元協栄ジム・萩原 篤 &栗原慶太(一力)「OPBF新チャンピオン!」 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

協栄ジムで一緒に選手を育てて来た萩原 篤 トレーナーが、2017年に一力ジムへ移籍後、初のチャンピオンを造った。24日、大阪市の住吉区民センターで開催されたOPBFバンタム級王座決定戦で、栗原慶太(一力)選手が、ストロング小林佑樹(六島)選手を12回判定に破った。試合後、萩原トレーナーから、元協栄ジムマネジャーの大竹重幸氏のもとに、「協栄での経験が役に立ちました」と喜びの言葉があった。

 

 

2008年1月、萩原トレーナーが育てた全日本新人王の松崎博保(協栄)選手が、当時の日本スーパーフェザー級王者小堀佑介(角海老宝石)選手の持つ王座へ挑戦。この試合、大竹氏と萩原氏の間で確認jされた作戦は、左を使って動いてのアウトボクシング。しかし第6ラウンド、ちょっと前に出た松崎選手のパンチが小堀選手を捕らえ、ポイント奪取。しかし、「松崎、大丈夫だ。当たるよ。打って行こう」となった7回は、小堀選手が盛り返した。

 

「萩ちゃん、向こうは打ち合ったら強いんだから、動いた方がいいよ」

 

これは7回が終わってからの大竹氏のアドバイス。7回開始前も小堀選手に勝つには打ち合ってはいけないとの考えを崩していなかった大竹氏からは試合後、「あれは萩ちゃんを育てるために黙ってた」と聞かされた。

 

 

あれから10年以上の歳月が過ぎたかと思うと早いものだが、萩原トレーナーは今、一力ジムで協栄ジムでの我々の先生(大竹&金元)だった中村 隆 氏と一緒に選手指導に当たっている。いつだったか、帝拳ジムへ選手をスパーリングに連れていった時、長野マネジャーから「国民の会長の息子さんでしょ」と言われた時はショックだったが、それを伝えた中村先生は。「そうか。親父の事、覚えてくれていたか」と大変喜んでおられました。

 

 

戦後、新橋でいち早く青空道場を開き、ボクシング復興に尽くしたのが中村先生の実父である正美氏(上写真下)。そして、正美氏とエディ・タウンゼント氏は家が近いという事もあり、昵懇の間柄に。そして、隆先生は今を時めく井上尚弥(大橋)選手を育て上げた、実父・真吾トレーナーにボクシングの手ほどきをされている。

 

技術(心も含め)は継承され、選手もトレーナーも経験を活かして成長して行く。萩原トレーナー、栗原選手、本当におめでとうございました。