すたんこお嬢さん→すたんこ奥さんのブログ
こちらは、「中世音楽のまうかめ堂」の附属ブログです。これまでの日記はこちらをごらんください。
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かすべのこと

お嬢さんとまうかめ堂さんの新居は、駅から10分ほど(込んでいる時は15分ほど)バスにのり、バス停から5分ほど歩いた新興住宅街の中にあります。

新興といっても、この住宅街の開発が始まったのは今から40年ほど前からで、住宅街には、そのころに建てられた大きな間取りの家と商店、および最近になってその周囲に建てられたちんまりした間取りの家とがあります。

このうち、開発がはじまったころに建てられた個人商店は、おそらく経営者の高齢化によって閉まっていったようで、現在新居の近くにあって店を開いているのは魚屋とお茶屋と花屋しかありません。

お茶とお花にはまだご縁がないので、お嬢さんはもっぱら魚屋に通っています。魚屋は道の角にあり、魚のケースが道に面して2面あります。それぞれのケースにはおばさんが2名づつ付き、お客さんに対面するようなしくみになっています。

引っ越して来た初日は外食をしたので、その翌日の夕食は刺身にしようと、大根を引いてつまを作ってから魚屋に向かったところ、ちょうどその日は定休日でした。主菜をなくしたその日の夕食は、副菜のはずの厚揚げが主菜に格上げされ、つまのはずの大根が副菜に昇格しました。

翌日、お嬢さんは満を持して魚屋に行き、いわしのさしみとかすべの大きな切り身を得て帰って来ました。かたくり粉をはたいて揚げたかすべはまうかめ堂さんにとって初体験だったようで、たいそう喜ばれました。

写真は、ずっと昔に出かけた外国の写真です。引っ越しを機に昔の写真をスキャナしたので載せてみました。


奥さんの一日のこと

ブログを再開してすこし記事を書いてから、また長くお休みをしてしまいました。
お休みをしているあいだ、お嬢さんは下宿と新居を往復しながら荷造りと荷解きをしたあと、5月の半ばに下宿を引き払って新居に移りすみました。

まうかめ堂さんも、新居にあるまうかめ堂さんの兄の荷物を片付けながら実家から荷物を運びこみ、5月の半ばから新居でくらしはじめました。

お嬢さんとまうかめ堂さんが揃って新居で暮らすようになった日は、ちょうどまうかめ堂さんの誕生日でした。お嬢さんとまうかめ堂さんはこの日に市役所の支所にでかけ、街に住む登録をすませたあと、駅の近くのイタリア料理店で初めましての夕食をいただきました。

きょうで、新居生活をはじめてからおよそ2週間近くになります。日常生活を繰り返しながら、お嬢さんはしだいに時間の使い方を覚え始めました。

謎の政府機関で仕事をしていた時とはちがい、家事における時間の使い方は裁量による部分が非常に大きいもののようです。時間を意識して身体を動かすのは、廃棄物の回収がはじまるまで、とか、まうかめ堂さんが起きて居間にあがってくるまで、とか、まうかめ堂さんが駅でバスに乗って新居に帰ってくるまで、のような小さな局面しかありません。

局面から局面までの時間が弛緩するのがなんだか悪いような気がするのと、実際にすべき作業がまだ多いことから、ここ10日ほど、お嬢さんは毎日くるくると身体を動かしていました。すべき仕事にほんのり先が見えたのが先週の末あたりからで、そのあたりからお嬢さんはやっと疲労を感じ始め、きのう初めて遅起きをしました。

このようにして、お嬢さんは変わらずゆるゆると暮らしております。

写真は、披露会の新郎新婦席の飾りです。


注文机のこと つづき

まうかめ堂さんの勉強机が、まうかめ堂さんのリクエストを勘案すると注文製作になる可能性が高くなったところで、お嬢さんはやおら奮起し、注文机を作ってくれそうなところを探し始めました。リクエストに応える結果を探し出してくることは、アーキビストにとって大切な仕事です。

インターネットで検索すると、作成例を豊富に掲載した工房や木工所のサイトがいくつもみつかりましたが、それらは遠くて実際に見に行くことができなかったり、「無垢の木であること」を重視してお値段が予算を超えたりしていました。なにより、インターネットだけで注文をしてしまうことに、お嬢さんはすこし抵抗がありました。

次に、お嬢さんは、むかし大学院に通っていた通学路沿いに「カウンター製作いたします ショールーム開放中」という看板を掲げた材木店があったことを思い出しました。材木店のホームページを探して行ってみると、その材木店ではカウンターの他に、展示された材木から机を作ってくれる事業を始めたことが書かれていました。

その次に、お嬢さんは大家さんに、大家さんの家具はどこで注文したものか訊いてみました。むかし、大家さんがお嬢さんに、結婚家具と大家さんの夫の書斎家具は全て作ってもらったの、という話をして下さったことを憶えていたためです。訊いてみたところ、大家さんの家具を作って下さった工房はまだこの街にあることがわかりました。

先週の月曜日に、お嬢さんはさっそく家具工房と材木店を訪ねてみました。

家具工房に行くと、工房はもっと広いところに移転したということで、工房だったところは展示場になっており、女性のマネジャーの方が、工房でできることや机の作例について詳しく説明をして下さりました。

家具工房から5分ほど歩くと材木店に着きます。高い天井の材木置き場にたくさんの木が立てかけてあり、大きな研磨機や製材機が置いてある隅に、若い男性の方がおられたので机を作って下さいますかとたずねると、わたしが製作をしていますということでした。展示場に案内していただき、木の名前と、それを製材するとどんな素材になるかを詳しく熱心に話して下さったことで、お嬢さんはこの材木店と製作担当の方がたいへん好ましく思えるようになりました。

先週の土曜日に、お嬢さんはまうかめ堂さんにご足労いただき、材木店と製作例を見ていただきました。まうかめ堂さんは材木が並ぶ風景に圧倒されたようでしたが、木の説明をじっくり伺い、木の材質と脚の形と作成の手数ごとに細かい見積もりを出していただいたあと、山桜の木をつないだ天板を升型の脚枠に載せる形の机を製作していただくことにしました。升型の脚枠は長方形をしており、短辺と長辺を組み替えることで、座り机と椅子机に変えることができます。山桜は皮に近いほうと芯に近いほうの色の差がおもしろく、また、使っていると華やかな紅色になっていくことが気に入って、お嬢さんが選びました。できあがったら写真にて紹介したいと思います。

写真は猫の山里の猫です。2年前の春の写真です。



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