京太郎vs”元世界王者”石田 日本ヘビー級戦 実現なるか!? | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

元WBA世界Sウェルター級暫定王者石田順裕(グリーンツダ)選手が、1月11日、後楽園ホールで開催される角海老プロモーション主催の興行『DAVE☆IMPACT』に出場。日本ヘビー級ランキング入りを賭けた、3ラウンドの公開査定スパーリングに挑む。


2010年10月、メキシコで不運ともいえる判定を落とし暫定王座転落しかし、次のジェームス・カークランド(米)戦で、27戦不敗の強打者を初回KO。一躍米国リングに名前を売った石田選手は、ウィリアムス、ピログ、ゴロフキンらの世界的著名選手と対戦。

昨年8月、3年8ヶ月ぶりに日本リングに復帰した元王者は、エリー・パンガリブアン(インドネシア)を2回KOに降し再起。直後のリング上で、ロンドン五輪ミドル級金メダリストからプロ転向した村田諒太(三迫)選手との対戦をアピールした。


その後は、元WBC世界ミドル王者フリオ・セサール・チャべスJr(メキシコ)陣営から対戦話もあったが、チャべスJrの拙戦で再戦(vsベラ)が決まってしまい、これは実現しなかった。

世界ミドル級戦線で十分な知名度がある石田選手の、ヘビー級チャレンジ。査定スパーは、4勝(1KO)3敗の大和藤中(金子ジム)選手を相手に行われる。

このスパーリングで石田選手が「合格」すれば、4月30日に後楽園ホールで予定される日本ヘビー級王者藤本京太郎(角海老)選手2度目の防衛戦相手として、石田選手が浮上してくる。


元K-1王者からボクシング転向した藤本選手は、身長こそ3センチ石田選手に劣るが、体重100キロを超える正真正銘のヘビーウェイト。

ヘビー級王座挑戦に向けて、そのための体造りをしているという石田選手は、持ち前のスピードを活かせる範囲で増量してくると思われる。石田選手の前戦のウェイトは72.6キロ。これはキャリア最重量。

90.7キロ以上がヘビー級の上限となるが、その作り方は色々ある。それにしても、藤本vs石田戦が実現すれば、話題性も十分で面白い試合になりそう。


70年代後半、米国で8連続KOを記録し凱旋帰国。当時の王者モハマッド・アリ(米)挑戦かと、一般世間を大いに騒がせた和製ヘビー級コング斉藤(リキ)選手は、帰国第1戦でジョージ・ファオマン(米)とも戦ったという、ストーニー・ランド(米)を2回KOするも、ランドのふがいなさにヘビー級熱は一気に冷めてしまった。

その後、再び米国でKOを増やした斉藤選手は、日本で本当の実力を示すために日本人選手との対戦を画策。選ばれたのがKO負けして2ヶ月しかたっていないという、日本ミドル級4位長岡俊彦(金子)選手。

78年6月、日本での売り出しを賭けて、斉藤選手は、”安全パイ”長岡選手と対戦。しかし、誰もがアッと驚く2回KO負け。



相当な自信を持って挑んだ長岡戦だっただけに、斉藤選手のショックは相当なもの。

それでも再起を果たした、日本初の”本格的和製ヘビー級”斉藤選手は、汚名返上を賭けて長岡選手との再戦に挑んだ。

しかし、半年後のリマッチも3回KOで返り討ち。日本ヘビー級の夢はついえさり、斉藤選手の選手生活もここで終わった。


勝利に沸く、長岡選手陣営。だが、長岡選手は斉藤選手との初戦後、ネッシー堀口(野口)選手に2回KO負けしていた。

一時は世界ヘビー級ランキングにも名を連ねた藤本選手と、階級を上げてくる元世界王者石田選手。互いにリスクを背負うことになるが、果たして、その実現は?。

まずは石田選手の公開スパーリングに注目。1月11日・後楽園ホール・『DAVE☆IMPACT』


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