ヘーベルハウスの営業大谷さんに見積もりを出してもらったボー君。
総費用4,200万円で、収入を僕の一馬力で計算していた当初予算よりも大きく超過していたものの、夫婦共働きで考えた場合は可能となる範囲内でした。
それでも即決はせず、もう一度よく検討するためにファイナンシャルプランナーのFさんに相談することとしました。
元銀行融資課で住宅ローンを担当していたFさんにお世話になった経緯はこちらの過去記事を参照↓
もともとFさんとは生命保険の見直し作業を続けており、その関係で会うことになっていました。今回のことはついでにご相談です。
コロナ禍もあってZOOMによる相談も一般的になっていましたが、やっぱり対面でお話ししたほうが安心感があるということで直接会いたいと要望。片道2時間弱かかるにも関わらずFさんは快諾してくれます。
しかも、この時点で出張費等交通費は一切お支払いしていません!
そのうえ生命保険も契約するとは確約していない状況!それでも嫌な顔しないFさんには尊敬しかないですね…(といっても、僕たち夫婦としてもここまでしてもらって契約しないつもりはサラサラないけど!)
ということで、以前お話しした喫茶店でFさんと再会!
一通り前回の生命保険のお話のおさらいをしたのち、住宅ローンの相談を持ち出します。
「実は住宅ローンのことでもう一度ご相談したくて…ヘーベルハウスでいま考えてるんですけど、値引きや安い土地探しを頑張ってもらって4,200万円の見積もりを出してもらってるんです。当初の3,500万円からすると予算オーバーですけど、夫婦共働きで計算すれば以前教えていただいた年収7倍の範囲内だしいけるかなと…」
それからヘーベルハウスの住宅性能の高さを(営業大谷さんの受け入りで)つらつらと説明し
「初期コストは高くなるけど、長く安心して住めるなら十分アリかな~と思ってます!」
と大谷さんからもらった見積書もお見せして自分の思いを開陳しました。
Fさん、僕の話を黙って聞いてくれます。
ヘーベルハウスの見積書もじっくり読んでくれます。
そして、一言。
※この先閲覧注意
Fさん「一番無駄な買い方してます」
「え……」
「大手のハウスメーカーでこの価格というのは、一番無駄なやり方です」
ボー君、絶句。
「これくらいの価格で大手のお家を建てるって一番意味がないんですよ。それなら地元の工務店でもっと安く建てられるじゃないですか」
「で、でも、立派な住設も標準装備だしアフターサービスもいいし、ヘーベルハウスなら30年後でも売れるかなって…」
「高価な住設やアフターサービスを目当てにお家を建てるのですか?そもそもボー君さんがお家を建てる目的って何なんですか?」
「それは…将来的にもっとインフレが進むだろうから、賃貸やマンションだと共益費や修繕費が上がって大変かなって…それなら固定金利で家を建てられたら、そのほうが住居費が安定するかと…」
「奥様の方は、なんでお家を建てたいんですか?」
「だって、せっかく買うなら新築がいいなって…」
「お二人の話を聞いていると、わざわざヘーベルハウスで建てる必要はありませんよね?
住居費を安定させたい、新築がいい、なら大手じゃなくても地元の工務店で安く建てればいいじゃないですか。私の友人も泉北ホームで2,000万円ほどで立派なお家を建ててらっしゃいましたよ」
あうぅ…
「そもそも奥様が働く前提の予算計画というのが危険です。旦那さんは公務員で安定してますけど、奥様は本当にローンを払い終えるまでずっと働けますか?職業柄、体力仕事ですよね?体を壊したら働けませんよね?」
奥さんは介護現場で働いています。ベッドからの移動やトイレ、入浴の介助などは力仕事なのです。いまはいいですが、50代になっても続けられるかはわかりません。
「お子さんが出来たりしたら産育休で一度リタイアしなきゃいけませんし、育休がおわったところですぐフルタイムで働けるとは限りません。ケガや病気をして働けなくなったらどうしますか?住宅ローンなんて払えなくなったら銀行は容赦なくお家の差し押さえに動きますよ」
もうここまで来ると暗い顔で黙って聞くしかありません。
「日本だと家に資産価値はないんですよ。20年もすれば建物のは価値はゼロになります。あとは土地の価値だけが頼りです。土地の資料を拝見しましたが、駅から遠いし前面道路も土地面積も狭いし、お住いの市でこの条件なら資産価値が高いとは言えません。将来売りに出そうとしてもなかなか売れないでしょうし、売れたとしても4~500万円くらいで、ローンの残債には遠く及ばないでしょうね」
Fさんの言う通り、日本ってマンションならまだしも一戸建てのお家に資産価値はほとんどありません。500万の土地に3,500万の家を建てて4,000万のローンを組んでも、将来500万の価値しか残らないんです。3,000万の土地に1,000万の家を建てれば、3,000万の価値は残るので将来的に家を売りに出せばローンの残債を余裕でペイできる可能性が高いんですね。
「私のお客さんにもそういう人をたくさん見てきました。家を売りたいのに買い手がつかない。売れたとしても安い価格でしか売れなくて、ローン残債でペイできなかったり。ついに買い手が見つからずにローンが払えなくなって競売にかけられたりするともっと安く買い叩かれますよ。家を失って生活レベルを落とし、今はもう住めなくなった家の借金だけが残ったり…いろいろな可哀そうな人たちを見てきたんです。私は、ボー君さんたちにそんな目には遭ってほしくありません。私がこの仕事をして、こういう相談にも無料で応じているのは、そういう人たちを少しでも減らしたいって想いもあるんです」
「人生って本当に何があるかわからないんですよ。ケガや病気は誰がなるかわかりません。もしものことがあっても大丈夫なようにライフプランを組むべきです。だから、無理をして、めいいっぱい頑張って家を買うようなことはしてほしくありません。確かに夢のお家に住むことだけが生きがいだからと、そのためだけにライフプランを考える人も中にはいます。でも、ボー君さんはそうですか?」
そういえば僕も奥さんも、気になる間取りなんてないし、プランを出してもらう時もセミオーダーでいいや、フツーのお家でいいや、なんてテキトーな考えでした。新築で建てられてたまぁいっかって。新築なんて、一回玄関ドアを開けて中に入ったら中古ですからね。
「結局はお二人が決めることです。でも、私は考え直して欲しいなって、思ってます」
意気消沈。
でも、僕たち二人の将来を本気で心配してくれている気持ちは十分伝わりました。
ハウスメーカーの営業さんも悪い人じゃないけど、あの人たちはまずノルマや会社の利益が最優先ですから、お家を建ててもらうために言ってることです。それが仕事ですからしょうがないんですけど、でもやっぱり、僕たちのことを純粋に優先して心配して考えてくれてるのは、Fさんの方ですよね。
新築を建てたいって思ってる奥さんには申し訳ないけど、僕はFさんの忠告に従います。
今は家のことだけだけど、子供ができたら家より子供のほうが大事になるに決まってるし。そのとき、住宅ローンがあるから子供におカネはかけられないよ、なんて言いたくない。
「わかりました。少し夢を見て浮ついていました。考え直します」
ま、夢を見れたのは楽しかったですよ!