生じ、それが現実に影響を及ぼす可能性はあると思っている。

つまり、思考がよどんだときに、刺激を与えるために、カードを引くのである。

この旅行には、エンジェルカードは残念ながら重いので持ってきていない。なので、やたらと悲観的な結果の出るタロットを引くことにする。

5月にアメリカに行った場合:皇帝
行かないで日本でおとなしくしていた場合:死神

普通、逆だろー、と思う。とにかく、このタロットはやたらとアメリカに行かせたがっているのだ。前も、4月から5月と2ヶ月間イギリスにいた場合と、アメリカにも行った場合とで占ったことがある。結果、イギリスに2ヶ月いるほうで「死神」が出ている。それで、アメリカにも短期で行くことにしたのだ。もちろん、これは占いの言うことを聞いたわけではない。どちらに転んでも、それなりに有意義だと思ったので、占ってみたのである。普段は合理的に決めているのである。関係者の方、安心してくださいm(__)m

せっかくフィンドホーンにいるのに、こんなことしている場合じゃない。

ビジター向けの短期プログラムがあると聞いていたので、ビジターセンターに行く。土日は休み。今日は土曜日。当てが外れた。と同時に、土日に来るなんてダメだった、と後悔する。(あとからよくメールを見返したら、そう書いてあった。)

それでも、午後にビジター向けのツアーがあるというので、それまで一人で探索する。

パーク(公園)入り口の右側はホリデー公園で、キャラバンが並んでいる。

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子ども用の公園。プライバシーに配慮して子どもを写していないが、子どもは多数見かける。

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屋上緑化とソーラー湯沸かしパネルを付けたエコハウス。

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コミュニティセンター。食堂がある。体験週間を過ごす人たちは、ここで何かを作るのだろう。

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コーナーストーン。創始者の家。

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オリジナル・キャラバン。創始者たちが、もともとの仕事を追われ、最初に居を構えたキャラバン。何もないところに、とりあえずの家が置かれ、ここに7年間も、創始者夫妻と、協力者の女性、子ども3人で暮らしていたそうである。

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オリジナル・ガーデン。最初に、精霊のメッセージを聞きながら、野菜を作ったところ。ここで、砂地が主な土壌であるにもかかわらず、巨大なキャベツを作って、世界的に有名になった。

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オリジナル・ガーデンの近くにあったもの

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同じく近くにあったもの

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メイン・サンクチュアリー。瞑想用に使われる。ここで、思わぬ体験をした。これは日記をあらためて書く。

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その「思いも寄らぬ体験」の後、ガイド付きのツアーに向かう。ツアーは、僕以外、全員女性。ガイドの説明は、エコを強調したものだった。


よく見えないかもしれないが、タイヤをリサイクルした壁のエコハウス。

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ブティック。ここにある衣服は、誰でも使ってよい。使わなくなったら戻す。このときには、子どもが出てきたところだった。

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ネイチャー・サンクチュアリ。シュタイナー風に見える。

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ポッタリー・ショップ。この他、アートセンターなどもあって、芸術に力を入れている。シュタイナーの影響はどうなのか気になる。

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ユニヴァーサル・ホール

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ユニヴァーサル・ホールの内部

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ユニヴァーサル・カフェ。ガイドのあとはここでご飯を食べた。

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ガイドは、かれこれ、25年もここのスタッフをしているそうである。ニューエイジとの関係について聞いてみた。ガイドいわく、ニューエイジはたしかに関係があった。それは創始者のアイリーン・キャディがスピリットからメッセージを得ていたからである。しかし、ニューエイジはもうオールドである。

エコを強調しはじめたのは、比較的新しいのでは?という質問に対して、昔はたしかにそういう言葉はなかったけれど、実際にやっていたことはエコヴィレッジを目指したものだった。名前の問題にすぎない、という返答だった。もっと突っ込みたいところだが、仕事終わりに悪いと思い、これくらいで終わる。

この日は、これでスイーツ(笑)なご飯を食べて、さっさと寝た。風邪、もとい疲れを癒すためである。

そして、夜中むっくり起きて、衝動的に5月後半のアメリカ行きをキャンセルした。
この日は、文字通り移動の日。

風邪気味。昨日も夜遅く外にいたせいだろう。新型インフルエンザを恐れて、マスクして駅に向かう。すると、誰もマスクをしていない。それどころか、マスクをしてトランクを引いている僕をあるご婦人が見て、この世の終わりかと思うような恐怖の表情をされてしまった。

どうもイギリス人はマスクをしないらしい。国内での二次感染はもう確認されているというのに。この日、電車のなかでも一人もマスクしている人を見かけなかった。

前日S先生からフィンドホーンまでは3時間半くらいといわれたのだが、駅についてみると、4時間半くらいだった。

さらに詰めが甘いのが自分の性格。フォレス駅からどうやって行くのか、着いてから情報がないことに気づく。駅は、タクシーもバスも止まっていない。自家用車がのどかに駐車しているだけ。まるで北関東の東武鉄道だ(ローカルネタ)。

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駅の地図を見て、こっちだと歩き出す。しかし、いつまでたっても着かない。焦るけれど、サマータイムに加えて緯度が高いせいもあって、明るいので田舎道を歩く。しかし、さすがにリュックとトランクを引くのに疲れ果てた。



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キンロスという街に着いてガソリンスタンドのところで、親切なおじさんに拾われる。この人は、フィンドホーンにはワークショップをしに行くといっていた。何のワークショップかと聞くと、「体験週間」のワークショップと答えられた。体験週間とは、1週間泊まって、コミュニティの生活をするものである。僕は、これをやる余裕がなかったので、ただのヴィジターとして滞在する。あとで、このおじさんはサイコセラピストであることがわかった(写真付きのプラクティショナー紹介のパンフレットで)。

B&Bは、ナイスだった。かわいい猫が2匹もいる。



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着いて、色々と説明を受ける。もう6時近い。結局、この日は移動だけで終わってしまった。

「何か質問はあるかい」
「んー」
(ご飯はどうしようかな、とふと思う)
「ご飯を食べたかったら、この地図のこの先を海岸沿いに歩いて行くと、シーフードを食べさせるバーがあるよ。ここら辺じゃ一番おいしい。」

このやり取り、「あれ」っと思う。意思が通じやすいのかしらと思う。

海岸は素晴らしかった。



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ご飯は、サーモンの入ったスープとでかいパン。UKに入って、はじめて、素直に最初の一口でおいしい!と感じる料理だった。もちろん、これまでもおいしいものは食べているのだが、どれも、「たしかにおいしい」と、頭で感じるおいしさだった。



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貝殻。逆光のせいと思われるが、神秘的な線が写り込んでいる。



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海岸を歩いていると驚くほどきれいな白い丸い石が見つかる。これは日本に持ち帰ろう。



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