先日、ある若いママさんが赤ちゃんを抱えてやって来た。
鞄から書類を出そうと身をよじるが、
赤ちゃんを小脇に抱えるわけにも行かず苦戦。
そしてママさんはわたくしを見て、
「ちょっと持っててもらえませんか」
と言いながら赤ちゃんをわたくしに差し出す。
「はい。え? あーちょっとちょっと……」
戸惑いながらも思わず受け取ったわたくし。
生まれて1ヶ月ほどの赤ちゃんに触れるのは初めてだった。
まだ首がすわっていない……!!
体全体を下からすくおうとすれば首がぐらぐらする。
そもそも抱き方を間違えた感じで、
指を極力開いて赤ちゃんを乗せるのがやっとだった。
それにしても小さい。
見た目よりも軽い。
恐ろしいほど柔らかい。
この赤ちゃん(男の子)はとても大人しく、
初めて会うわたくしをじーっと見つめているだけだった。
……なんてかわいらしいのだろう!
泣かれなかった安堵よりも感動の方が勝った
やがてママさんの腕の中へお返しする。
その後、わたくしがママさんと話している間、
赤ちゃんはママさんの腕の中から色んなものを見ていた。
……寝た。
近くでもう少し年齢が上の子どもたちがわーわー泣いていたが、
一緒に泣くこともなく、急にすやすや。
目が棒のようになっていて、
それもまたかわいかった
こんな貴重な体験を許してくださったママさんに感謝
どうか健やかに育ちますように。
龍九尾